Google Doodleが女性初のエベレスト登頂成功者、故・田部井淳子に敬意のロゴ

80歳の誕生日をかわいいGIFで祝福。

» 2019年09月24日 16時35分 公開
[MARCUS GILMERMashable]
Mashable
田部井淳子 Google 2003年に開催されたエベレスト初登頂50周年記念イベントでの田部井淳子さん(写真中央) IMAGE: PAULA BRONSTEIN / GETTY IMAGES

 9月22日のGoogle Doodle(祝日や記念日など、その日に合わせたデザインに変更されたGoogleのロゴのこと)は、エベレストに登頂し地球の天井に達した最初の女性、田部井淳子さんの偉業を祝いました。この日は、伝説的な登山家が80歳の誕生日を迎えるはずだった日で、検索エンジンのロゴはかわいらしい田部井さんのイラストが山を登っていくGIFになっていました。

田部井淳子 Google IMAGE: GOOGLE

 1939年9月22日、福島県田村郡三春町に生まれた田部井さん。1975年5月に自身が副隊長兼登攀(とうはん)隊長を務めるエベレスト日本女子登山隊とともに、エベレストの山頂を目指しました。彼女のエベレストへの冒険は、頂上へたどり着く最初の女性になるためだけではなく、母国での文化的声明のためにも始められました。

 2012年に田部井さんはジャパンタイムズ紙のインタビューに答える形で、「1970年ごろの日本では、男性が外で働き、女性は家にとどまるものと広く考えられていました……女性が仕事を持っていたとしても―彼らはお茶くみをするよう言うのです。昇進なんて考えられないことだった」と発言。それにもかかわらず、彼女は「誰が何といっても、山に登りたいという気持ちに疑問を持ったことはなかった」とタイムズ紙に主張しました。


 田部井さんが克服したのはエベレストだけではありません。1992年に、彼女は世界女性初のアフリカのキリマンジャロやアラスカのデナリ(旧マッケンリー)を含む、7つの大陸それぞれで最も標高の高い山々を制した“七大陸最高峰”の登頂者となったのです。

 のちに田部井さんは山の保護にも焦点を当てるようになり、九州大学大学院で、彼女が愛し登った山頂に登山家(と彼らのごみ)がもたらした影響について学びました。

 こうした活動にも身を投じつつ、しかし最後まで登り続けることはやめなかった田部井さん。2016年10月にがんで亡くなるほんの数カ月前、Outside誌に、何十カ国もの最高峰に登り続けた理由を次のように語っています。

あなたはエベレストの後にも自分を突き動かし続けました。七大陸最高峰、他にも多くの山に登りましたよね。登り続ける動機は何でしょう?

山を愛しているからです。行ったことのないところに行くのが大好き。だから私は世界中の最高峰すべてに登る挑戦をしているんです。私は今76歳で、76カ国の最高峰に登っています。がんに苦しんではいますが、自身の道を進み続け、山に登りたいです。

 偉大な登山家であるだけでなく、驚くべき人物である田部井さんはもちろん、Google Doodleで祝う価値のある人だということは明らかですね。

(C) Mashable, Inc. Published under license from Ziff Davis International.

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