「同期のサクラ」次第に差がつく同期たちの描写がリアル 「一生引きこもる」運命の分かれ道にいた蓮太郎(岡山天音)を救ったサクラ【4話】(1/2 ページ)
一方、サクラの夢の橋の運命が!
10月30日に「同期のサクラ」(日本テレビ系)の第4話が放送された。1話と比べるとサクラのコミュニケーション能力は驚くほど向上。それどころか今回、彼女の感情は周囲にだだ漏れしていた。
カッターナイフで手に傷を負ったサクラ
2019年夏、北野サクラ(高畑充希)の病室に訪れた土井蓮太郎(岡山天音)は、サクラの手に残る傷痕を見ながら社会人4年目の出来事を思い出していた。
2012年9月、メンタルヘルスケアプロジェクトの担当を任されたサクラは、ストレスチェックのアンケートを回収するため各部を回る。すると、設計部の蓮太郎は悩みは無いと言いながらもどこか苛ついている様子。社内コンペの準備で忙しいと話す蓮太郎だが、設計部の先輩と後輩から一級建築士の試験に落ちたことをおちょくられているのを見たサクラは、周囲に心を閉ざす蓮太郎が気にかかる。
社内コンペに向け、必死で設計図を作っていた蓮太郎。しかし、設計部部長はコンペ開始時間が遅れたことをわざと蓮太郎にだけ伝えておらず、彼が到着したときの会場はもぬけの殻……。悔しさで頭に血が上った蓮太郎はカッターナイフを手に取った。慌てて止めに入るサクラを払い除けた勢いで、サクラの手に傷を負わせてしまった蓮太郎。そして、彼は会社から逃げ出した。
その日、サクラはラーメン店である蓮太郎の家を訪ねるも、部屋に閉じこもった蓮太郎は「もう会社には行かない」と言い出す。コンペの一件をきっかけに部屋に閉じこもり、無断欠勤するようになった蓮太郎。サクラは同期のメンバーを集め、改めて蓮太郎の家に向かった。しかし、誰の言葉も蓮太郎には響かず、心が折れたサクラは「あ〜、そうですか。了解で〜す」と諦めて帰宅してしまう。
しかし、祖父の柊作(津嘉山正種)からFAXで「辛い時こそ自分の長所を見失うな」とメッセージを受け取ったサクラは、翌日に設計部へ直談判。蓮太郎がコンペに出すはずだった設計図を見せ、彼が手掛ける設計には無限の可能性があると訴えた。サクラの姿を見た蓮太郎は部長の前に現れ「全部周りのせいにして孤独な世界に閉じこもっていたけど、2度と逃げません。今日からまた皆さんと働かせてください」と頭を下げた。
翌日、黒川森雄(椎名桔平)はサクラの故郷にかかる予定だった橋の着工が無期延期、つまり中止になったことを明かした。
運命の分かれ道にいた蓮太郎
今回で4話を迎えた「同期のサクラ」。ということは、サクラたちが入社して4年目を迎えたということになる。後輩にテキパキ指示を出し、広報部の中心的存在として活躍する月村百合(橋本愛)。営業部の清水菊夫(竜星涼)の席は、前回より明らかに良い位置へ移動していた。そんな中、設計部で浮いた存在になっていた蓮太郎。同期の中で見るからに差が出始めているのは生々しい。
パワハラする上司、セクハラする上司、部下をねちっこくいじめる上司。花井建設という会社は問題が山積みのブラック体質に見える。
コンペの時間変更を教えないといういじめをしてくる上司にカッターで襲いかかろうとした蓮太郎。その後、彼は無断欠勤の日々に突入した。サクラは同期を引き連れ、蓮太郎の説得にあたる。
「もう会社に来ないとおっしゃったんですか? お願いだから考え直してもらえませんか?」(サクラ)
意見の分かれるところだ。「逃げたいときは逃げてもいい」という考え方は、社会人の救いに成り得る。実は、筆者も基本的にそちらの考え方だ。事情をよく知らない者が尻を叩くと、本人をさらに追い込む可能性がある。ただ、あのときの蓮太郎は運命の分かれ道にいるように見えた。
「もう2度と失敗したくないから、一生この部屋にいるよ」(蓮太郎)
サクラたちが動かないと、彼はもう戻ってこれなかった気がするのだ。
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死の運命は見える、だが運命を変える力はない……なんて悲しい特殊能力。
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