新型コロナ経済対策〜22兆円、消費税を5%、1人10万円支給が妥当である理由

ドカンと行くべき。

» 2020年03月18日 17時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、日本政府が取るべき経済対策について解説した。

フォト 新型コロナウイルス感染者が拡大し、マスクを着用して通勤する人ら=2020年3月5日午前、大阪市北区 写真提供:産経新聞社

新型コロナウイルス、政府が経済政策で有識者から意見聴取へ

新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済対策を策定するため、政府は19日から有識者による集中的な意見を聞き取る会合を実施する。政府は聞き取りの結果などもふまえて、新年度予算案が成立した後、補正予算案の編成も視野に、追加の経済対策の検討を本格化させる。

飯田)株価は乱高下を繰り返しています。

佐々木)アメリカでもすごいですよね。ニューヨークダウも3000落ちて、1000戻すという状況です。乱高下ですよ、本当に。

飯田)そうですよね。上がり下がりのサヤで、儲ける人は儲けるのでしょうけれども。

フォト 1月29日、中国におけるコロナウイルスに関する概要の説明を受けるトランプ大統領(新型コロナウイルス感染症の流行(2019年)-Wikipediaより)

米は1兆ドルの経済対策を検討

佐々木)経済対策を日本はどうするか。17日にアメリカのムニューシン財務長官が、1兆ドルの景気刺激策を検討していると明らかにしました。日本円にして107兆円くらいです。すごいですよね。日本は3000億や4000億と言っています。日本はGDPがアメリカの4分の1くらいです。歳出、年間の予算も大体4分の1くらいなので、アメリカが100兆円出すということは、25兆円くらいは出してもいいのではないでしょうか。厳しい財政を強いられているスペインのサンチェス首相が、総額2000億ユーロの支援策と言っているのですから。

飯田)2000億ユーロ。

佐々木)23兆円くらいです。スペインで23兆円を出しているのに、日本が3000億円とはどういうことだと。

飯田)桁が違うという話ですよね。

佐々木)25兆円くらい出してもいいのではないかという意見は、今後高まると思います。実際に国民民主党などは…。

飯田)玉木さんがね。

フォト 米疾病対策センター(CDC)を視察するトランプ大統領=2020年3月6日、米ジョージア州アトランタ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

日本の景気対策として22兆円〜消費税を5%、1人10万円支給が妥当

佐々木)そうです。自民党内の若手議員、安藤裕さんなどからも話が出ています。消費税が1%で、大体歳入が2兆円と言われています。給付しようという話も出ているではないですか。リーマンショックのときの現金給付1万2000円を超えると言ったって、いくらくれるのだという話です。アメリカが1人1000ドルを配ると言っているのです。10万円です。そのくらいの金額で、1億2000万人だと12兆円です。

飯田)そうなのですよね。1万2000円の当時で歳出規模が大体2兆円だったから、10倍すればいいのですよね。

佐々木)だから12兆円でしょう。そして消費税は、いま10%のものを5%に下げるのです。5%分が減ると、1%が2兆円だから、10兆円です。足すと22兆円。これくらいがちょうどいいのではないかと思います。消費税10%を暫定的に5%にして、1人10万円を配る。このくらいドカンとやると、それなりにインパクトがあって株価も支えられるし、国民の不安も若干減るのではないかと思います。おそらく財務省、日銀が何を考えているのかと言うと、「そうは言ってもまずは財政規律が必要だ」「所詮は感染症だろう。どうせいつかはピークアウトして収まるだろう」「収まったあとに、バラマキや消費税減税をやって行ったら困るだろう」というところではないでしょうか。

飯田)戻せなくなってしまうと。

フォト 新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相(列手前から2人目)=2020年2月25日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

リーマンショック、東日本大震災よりも先が見えない〜大胆な財政出動が必要

佐々木)そうです。そういう話だと思うのですけれど、リーマンショックのときは一瞬の出来事だったから、その先に未来が見えた。東日本大震災は放射能の不安はあったけれど、一旦震災が起きた後は復興予算が付いて、これから立て直せるという期待感があったのですが、いまはありません。いつまで続くかわからない。ピークアウトも年内どころか、下手をすると来年(2021年)になる可能性もあるわけです。

飯田)専門家でもそう言う人はいますよね。

佐々木)そう考えると、先行きの見えない状態でどう財政出動をするかということは、考え方を切り替えて貰わないと困るという感じがします。

飯田)むしろ額できちんとメッセージを出すことにより、「出口はここだ」ということをしっかり見せる。

佐々木)いちばんいけないのは、ズルズル少しずつ出し続けることです。何の影響もなくなってしまいます。ドカンと行って欲しいですね。

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