新型コロナ経済対策〜22兆円、消費税を5%、1人10万円支給が妥当である理由
ドカンと行くべき。
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、日本政府が取るべき経済対策について解説した。
新型コロナウイルス、政府が経済政策で有識者から意見聴取へ
新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済対策を策定するため、政府は19日から有識者による集中的な意見を聞き取る会合を実施する。政府は聞き取りの結果などもふまえて、新年度予算案が成立した後、補正予算案の編成も視野に、追加の経済対策の検討を本格化させる。
飯田)株価は乱高下を繰り返しています。
佐々木)アメリカでもすごいですよね。ニューヨークダウも3000落ちて、1000戻すという状況です。乱高下ですよ、本当に。
飯田)そうですよね。上がり下がりのサヤで、儲ける人は儲けるのでしょうけれども。
米は1兆ドルの経済対策を検討
佐々木)経済対策を日本はどうするか。17日にアメリカのムニューシン財務長官が、1兆ドルの景気刺激策を検討していると明らかにしました。日本円にして107兆円くらいです。すごいですよね。日本は3000億や4000億と言っています。日本はGDPがアメリカの4分の1くらいです。歳出、年間の予算も大体4分の1くらいなので、アメリカが100兆円出すということは、25兆円くらいは出してもいいのではないでしょうか。厳しい財政を強いられているスペインのサンチェス首相が、総額2000億ユーロの支援策と言っているのですから。
飯田)2000億ユーロ。
佐々木)23兆円くらいです。スペインで23兆円を出しているのに、日本が3000億円とはどういうことだと。
飯田)桁が違うという話ですよね。
佐々木)25兆円くらい出してもいいのではないかという意見は、今後高まると思います。実際に国民民主党などは…。
飯田)玉木さんがね。
日本の景気対策として22兆円〜消費税を5%、1人10万円支給が妥当
佐々木)そうです。自民党内の若手議員、安藤裕さんなどからも話が出ています。消費税が1%で、大体歳入が2兆円と言われています。給付しようという話も出ているではないですか。リーマンショックのときの現金給付1万2000円を超えると言ったって、いくらくれるのだという話です。アメリカが1人1000ドルを配ると言っているのです。10万円です。そのくらいの金額で、1億2000万人だと12兆円です。
飯田)そうなのですよね。1万2000円の当時で歳出規模が大体2兆円だったから、10倍すればいいのですよね。
佐々木)だから12兆円でしょう。そして消費税は、いま10%のものを5%に下げるのです。5%分が減ると、1%が2兆円だから、10兆円です。足すと22兆円。これくらいがちょうどいいのではないかと思います。消費税10%を暫定的に5%にして、1人10万円を配る。このくらいドカンとやると、それなりにインパクトがあって株価も支えられるし、国民の不安も若干減るのではないかと思います。おそらく財務省、日銀が何を考えているのかと言うと、「そうは言ってもまずは財政規律が必要だ」「所詮は感染症だろう。どうせいつかはピークアウトして収まるだろう」「収まったあとに、バラマキや消費税減税をやって行ったら困るだろう」というところではないでしょうか。
飯田)戻せなくなってしまうと。
リーマンショック、東日本大震災よりも先が見えない〜大胆な財政出動が必要
佐々木)そうです。そういう話だと思うのですけれど、リーマンショックのときは一瞬の出来事だったから、その先に未来が見えた。東日本大震災は放射能の不安はあったけれど、一旦震災が起きた後は復興予算が付いて、これから立て直せるという期待感があったのですが、いまはありません。いつまで続くかわからない。ピークアウトも年内どころか、下手をすると来年(2021年)になる可能性もあるわけです。
飯田)専門家でもそう言う人はいますよね。
佐々木)そう考えると、先行きの見えない状態でどう財政出動をするかということは、考え方を切り替えて貰わないと困るという感じがします。
飯田)むしろ額できちんとメッセージを出すことにより、「出口はここだ」ということをしっかり見せる。
佐々木)いちばんいけないのは、ズルズル少しずつ出し続けることです。何の影響もなくなってしまいます。ドカンと行って欲しいですね。
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