新型コロナウイルス景気対策〜消費税を下げるなど思い切った政策が必要

3.11よりも状況は深刻。

» 2020年03月06日 10時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月4日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新型コロナウイルスによる世界的な景気減少について解説した。

フォト FRSのあるエクルズ・ビル(Eccles Building)(連邦準備制度-Wikipediaより)

アメリカFRB〜政策金利を0.5%引き下げることを決定

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は3日に臨時の会合を開き、緊急で政策金利を0.5%引き下げることを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺を抑えることが目的である。

飯田)これを受けてダウ平均株価は一時上がったのですが、取引時間中は下げ幅を拡大して、終値は前日と比べて785ドル91セント安い、2万5917ドル41セントで取引を終えました。昨日(3日)はドーンと上げていたので、これで下げたと。

佐々木)通常0.25%なのが、今回は0.5%という異例の引き下げで、リーマンショック以来です。去年(2019年)の消費増税に関して、安倍総理は「リーマン級がなければ予定通り」と言っていたのですが、これはリーマン級ではないでしょうか。

飯田)そうなりますね。

佐々木)日本国内は酷い状況です。百貨店の2月の販売が前年比の約2桁減で、旅行代理店もそのぐらいらしいです。まだ表立っていませんが、中国の工業生産がダウンしているおかげで、大気汚染がなくなったという話も出ているくらいです。それが日本にどう影響しているかというと、部品などの中間財が来なくなって、今後の輸出に影響が出る可能性が高い。そうすると、何の展望もない状況です。

フォト 日経平均株価 新型肺炎感染拡大で世界経済への影響懸念で一時1,000を越える大幅下落〜 取引開始直後、1,000円以上急落した日経平均株価を示す株価ボード=2020年2月25日午前、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

3.11のときよりも状況は深刻〜消費税を下げるなど思い切った政策が必要

佐々木)3.11と同一視している人も多いのですが、あのときも放射能汚染の危険がありました。一方で震災そのものに関しては、復興予算を放り込んだので復興景気が期待できて、実際に土木建設産業は潤いました。それによって、「これからよくなって行く」という期待がありました。でも今回のコロナウイルスに関しては、いつ収束するのかわかりません。先行きが見えない状況で、ただひたすら落ち込んで行くことしか見えません。ここで政府はどういう手を打つのか。週明けに緊急財政案をまとめて発表すると言っていますが、いちばんよくないのは小出しにすることです。消費はマインドなので、一気に行かないとダメです。いちばんいい方法は、思い切って消費税を5%や0%にすることです。緊急措置法か何かをつくって、年内は消費税を0%にするとか。当然、財務省は財源が足りないと言って来るでしょうが、ここは赤字国債を発行して賄う。それで対応しないと、冷え込むだけではないでしょうか。

飯田)いま安全資産の国債にお金がどんどん逃げるという状況で、日本の10年物国債の利回りがマイナス0.11%くらいです。これを0%近傍で安定させることが日銀の目標だから、市場は国債が足りないと催促しているような状況ですよね。

佐々木)そうです。赤字国債を発行すると利回りが上がってしまうと言い続けていましたが、実はそうなっていません。

飯田)足元は逆ですよね。

佐々木)ここは頑張って政治決断で、安倍政権が財政出動をして、赤字国債を大発行した方がいいと思います。

飯田)財布に直接供給するようなことは、やっているところはもうやっていますよね。

佐々木)そうですね。

飯田)香港だったでしょうか?

佐々木)1人14万円を民主化デモに対する手当で、アメとムチのアメということで。

飯田)もともと用意していたのですか?

フォト 新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相(手前)。感染拡大を防止するため、全国すべての小中高校や特別支援学校を3月2日から休校とするよう要請すると表明した=2020年2月27日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

有効期限を決めた商品券を配るのは有効な方法

佐々木)そうです。日本でもそれを、一時的にはやっていいと思います。毎年やるとベーシックインカムという、ややこしい議論になってしまいます。これも特別措置法で、1人20万円をそのまま渡すと貯金してしまうので、商品券などにして年内しか使えないものを配ると一気に使うため、景気が浮揚します。

飯田)かつて小渕政権では景気に対する緊急対策で、地域振興券という形で配ったりしました。あのときは大批判を浴びましたが。

佐々木)「ばらまきだ」とすぐ怒るのですが、ばらまきは必要です。ばらまきがネガティブなイメージになっているのは、財務省の陰謀ではないかと個人的には思っています。お金をばらまいて市中に出回るお金を増やすということは、基本的な経済政策なのでやるべきです。

飯田)各々の人がどこに需要があって、どこに使うかわかりませんからね。

佐々木)そうです。1人20万をもらったら、さすがにトイレットペーパーだけでは消費しきれませんので。他のものも買っていただいて、旅行にでも行ってもらえれば景気が浮揚するでしょう。

飯田)結局ばらまきが批判されたから、その後は家電のエコポイントだとか、ピンポイントで「これに使えます」という付与の仕方をしましたが。

佐々木)買い替え需要が期待できる時期もありますが、いまはありません。地デジ化と4Kでテレビの買い替えは終わりましたし、そもそも若い人はテレビを買いません。家電を買い替えるということは、IT化が進んだことでなくなって来ています。スマホで何でもできるようになっているので、スマホ以外の家電製品はみんな買わないのですよ。

飯田)そうですね。

佐々木)そうなると、ハードウェアで大きいものを買うという期待感はなく、都市部の人は車も買いません。体験型の消費、モノからコトへお金を使ってもらうしかないですが、それこそ不要不急ではないですか。そこを使わせるためには、無理やりヘリコプターマネーをばらまいて使ってもらう必要があります。例えばいま20万円あって、「夏までに使わなければいけない」となると、家のなかの家電製品はすべて揃っているし、ホテルに行って高いごはんでも食べるかという話になります。そういうところではないでしょうか。

radikoのタイムフリーを聴く

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた