企業系ゲーム攻略「アルテマ」、ポケモンだけで1900ページの文章盗用を謝罪 被害を受けたサイトは「攻略を続けられなくなる」

文章がそのままコピーされていました。

» 2019年11月27日 18時30分 公開
[ねとらぼ]

 大手ゲーム攻略サイト「アルテマ」を運営するエヌリンクスが、個人のファンサイトから文章を許諾なく転載したとして謝罪文を掲載しました。

 盗用が行われたコンテンツは「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」に関する合計1905ページと、それをベースに作成された「ポケットモンスター ソード・シールド」に関するページです。


アルテマ謝罪文 「アルテマ」上に掲載された謝罪文

 ねとらぼでは、被害を受けたポケモンファンサイトの管理人(以下、管理人)に取材しました。 ※取材協力者の意向により、アルテマ以外の企業名などは匿名で記載しています。


「著作権法上の引用の範囲に当たるとは思えない」

 管理人の話によれば、事の発端は「ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン」が発売した2017年までさかのぼります。

 アルテマを含む大手4サイトに文章を丸写しされていると気付いた管理人は、該当ページの修正を依頼。これに対し大手4サイトは、「引用」という形で出典元のリンクを追記するなどの対応を行ったそうです。

 なお大手4サイトは世間に対し情報転用の事実を公表せず、そのうち1社からは「上場企業であるから、公表すれば他社を含めて大問題になる」と説明を受けたといいます。

 それからおよそ2年が経過し、最新作「ポケモン ソード・シールド」発売へ。大手4サイトのうちアルテマにて過去と同様の文章転載を確認した管理人は、Twitterにて被害を告発。今回の謝罪文掲載につながりました。

 なお、アルテマ側は再度ファンサイトの文章を無断使用した理由を以下のように説明しています。

 「ポケモンソードシールド攻略」を作成するため、ディレクターが過去作の「ポケモンウルトラサンムーン攻略」からデータを移行いたしました。

 その際、前回ご指摘いただいた記事の転載事実について共有されていないままデータ移行を行いました。



「こんな状態が続けば今後は攻略を続けられない」

 大手企業が運営する攻略サイトが、自分たちより規模の小さいファンサイトから情報をコピーし利用する。このような事態を当事者はどのように感じているのでしょうか?

 お話を伺った管理人は、捻じれた構造がもたらす不安と悲しみを以下のように語ります。

 大企業による記事の転載が横行すれば、個人の優れたスキルを活かして活動する純粋なゲームファンは減ってしまうでしょう。うちのサイトやポケモンに限った話ではなく、ゲーム攻略サイトを巡る現状をとても悲しく感じています。私自身、こんな状態が続けば攻略を続けられなくなるかもしれません。

 また、私は16年前から個人のポケモンファンサイトを運営しておりますが、画像や種族値など内部データの掲載についてはグレーであると自覚しており、当時の権利者である任天堂様に問い合わせを行ったことがあります。

 電話とメールでご回答を頂き、当サイトの掲載内容に問題がないことを確認していただきました。「ポケモンファンが不快になるコンテンツを掲載しない」などの条件を提示いただき、「もしも問題が見つかれば連絡するので安心して運営してください」と言われましたが、以来1度も削除要請などは受けていません。一定の水準を守ることで黙認していただいていると受け取っております。

 ですが過度なSEOでアクセス数を稼ぐような大企業が増え、制限を受けるような状況に陥れば、我々のようなファンサイトの文化も途絶えるかもしれません。これが一番危惧していることです。

 この10年以上、たくさんのポケモンユーザーに支持されながら、サイト運営を続けてまいりました。

 上級者同士のポケモンバトルにおいて、緻密な数値計算は欠かない要素です。しかし同時にポケモンは生き物であり、その能力や才能をデータとして捉えるような表現を公式が扱うのは難しいでしょう。

 「非公式だから」可能な攻略情報とともに、今後ともポケモンの対戦環境を陰ながら支えていければと思っております。




 2018年には大手ゲーム攻略サイト「GameWith」の盗用が発覚。「北斗が如く」攻略ページにてマップやデータを転用したとして謝罪文を掲載しました(謝罪文は「北斗が如く」攻略ページごと削除済み)。

 「GameWith」の一件以来、企業系攻略サイトのコンプライアンス意識が改善されたとする見方もありますが、肝心の有用性を疑問視する声はいまだ絶えません。人気タイトル発売のたびにSEO対策で乱立する「現在調査中です」ページの印象が払しょくされる日は来るのでしょうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた