ニュース
» 2019年10月26日 17時30分 公開

日本海軍軍艦「鳥海」発見 沈没からちょうど75年、高雄型オリジナルの姿に迫る【画像37枚】(1/2 ページ)

最後まで生まれたままの姿で戦った稀有な軍艦。

[長浜和也,ねとらぼ]

 故ポール・アレン氏が設立した沈船捜索チーム(関連記事)が、沈んでいる日本海軍軍艦「鳥海」の姿を日本時間の10月26日、米国時間の10月25日に公開しました。

日本海軍 鳥海 Petrel 軍艦発見 艦これ 1938年に有明沖で摩耶から撮影した射撃演習中の鳥海(画像:NHHC

 この米国時間の日付は、鳥海が沈没してからちょうど75年後に当たります。沈船捜索チームは鳥海を2019年5月5日に発見し、5月30日に今回公開した映像を撮影したと述べています。捜索海域の詳細は明らかにしていませんが、深さ5173メートルの海底に船体を発見しています。周囲には300メートル離れて船首部分、左舷前方に艦載機射出用のカタパルトもありました。

日本海軍 鳥海 Petrel 軍艦発見 艦これ ソナーで捉えた海底5143メートルに横たわる鳥海。周辺にはカタパルトと船首部分が分かれて沈んでいた

最後まで生まれたままの姿で戦った稀有な日本軍艦

 重巡洋艦「鳥海」は、高雄型3番艦として1932年に就役します。他の高雄型と同様に大きな艦橋構造物(そのうち下4層分の後部は煙突の排気路が占めている)が特徴でした。これは、大掛かりになっていた射撃管制装置や魚雷発射指揮装置などをできるだけ高い場所に設置したかったことや、艦隊旗艦として艦隊司令部幕僚用の設備を設けた結果と言われています。

日本海軍 鳥海 Petrel 軍艦発見 艦これ 鳥海の巨大な艦橋構造物がよく把握できる写真(画像:NHHC

 昭和の初期までに完成した日本海軍の所属艦艇は、その多くが近代化改装を実施しており、その姿を新造時から大きく変えています。しかしこの鳥海と、同じ高雄型の4番艦「摩耶」(関連記事)は、その機会を得ることなく、新造時の姿と能力のままで、太平洋戦争に突入します。

 摩耶は1943年に損害修理の機会に主砲を1基取り外して12.7センチ連装高角砲2基を増設し、加えて新造時の12.7センチ単装高角砲を連装高角砲に変更しますが、鳥海は太平洋戦争中もそのままの姿で戦い続けました。

 鳥海は太平洋戦争において、東南アジア攻略作戦、ベンガル湾通商破壊作戦、ミッドウェー海戦、第一次ソロモン海戦、第三次ソロモン海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦などに参戦します。特に第一次ソロモン海戦では、第八艦隊旗艦として重巡「青葉」「衣笠」「古鷹」「加古」、軽巡「天竜」「夕張」、駆逐艦「夕凪」を率いてガダルカナル島沖合に突撃し、味方の損害なしに米豪海軍の重巡4隻を撃沈する一方的な勝利を収めます。

 最後の戦いとなったレイテ沖海戦では、1944年10月25日早朝に偶然遭遇した米海軍の護衛空母を基幹とした機動部隊との間に起きたサマール沖海戦で、敵艦上機の攻撃を受けて沈没します。鳥海の生存者は駆逐艦「藤波」に救助されます(鳥海は藤波の雷撃で自沈処分)が、その藤波もその後消息を絶ちます。米軍の記録や付近にいた日本軍の目撃証言から、藤波は10月27日に米軍機の攻撃を受けて沈没した可能性が高いとされています。藤波の乗組員、そして藤波に救助された鳥海乗組員とも生存者はいません。そのため、鳥海の沈没における詳細は今も分かっていません。

