森永卓郎が解説〜『こち亀』作者に学ぶプロの仕事術
自分自身で作業工程を作る。
「垣花正 あなたとハッピー!」(11月27日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。週刊少年ジャンプに40年間連載された伝説の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に焦点をあて、その作者である秋本治から学ぶプロの仕事術について解説した。
スーパーカーブームからデジタルブームまで〜最新トレンドがいち早く漫画に
日本人のほとんどの方がご存知だと思いますが、週刊少年ジャンプに掲載されて、アニメ化もされた漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。両津勘吉さんという、とんでもない警官が主人公です。体毛が濃くて眉毛は一本眉、いつも下駄を履いて、とにかく無茶苦茶で生命力に富んだキャラクターです。『こち亀』は1976年から40年間にわたって連載が続き、亀有の下町の人情を描いています。そして『こち亀』のすごいところは、スーパーカーブーム、デジタルブームなど、そのときどきの流行を取り入れているところです。最新トレンドがいち早く漫画になるのが『こち亀』でした。
40年間1度も休載がなかった理由〜作業工程表をつくる
さらに特筆すべきは、40年間1度も休まず、皆勤賞だということです。通常、ギャグ漫画の作者はネタに詰まって、失踪してしまう人も少なくありません。それくらい過酷な世界なのです。ギャグ漫画で連載を1日も休まないのは奇跡です。作者の秋本さんは、『秋本治の仕事術 「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』という本を刊行しています。私はそこに魔法が書いてあると思い、一気に読みました。しかし、それは魔法ではありませんでした。秋本治さんは自分自身で作業工程をつくるのです。締め切りを逆算して、「この日のこの時間にはこれをやらなければならない」と、作業の工程図をつくります。その上で、その作業に無駄がないかを考えて行きます。無駄を省けば全体のスケジュールに余裕が出ます。そして新しい仕事や、取材の時間も捻出できるのです。
フレデリック・テイラーの科学的管理法と同じ発想
工程を組むのは建築現場でもやっていますが、1個1個の作業の時間を削るというのが肝です。秋本先生がなぜ思いついたかというと、工場を取材に行ったときに、その工場ではいちいち工具を取り出して作業をしていたそうです。それだと、工具箱の蓋を開けて片付けるという時間が必要です。それをやめて、壁に工具をぶら下げるようにすると、作業が早くなるというものです。工具箱の開け閉めの数秒も無駄と考え、それを積み重ねて行くのだと本に書いてありました。フレデリック・テイラーさんという学者が、工場で作業をするときにストップウォッチで作業時間を計ったのです。その時間をどうやったら縮められるか、手の動かし方や道具をどこに置くかなど、それらを全部考えて時間を削る、科学的管理法というものをやりました。驚くべきことに、秋本さんはそれと同じことを自分で思いついているのです。テイラー氏がやった科学的管理法をつき詰めて、フォードという会社が大量生産システムをつくりました。フォードの大量生産システムが登場するまで、車は憧れの存在で、普通の人が買えるものではありませんでした。ところが生産性を上げたことにより、フォードの工場で働く人も買えるまでになったのです。画期的な生産性アップです。
ネタはすべて現場取材から
秋本さんは新聞や雑誌を片っ端から読んで、気になったものを全部スクラップしました。スクラップをして、「これがネタになりそうだ」と思うと、現場に自ら行くそうです。現場に行くと文字で読んだものより、遥かに発想が広がってネタが生まれて来るのだそうです。現場に行かず、ネットや新聞で見た情報をネタに記事を書いている先生とは大違いです。秋本治先生は取材を積み重ねているから、ずっと面白いものが書けるのです。
いまの時代を生きて来た主人公・両津勘吉
主人公の両津勘吉はいろいろなところに行き、いろいろな商売をします。両津勘吉が漫画のなかでどれだけ稼いだのかを計算した人がいるのですが、両津勘吉は186億円を稼いでいたそうです。その代わり、1兆円以上の借金をしています。秋本先生がいろいろな情報を埋め込んだことによって、いまの時代を生きていたということです。
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