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» 2019年10月24日 17時10分 公開

東京拘置所で聴けるラジオ番組、美味しい食事メニュー……佐藤優が語る勾留の記憶 

“小菅ヒルズ”のご飯はうまいそうです。

[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(10月21日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。東京拘置所勾留中の生活について語った。

フォト 佐藤優

東京拘置所512日

所謂“鈴木宗男事件”に絡んだ背任容疑で逮捕され、東京拘置所で512日勾留された佐藤優。そのときの環境や生活はどのようなものだったのか―

森田耕次解説委員)佐藤優さんと言いますと、2002年に鈴木宗男さんの事件に絡む背任容疑で逮捕されまして、東京拘置所で512日間勾留された経験があるということですね。

佐藤)512泊513日でした。2002年の5月14日にあそこへ移り住んで、2003年の10月8日に出てきました。ですから1年以上いまして、いまくらいの時期になると午後の5時からニッポン放送をよく聴きました。

フォト 東京拘置所(2018年撮影)−Wikipediaより

聴きたいラジオ番組アンケートがあった

森田)メールをいただいていまして、東京都小平市のラジオネーム“101回目のぎっくり腰”さん「拘置所にいたときにラジオが聴けたと思いますが、ニッポン放送は聴いていましたか?」とまさにこのように質問が来ています。

佐藤)我々は放送局を選べないのです。その代わり、1年に1回だけアンケートがあって、1番(目の質問)が「野球中継について、ジャイアンツ戦中心がいいか、そうでないか」という2択なのです。2番は「聴きたい番組を3つ書いてください」でした。そのなかでプロ野球中継に関しては、圧倒的にニッポン放送が多かったですね。

増山さやかアナウンサー)ショウアップナイターですね。

森田)巨人の試合を聴きたいという人が多かったのですね、きっと。

佐藤)そうだったと思うので、ショウアップナイターを聴くとあのころを思い出します。しかし、夜の8時55分に放送がピタッと終わってしまうのです。その後でなぜか5分間CDで例えば、中島みゆきや松任谷由実、松山千春が5分間かかるのだけど、曲の途中だと翌日そこから始まるのです。

森田)最後までかけてくれないのですね。

佐藤)21時ぴったりに終わってチャイムが鳴ると、減灯。消灯ではなく、監視の関係があるので真っ暗にしないのです。私の部屋は特別室といって、自殺をしたりする可能性のある人を入れる部屋だったので、24時間監視カメラがついていて、減灯するときの灯りがあまり暗くならないのですよ。それだから、ジャイアンツ戦の結果がわからないでしょう。翌朝になると、朝の点呼を看守が取っているときに「昨日のナイターの結果はどうでしたか?」と看守に聞いているわけです。

森田)8時55分に終わっちゃうのでは、気になりますよね。

佐藤)なかなかそれまでに試合は終わらないでしょう。それでみんなフラストレーションが溜まるのが野球中継でしたね。

フォト 航空写真に見る東京拘置所の様子。1989年度撮影。建物は現在とは異なる。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成 -Wikipedia『東京拘置所』より

“小菅ヒルズ”東京拘置所の環境は

森田)東京拘置所は小菅にあります。

佐藤)冗談半分で「小菅ヒルズ」と呼ばれます。堀江貴文さんと会ったときも「六本木ヒルズから小菅ヒルズ」という感じで話していたのですが、環境はなかなかいいのですよ。

森田)特別室というのはどれくらいの間取りなのですか?

佐藤)間取りは特別室も一般室も全部一緒です。畳3畳と1畳分の板の間です。ただ、特別室とそうでないのは畳が違います。畳の淵に黒い縁がついているのが一般室で、ついていない柔道場の畳のようなものが特別室です。

森田)そうなのですか。

佐藤)だから、外から看守が見て「ここは特別室だな」とわかるわけです。

森田)看守さんがわかるように区別をしているのですね。

佐藤)そして、いわゆる「檻」はないのです。おそらくつるはしでたたいても割れないと思うんですけど ものすごく強い強化ガラスで窓がはめられているので、鉄格子の檻はないのです。

森田)柵の檻はなくて、ガラスの部分が強化ガラスになっていると。あとは壁ですか。

佐藤)そして、高さが3メートル近くあって、天井が高いのです。

森田)そとは見えないのですか?

佐藤)外は見えません。窓があって、その外側に厚い曇りガラスの窓があって、晴れか雨かもわからないですね。昼か夜かはわかるのですが何の音もしないから、潜水艦のなかはこういうところなのだろうな、といった感じですね。もっとも、最初に私が入ったのは冷暖房の全くないプレハブの獄舎で、そこは外が透けて見え、鳥や猫の声が聞こえました。少し外が見えるので、月も見えるのですよ。アクリル板の上が透明になっていて、下の方が白いペンキになっています。新しい獄舎(収容棟)も、冷暖房がないと言っても部屋にないだけで、通路全体から漏れてくる空気で暖かいし涼しいのですが、前のところは全くそれがないのできつかったです。

森田)東京拘置所は変わって綺麗になったのですよね。

佐藤)ちょうど私がいるときに引っ越しがありました。2003年の3月に引っ越しがありました。

森田)じゃあ両方経験しているのですね。

フォト 増山さやかアナウンサー、佐藤優、森田耕次解説委員

意外とおいしい拘置所の食事

森田)横浜市の“にわかファン”さんからのメールです。「佐藤さんは500日以上拘置所にいて痩せませんでしたか? ごはんは美味しかったですか?」といただきました。

佐藤)ごはんは美味しかったですね。

森田)でも、痩せましたでしょう?

佐藤)痩せませんでした。むしろ、入ったときは70キロだったのが、出てきたら75キロくらいになっていました。

増山)そんなに増えちゃったのですか。

佐藤)5キロくらい増えました。それはどうしてかというと、無決勾留でしょう。刑が確定していないから、1週間に2回食品の購入ができるのです。そこでいろいろなお菓子類を買いますから、それで太ってしまうのですよ。それに対して拘置所の食事だけをとっているなら、これはカロリー計算をしていますから痩せます。

森田)どんな食事なのですか?

佐藤)いろいろありますよ。例えばビフテキなんていうものもありましたね。入った日の食事をいちばんよく覚えているのですが、チンジャオロースに中華スープ、ザーサイとご飯でしたね。

増山)美味しそう。

佐藤)なかなか美味しいのですよ。よく「臭い飯だから大変だろう」と言いますが、あの「臭い飯」というのは麦の匂いがするということなのです。麦が3割で米が7割なのですけれども、実は麦は大麦の新鮮な押し麦なのです。だからフレッシュで美味しくて、新橋あたりの麦飯とろろより美味しいと思っています。

森田)おかわりはできるのですか?

佐藤)できません。量は決まっています。正月の三が日だけは白米になるのですが、これが不味いのです。基本的に古々米ですから、麦が入っていた方が美味しいのですよ。それから、お彼岸になるともち米になります。あんこが別途支給されて、要するに自分でおはぎをつくれということですよね。その辺は非常に細かいです。

森田)お酒なんかは一切出ませんか?

佐藤)だめです。それから、私が「ぶどうパンを差し入れてくれ」と言ったら、ぶどうパンは差し入れ禁止だったのです。話を聞いてみると、ぶどうを集めて発酵させて酒をつくった奴がいるらしく、それからぶどうパンは禁止になったそうです。

森田)そんな人がいたのですね。

増山)すごいですね。

ザ・フォーカス

FM93AM1242ニッポン放送 月-木 18:00-20:20


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