「幅は1.7メートルだ。貴様は通れるか?」 最狭の険道「神奈川県道515号」、やっぱり絶対に通れなかった(1/4 ページ)
県道515号には、もっとすごい「門番の大ボス」がいた……!
「酷道(こくどう)」をご存じでしょうか。道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。一般的な国道(国が政令で指定した道路)というイメージからはかけ離れた国道のことを愛情と敬意を込めて示す言葉です。それと同様に、そんな状態の県道(都道府県が管理する道路)にも愛称があります。「険道(けんどう)」と呼ばれます。
前回、「幅2メートル」の門番がいた、とても狭い“険道”「神奈川県道518号」を紹介しました。まるで「運転に自信がないヤツは立ち去れぃ」……と言われているかのように過酷な道でした(関連記事)。
しかし、実はもっとすごい道があります。今回は険道ファンの筆者が神奈川県の中で「最も過酷な県道の1つ」と思っている「幅1.7メートル(!)」の険道「神奈川県道515号三井相模湖線(以下、県道515号)」を紹介します。
完全に「別個の道路」と化した険道「神奈川県道515号」
県道515号は、全線が神奈川県相模原市にあります。緑区三井(みい)の県道513号と同区千木良(ちぎら)の国道20号を結ぶ、全長7.5キロの県道です。
起点の県道513号側から、津久井湖の北側を回って名手(なで)集落を目指します。問題なのはその先です。
途中の名手〜赤馬(あこうま)集落間の約1.2キロは完全通行止めの廃道と化しています。県道515号は三井〜名手、赤馬〜千木良の2区間に分断されています。今回は通行止め区間を除き、法的に問題ない範囲で安全を常に確かめながら、この道を歩いて辿っていきます。
起点は県道513号との接続地点。信号のない交差点です。
印象は「細い脇道」。県道515号を示す標識はありません。
しかし道幅制限標識の「すごい数字」に目を奪われました。
入口に立っていた規制標識は何と「最大幅1.7メートル」。筆者が知る限りでは関東最狭値の標識です。幅1.7メートルまでだなんて、おい、うそ、だろ。
前回「ヤベーくらいに狭い険道!!」と紹介した「神奈川県道518号」(関連記事)の規制値は「幅2メートル」でした。あの衝撃をさらに上回る狭さ! 幅1.7メートルだなんて、軽自動車(参考:幅1.48メートル以下)か二輪車くらいしか通れないだろ……(参考:5ナンバー枠の小型乗用車は幅1.7メートル以下。3ナンバーの普通乗用車はその幅を上回ることが多い)。
その先には一体何が!? 「険道515号」を歩いて確かめてみた
では進入していきましょう。歩く速度でも徐々に道が狭〜くなっていくのが分かります。これ、クルマだったら怖いだろうなぁぁ。
途中の民家には自家用車が停まっていました。車庫入れの難易度はかなり高そうです。
しかしこのくらいの幅ならばまだ序の口です。入口から約700メートル、カーブを越えると……一気に見える景色が変わります。ここが地獄の一丁目(?)……。ここから名手集落まで何があろうと前進するしかない道になります。
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