日本海軍 鳥海 Petrel 軍艦発見 艦これ 艦橋頂部にある主砲射撃指揮所
日本海軍 鳥海 Petrel 軍艦発見 艦これ 1番主砲塔の様子
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2108/03/news132.jpg 海外記者「最高のコンビニアイスを発見した」 森永チョコモナカジャンボ、ついに世界に見つかってしまう
  2. /nl/articles/2108/03/news016.jpg 柴犬「ぬれるのイヤ〜!!」→その後の行動に爆笑 飼い主のズボンでゴシゴシ顔をふくワンコが面白かわいい
  3. /nl/articles/2108/03/news073.jpg 「四千頭身」石橋、体操銅メダルの村上茉愛とは“かなり仲良い友達” 「結構前の写真」投稿も別箇所に注目集まる
  4. /nl/articles/2108/02/news119.jpg タクシー相手に「あおり運転」繰り広げたミニバン 巻き込まれて急停止したトラックから泥化した土砂がドシャアと降り注いで破壊される
  5. /nl/articles/2108/03/news029.jpg もしや女として見られていない? 突然の別れ話に「勝負メイク」で抵抗する漫画 彼氏の言葉がじんと響く
  6. /nl/articles/2107/09/news134.jpg 「全ての支出を一度見直してみました」 小倉優子、“食費15万円”の反響を受けて節約生活スタート
  7. /nl/articles/2108/03/news007.jpg 暑い日、ミツバチご一行が手水舎に訪れ…… 専用水飲み処を作った神社の対応に「素敵」「優しいお宮さん」の声
  8. /nl/articles/2108/02/news111.jpg 「うちの子に着せたい」の声殺到 五輪会場で編み物をしていた英金メダリスト、作っていたのは「ワンちゃんの服」
  9. /nl/articles/2108/02/news038.jpg 「実は私…人の心が読めるの」クラスメイトから突然の告白、その真意は? 全部バレちゃう漫画がキュンとなる
  10. /nl/articles/2108/03/news102.jpg 小倉優子、週刊誌報道に「当たり前ですが、私の働いたお金で生活しています」 7月に月の食費「15万円」と公表

先週の総合アクセスTOP10

  1. 「くたばれ」「消えろ」 卓球・水谷隼、SNSに届いた中傷DM公開&警告「然るべき措置を取ります」
  2. 「貴さん憲さんごめん。いや、ありがとう」 渡辺満里奈、とんねるずとの“仮面ノリダー”思い出ショットが大反響
  3. 怖い話を持ち寄って涼もう→「オタバレ」「リボ払い」 何かがズレてる怪談漫画がそれはそれで恐ろしい
  4. おにぎりパッケージに四苦八苦していた五輪レポーター「日本の素晴らしい人々に感謝」 大量アドバイスで見事攻略
  5. 「助けてください」 来日五輪レポーター、おにぎりパッケージに四苦八苦 海外メディアにコンビニが大人気
  6. 「うちの子に着せたい」の声殺到 五輪会場で編み物をしていた英金メダリスト、作っていたのは「ワンちゃんの服」
  7. 五輪飛び込み金メダリスト、“手作りメダルポーチ”披露 英国と日本にちなんだデザインが「これまた金メダル級」と反響
  8. 武井壮、行方不明だった闘病中の父親を発見 「電気ついてるのに鍵閉まってて……」本人は自宅外で休憩
  9. 「涙が止まらない」「やっと一区切り」 東原亜希、夫・井上康生の監督退任で“17年分の思い”あふれる
  10. 水谷隼スタッフが一部マスコミの“行き過ぎた取材”に警告 住民を脅かすアポなし行為に「しかるべき措置を検討」

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「竜とそばかすの姫」レビュー 危険すぎるメッセージと脚本の致命的な欠陥
  2. 笠井アナ、日比谷公園で「信じられないことが…」 サンドイッチを狙う集団に「何? えーっ! まさか、それはないでしょ!」
  3. 62歳の宮崎美子、マクドナルドCMで初々しい中学生少女を見事に演じる 「暖かい目でぜひ見てください」
  4. 瀕死のスズメのヒナを助けたのに…… 「助けたヒナたちに完全にナメられた」動画がほほえましくて面白い
  5. ハート打ち抜かれました! コロンビアのアーチェリー女子選手が「かわいい」「エルフ」と注目の的に
  6. 散歩中のラブラドール、助けを求める子猫を発見→保護 親子のような仲むつまじいふたりに涙が出る
  7. 宮迫博之、美容整形から2週間のビフォーアフター公開 手術直後の腫れ&炎症だらけな顔に「暴漢に遭ったんかって」
  8. 上野樹里、“娘”の誕生日に愛情たっぷり手作りオムライス公開 「がんばろうね ママより」と祝福メッセージ
  9. 出勤時、妻にいつになく強く抱きしめられた夫→妻が家に帰ってくると…… 何気ない日常を描いた漫画にツッコミつつもジーンとする
  10. 「本人にしか見えない」「めっちゃ似てる」 霜降り明星せいや、オリンピック開会式に“ガチのそっくりさん”を発見する