職員室のPCは数台だけ、プリントのコピー代にも困窮 現役中学教員が語る「教育現場の“理不尽な貧しさ”」(2/3 ページ)

» 2019年12月19日 19時30分 公開
[ねとらぼ]

いらない備品が捨てられない、教員用のPCが人数分そろえられない……



A:お金の話でいうと、「学校の備品が古過ぎる」というのもあるかな。DVDでさえちょっと古く感じてしまうご時世だけど、いまだにビデオデッキが残ってるよ。今の子どもは知ってるのかな、「昔は磁気のテープを使っていて、見過ぎると切れちゃったりするんだよ」って。

 いまだに昭和ウン十年のものが残っていて、ビックリするね。

―― よく捨てずに残してるねえ

B:というか、捨てられないんだよ。学校で購入した備品は、基本的に処分するときに許可が必要だし、「これこれこういう理由で捨てます」と説明できないといけない。「もう使わない/使えないから捨てる」でいいと思うんだけど。

 学校にはそういうゴミがいっぱいある。でも、それがあることで新しいものが入ってこない。備品がちゃんと循環していかない。

A:図書室の本なんかの場合、捨てられる冊数が決まっているから、誰も読まない真っ茶色の本が残ってる。「モノを大切にする」みたいな意図なのか分からないけど、あってもムダなら……ねえ?

 そのくせ、マグネットシートはたっぷりあるんだよね。黒板に紙を貼るときとかに使うやつ。

―― どうして?

B:予算は使い切らないと減らされちゃうから。マグネットシートはどの先生も使うから買いやすい。

A:あと買いがちなのは、ボールペンあたり? 安くて使い勝手がいいのは確かなんだけど、そういうものばかり増えていく。

 本当はお金をためて、教員用のPCとかを買ったほうがいいんだけどね。職員室にPCが数台しかない学校とかもあって、教員たちでシェアして使ってるよ。

 でも、年度ごとの予算は繰越できないから、PCのような高額のものを買おうにもお金をためることができない。しかも、「これはこれに使うお金」とそれぞれ細かく決まってるから、流用もできないんだよね。「このままだとコピーの予算が尽きる」みたいな話の背景には、そういう事情もある。

(続く)

※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」