捨てられたぬいぐるみが大好きな男の子との再会を待ち焦がれる けなげさが心打つ漫画「ともくんにあいたい」
持ち主もぬいぐるみも、大切な思いはずっと。
ぬいぐるみが大好きな男の子「ともくん」と、お気に入りの「ヒヨ吉」。それぞれの運命を描く漫画「ともくんにあいたい」を、漫画家の江戸川治(@edoosam)さんがTwitterで公開し、好評を博しています。
ともくん(ともき)はヒヨ吉が大好きで、ヒヨ吉もぬいぐるみながら思いは同じ。いつも一緒に遊んでいましたが、ある日、ともくんがお片付けをしない罰として、ヒヨ吉はママに捨てられてしまいました。ともくんは深く落ち込み、新しいぬいぐるみを与えられても悲しむばかり……。
やがてともくんは成長し父さんになりました。その一方、ヒヨ吉はゴミ捨て場から拾われ、紆余(うよ)曲折を経て、とある家庭の押し入れでホコリをかぶることに。それでもずっと、「ともくんにあいたい」と願い続けています。
変わらぬヒヨ吉の願いとは対照的に、ともくんの顔には皺が増えていきます。娘が結婚し、孫ができ、妻を亡くし……すっかり老け込んだともくんは、いつしか家族の顔すら認知できなくなってしまいました。
ちょうどそのころ、断捨離のために押し入れから発掘されたヒヨ吉は再びゴミ捨て場へ。ボロボロになってもなお、「ともくんにあいたい」と願い続けていたところ、通りすがりの女の子に拾われました。
その女の子こそ、ともくんの孫。孫に抱えられたぬいぐるみを見た瞬間、「ヒヨ吉……!」と、確かな意識を取り戻すともくん。何十年ぶりかで抱きしめられ、ヒヨ吉は「ともくんやっとあえたね」とつぶやくのでした。
漫画は広く拡散され、「認知症になろうとヒヨ吉のことは覚えてるとか泣く」「最初と最後で、ともくんが同じように笑うところにグッときた」と、感動の声を呼びました。「幼いころに捨てられた人形などを思い出して泣いた」「罰として大事なものを捨てるしつけはよくない」などと、自身の体験と重ね合わせて、育児について考える人も多いようです。
江戸川治さんは2月12日に短編集『マザー』が発売されたばかり。同氏は心に響く短編をTwitterにアップし続けており、機械と人間の親子愛を描いた表題作「マザー」も話題を呼びました(関連記事)。
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特設サイトでは、単行本の表紙や作者のコメントなどが掲載されている。
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