周防正行監督、成田凌に抱いた“違和感”から生じる初々しさ 役者がありのまま挑んだ映画「カツベン!」を視覚と聴覚で楽しめるわけ(2/2 ページ)

» 2019年12月13日 18時00分 公開
[のとほのかねとらぼ]
前のページへ 1|2       

役者がありのまま挑んだ映画

――成田さんは活動弁士の存在をご存じでしたか?

成田 知りませんでした。だからこそ、現在も活動されている弁士の方からしっかり指導を受けて練習を重ねました。その中で、弁士の方を尊敬する気持ちが強くなりましたね。

――俊太郎というキャラクター像はどのように作り上げましたか?

成田 全く準備をしないわけではありませんでしたが、「こういうキャラクターにしよう」というのはありませんでした。ただ、「カツベンが好き」という気持ちだけを持って、ニュートラルに挑みました。共演者の方もどう演じてくるか分からないので、フラットに、何も考えずに演じましたね。

――カツベンが好きな俊太郎というのは、役者をやられている成田さんと重なる部分はありましたか?

成田 うーん……俊太郎は活動弁士になりたいためにニセ弁士として泥棒一味の片棒を担いでいましたが、僕は犯罪をしてまでやりたいこと、守りたいことはないですね。そこまで思えるものがあるというのは、うらやましいと思いました。

 重なる部分と言えるのかは分かりませんが、本当に素のままの僕で役に挑んだので、逆に重なり過ぎているのかもしれないです。これまでは結構頭で考えていたこともありましたが、そうじゃないんだろうなと思いました。

映画の原点の魅力“アクション”を強く意識した作品

――周防監督が最初に感じた成田さんの“初々しさ”そのままが投影されているんですね。最後に、それぞれ見どころを教えてください。

周防監督 多分、多くの観客がサイレント映画をカツベンのしゃべり付きで見たことはないと思うので、カツベンってどんなものなんだろう、というのがよく分かると思います。成田さんが活動弁士のしゃべりをプロのレベルまで引き上げて、俊太郎の魅力あふれる語りを表現してくれたので、見どころというよりは、“聴きどころ”ですね。

 もう一つは、アクション。映画が誕生したとき、みんなは、写真が“動く”ということに驚いたんです。アクションがなければ、みんなの驚きにはつながりませんでした。最初は、駅に列車が到着するとか、工場から出てくる人とか、普段見ようと思えば見られるものがスクリーン上に再現されて動いていることが驚きにつながっていました。でも、動きそのものは普段見ているものなので、すぐ飽きがきてしまいますよね。そこで今度は、バスター・キートンやチャールズ・チャップリンなどが、みんなが見たことのない動きをスクリーンで表現するようになった。映画の原点の魅力というのは、アクションだったんです。

 「カツベン!」では、初期の映画にあったアクションを強く意識して作っています。現在のハリウッド映画のようなスピード感あふれる激しいアクションというわけではなく、“動き”というものをアナログでどんな風に作って撮ったのか、活動写真のアクションの面白さというのが見どころだと思っています。

カツベン 周防正行 成田凌 活動弁士 動きのあるシーンも見どころ

成田 監督のおっしゃるように視覚的に楽しい作品になっていると思います。出てくる人全員がキラキラしていて、動きがあって、リズム感もある。「カツベン!」自体がサイレントで流れていても大丈夫なんじゃないかな、と思うくらい、見ていて本当に心地がいいですね。

プレゼントキャンペーン(※すでに終了しています)

ねとらぼエンタの公式Twitterをフォローし、プレゼント企画を告知するツイートをRTしてくださった方の中から抽選で1名に、成田さんのサイン入りチェキが当たるプレゼントキャンペーンを実施中。

カツベン 周防正行 成田凌 活動弁士

Twitterキャンペーン応募方法

(1)ねとらぼエンタ公式Twitterアカウント(@itm_nlabenta)をフォロー

(2)告知ツイートをRTで応募完了


注意事項

  • 締切期限は12月20日正午
  • 当選者には編集部よりDMにてご連絡いたします。DMが解放されていない場合には当選無効となりますのでご注意ください
  • いただいた個人情報はプレゼントの発送のみに使用し、送付後は速やかに処分します
  • ご応募完了時点で、アイティメディアのプライバシーポリシーへご同意いただいたものと致します。応募前に必ずご確認ください


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」