WOMマーケティング協議会、「アナ雪2」などのステマ騒動受け「なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました」

それがステマであろうとなかろうと、「消費者が保護されていないようであれば『WOMJガイドライン』の精神に反している」との考えも示しました。

» 2019年12月09日 17時40分 公開
[ねとらぼ]

 ディズニー映画「アナと雪の女王2」のステルスマーケティング疑惑(関連記事)をきっかけに、Web上で再び「ステマ」に関する議論が活発化しています。一連の騒動を受け、いわゆる「ステマ防止ガイドライン」を定めているWOMマーケティング協議会(WOMJ)に対応を聞いたところ、「一連の騒動を受けまして、なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました」との回答を得ました。


WOMJ

ご質問の件につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。
このたびの一連の騒動を受けまして、WOMマーケティング協議会では、なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました。
そのほか、調査活動やガイドラインの改訂に向けた議論などは常設の委員会にて検討を続けております。

もともと「WOMJガイドライン」ではステマ(ステルスマーケティング)という言葉の定義については言及しておりません。
この背景には様々な理由がありますが、その中の大きなもののひとつに、避けられるべきは「情報受信者たる消費者の、正しく情報を知る権利の毀損」および「情報発信者たる消費者が正しく情報を発信しないことによる社会的信頼の失墜」であるという考え方があります。
あるマーケティング・コミュニケーションにおいて、消費者の権利が保護されないものはそれがステマであろうとなかろうと排除されるべきであるという考え方です。

そのため、あるマーケティング・コミュニケーションにおいて、その関係者が仮に「ステマではない」としても、「WOMJガイドライン」に照らして不適切であるとする場合は大いにありえますし、このたびの騒動でも、いくら関係者が「ステマではない」と表明したところで、消費者が保護されていないようであれば「WOMJガイドライン」の精神に反していると判断をさせていただいております。



 WOMJによれば、もともと同団体では「ステマ」という言葉について明確に定義しているわけではないとしつつも、根底にある考え方として「消費者の権利が保護されないものはそれがステマであろうとなかろうと排除されるべき」であると説明。仮に関係者が「ステマではない」と表明していても、実態として「消費者が保護されていないようであれば『WOMJガイドライン』の精神に反している」との見方を示しました。

 WOMJはネット上の「口コミマーケティング」市場の健全な育成と発展を目的として、2009年に設立された団体。2010年に定められた「WOMJガイドライン」では、口コミを使った宣伝を行う際には広告主と発信者の「関係性」を必ず明示するよう定めており、いわゆる「ステマ防止ガイドライン」として、Web広告業界では広く参照されています。


WOMJ WOMJが「関係性明示」のために定めているハッシュタグ(WOMJガイドラインより)

 問題となっていた「アナと雪の女王2」では、7人の漫画家が一斉に「アナ雪2」の感想漫画をTwitterに投稿しましたが、当初はPRであるという説明がなく、ネット上では「ステマではないか」と非難を浴びていました。なお、ウォルト・ディズニー・ジャパン側は後に公式サイトで「PRと明記してもらう予定だったが抜け落ちてしまっていた」と公式に謝罪したものの、あくまで伝達ミスでありステマという認識はなかったと編集部の取材に答えています。

 SNSを使った「ステマ」を巡っては10月にも、吉本興業「ミキ」の京都市応援ツイートがPR表記を入れておらず「ステマではないか」と物議をかもしましたが、このときは「京都市盛り上げ隊」などのハッシュタグをつけていたことから、吉本興業側は「プロモーションだと世間一般にご理解いただける」「ステマではない」との見解を示していました(関連記事)。

 なお、ディズニーについては「アナと雪の女王2」以外にも、過去「アベンジャーズ/エンドゲーム」や「キャプテン・マーベル」などの作品でも同様のマーケティングを行っていた可能性が指摘されており、現在ウォルト・ディズニー・ジャパンに事実確認を行っているところです。



WOMJ WOMJの会員一覧。電通や博報堂、UUUM、サイバーエージェントなどの名前も(公式サイトより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/08/news177.jpg イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  2. /nl/articles/2411/08/news043.jpg 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  3. /nl/articles/2411/09/news047.jpg 「笑ったw」 郵便局に1円切手を買いに行ったら…… “まさかの提案”に思わず恍惚の1000万表示
  4. /nl/articles/2411/09/news008.jpg 狭い場所に植えた“ゴッツいトネリコ”を抜根したら…… 地面から現れた目を疑う光景にプロも絶句「植えてはいけない木」
  5. /nl/articles/2411/08/news193.jpg 「NBA行ける」 真美子さんとバスケ共演の大谷翔平、“想像以上の実力”に驚き 「何やっても成功してた」
  6. /nl/articles/2411/09/news040.jpg 「そっちかよ!」 “リバイバル版ガンプラ”で「ある意味パーフェクトガンダム」爆誕→「笑った」「身ぐるみはがされた」
  7. /nl/articles/2411/09/news022.jpg “根魚”と呼ばれる魚を捕獲→水槽に入れてみたら…… 普段は絶対見られない姿に衝撃走る「すごいことやってる」「家で飼いたくなる」
  8. /nl/articles/2411/09/news019.jpg 生後3カ月赤ちゃん、小児科医からの“まさかのひと言”が「吹きましたw」「座布団あげたい」と話題 → 10カ月後どう成長? ママに聞いた
  9. /nl/articles/2411/06/news165.jpg 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  10. /nl/articles/2411/09/news017.jpg 釣りに飽きた柴犬→ピチピチと動く魚を初めて見たら…… 一転して“とんでもない反応”に「咳き込むくらい笑えた」
先週の総合アクセスTOP10
  1. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  2. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  3. 結婚相手を連れてくる妹に「他の人に会わせられない」と言われた兄、プロがイメチェンしたら…… 「鈴木亮平さんに見えた」大変身に驚がく
  4. 「2007年に紅白出場」 38歳になった“グラビア界の黒船”が1年ぶりに近影公開→驚きの声続々
  5. 「クソビビったwww」 ハードオフに38万5000円で売っていた「衝撃的な商品」が90万表示 「売った人突き止めたい」
  6. 夫婦喧嘩した翌朝の弁当を夫が作ったら…… “森”すぎるビジュアルに「インパクトすごい」「最高に笑いました」の声
  7. 約9万円の「高級激レアガンプラ」を10時間かけて制作→完成品に「家宝だ」「めっちゃくちゃにかっこいい!!」
  8. 天皇皇后両陛下主催の園遊会、“お土産”に注目 ジョージア大使「大好物です」「娘たちからも大好評」
  9. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  10. 事故で重体の人気日本人TikToker、1カ月の意識不明と家族ケア経て逝去……“旅立ち直前に会った”親友は「励ましに来てくれてたのかな」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた