病原体と戦う「ヒーリングっど プリキュア」が伝えたい 「絶対に諦めない心」サラリーマン、プリキュアを語る(2/3 ページ)

» 2020年04月23日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

「地球を蝕む」敵ビョーゲンズ

 「ヒーリングっど プリキュア」の敵組織ビョーゲンズは、病原体をモチーフとしています。

 ビョーゲンズの目的は地球征服ではなく、金品財宝を奪うことでもなく「地球を蝕む」ことであり、最終目的は「地球全体を病気にすること」というのも特徴の1つです。

 その方法として、自然界の万物を支える「エレメントさん」に病原体を模したナノビョーゲンを感染させ巨大な怪物を作り、周囲の土地やモノを蝕みます。蝕まれた土地やモノは赤黒く変色し時間がたつと元に戻れなくなります。事実上、その場所とそこをつかさどるエレメントさんが死んでしまうのです。

ヒーリングっど プリキュア ヒープリ キュアフォンテーヌ キュアスパークル キュアグレース 花寺のどか 沢泉ちゆ 平光ひなた メガビョーゲンに蝕まれた土地は赤黒く変色します

 さらに怪物メガビョーゲンは、時間がたつにつれどんどんパワーアップするのです。時間経過とともにプリキュアでも倒すことが難しく「治療が困難」になっていきます。

 「時間がたつとどんどん強くなる」という設定。これは現実世界でも「病気は早期発見し早く治療しないと、どんどん悪化していく」ことを子どもたちに伝えているのだと思われます。

 さらにそれだけではありません。治療が出来ずにパワーアップしたメガビョーゲンは、新たな種を放出し、他の生物に感染させ勢力を拡大させていくのです。第12話では成長したメガビョーゲンから生まれた種がヌートリアに感染し新しい幹部バテテモーダが誕生しました。

 これは「病原体は治療せずに放置しておくと、他の生物に感染し増殖していく」ということを示唆していますよね。

ヒーリングっど プリキュア ヒープリ キュアフォンテーヌ キュアスパークル キュアグレース 花寺のどか 沢泉ちゆ 平光ひなた 時間がたつにつれ強くなるメガビョーゲン

 このように「ヒーリングっど プリキュア」の敵組織ビョーゲンズは、地球を病気にすることを目的とし、周囲の土地やモノを蝕み、時間がたつにつれどんどん強力になり、新たな種を生み出し他の生物に感染させていくのです。

 これは「病原体の性質」をうまく子どもに伝えていると思います。子どもたちには「病気(感染症)になったら早く発見して治療しないと、どんどん悪くなっていくし、周りの人にうつしてしまうから、すぐにお医者様に行かないといけない」と伝えることができるのです。


医療において選択することの意味

 第10話、第11話は「ヒーリングっど プリキュア」第1クールのクライマックスでした。そこでは「選択すること、選択せざるを得ない場合どうするのか?」という葛藤が描かれました。

 違う場所に3体同時に出現したメガビョーゲンに対し、プリキュアたちはおのおの分散して1人で戦うことを試みます。しかし強力な敵に対し1人では倒せないと判断したプリキュアたちは、3人合流し力を合わせて1体ずつ倒す方法を選びます。

ヒーリングっど プリキュア ヒープリ キュアフォンテーヌ キュアスパークル キュアグレース 花寺のどか 沢泉ちゆ 平光ひなた 1人では勝てない相手には3人で立ち向かう

 救うべき患者が複数いるけど、リソースが限られる場合、目の前の患者さんを救うため無理してでも1人で戦うのか、順番をつけてみんなで力を合わせて1人ずつ救う道を選ぶのか? いわゆる「トリアージ」とはやや趣が異なるかもしれませんが、患者さんを救う順番を選択せざるを得ない葛藤が描かれました。

 作中では「3人で力を合わせて戦うが、それは決して他を見捨てる選択ではなく、最後まで諦めずにみんなで戦い続ける姿」が描かれました。一見すると精神論にも聞こえますが患者さんを最後まで見捨てない姿勢、そして「プリキュアは最後まで諦めない」はプリキュアイズムの根本なのです。この「諦めない姿勢」に勇気をもらった子どもたちも多いのではないでしょうか。

ヒーリングっど プリキュア ヒープリ キュアフォンテーヌ キュアスパークル キュアグレース 花寺のどか 沢泉ちゆ 平光ひなた 日常シーンも丁寧に描かれます

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/23/news025.jpg 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  5. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  7. /nl/articles/2411/22/news205.jpg 松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
  8. /nl/articles/2411/22/news047.jpg 「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
  9. /nl/articles/2411/23/news031.jpg スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
  10. /nl/articles/2411/22/news051.jpg 自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた