インタビュー
» 2019年12月18日 19時30分 公開

「非常時に非常階段が使えない」「避難所運営のノウハウなし」 現役中学教員が語る「災害時、学校は命を守れるのか」(1/3 ページ)

「台風19号で『これヤバいな』というのが明るみに出た気がする」

[ねとらぼ]

 ブラックな労働環境、厳し過ぎる部活動、なくならないいじめ………。子どもの成長を支える学校を巡って、ニュースではさまざまな問題が取り上げられています。実際に働いている教員は、どのような思いを抱いているのでしょうか。

 本記事は、公立校の中学教員に「一般教員として感じている“学校の問題点”」を語ってもらう連載企画。今回は「災害時の避難所としての学校」が抱える問題について、Aさん、Bさん(仮名)にインタビューしました。

台風19号で感じた「体育館を避難所にして、本当に大丈夫なのか」



A:10月にあった台風19号(※)、覚えてる?

※台風19号:2019年10月12日、大型で強い勢力で伊豆半島に上陸。記録的な大雨、河川の氾濫、土砂災害などが発生し、甚大な被害があった。そのため、気象庁は今後、同台風を命名する方針だが、このように台風に名前が付くのは約40年ぶりのこと。

 全国的に被害をもたらした大きな台風だったから当然なのだけど、うちの自治体にも被害があってさ。俺の働いてる学校の体育館が避難所になって、運営のために呼び出されたんだよ。

―― 避難所の運営も教員の仕事なの?

A:一般的な“先生の仕事”のイメージからは外れるけど、そうなんだよね。休日に呼び出しのメールがあった。

B:教員側も、実際に仕事を始めてから知る人が多いんじゃない? 教職課程で習った覚えがないし。

A:だよね。避難所の運営方法なんて全然知らなかったよ。

 教員のほか、市役所の人も来てたんだけど、特に専門家はいなかったみたいで完全に手探り。レトルト食品が備蓄されていたけど、作り方なんて知らないし。避難してきた人に渡す毛布なんてダンボールがホコリかぶってたよ。ずっと使われてなくて。

―― そういうものを使う機会がないのは平和なことだけど、いざというとき困るね

 避難してくる人の中には、重い病気を持っていて「自宅で浸水被害などが起こったときには、もう動けないから」という事情の人もいたんだけど、不安だったな。学校は病院じゃないから医療品とかないんだよ。

―― 一応、保健室はあるんじゃない?

A:ケガの消毒、軽い熱中症の対処くらいはできるだろうけど、それくらいだよ。学校では簡単な手当くらいしかできないと思う。

 薬もねえ、テレビもねえ、避難所運営のノウハウもねえ、コンセントもそれほど数がねえ……という環境で、「たくさんの人達がここに避難しているけど、本当に大丈夫なんだろうか」と思った。むしろ、ここは危険かもしれない、って。

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