アフターコロナでは、東京一極集中の歴史が終わる〜森永卓郎が提言
上半期のヒット番付はほとんどが自粛がらみ。
「垣花正 あなたとハッピー!」(6月17日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。2020年上半期のヒット商品番付について、また、テレワークが進むなど、新型コロナウイルスの影響によって様変わりする住宅環境について解説した。
2020年上半期ヒット商品番付〜番付32中30が自粛がらみ
上半期のヒット商品番付というものがいつも通り出ていますが、今年は新型コロナの影響で、いつもの上半期とはまったく異なっています。ヒット商品番付が東西16ずつ32あるのですが、32中30が自粛がらみです。
東の横綱「オンライン生活ツール」
訪日外国人観光客99.9%減、外食は67.0%減です。そんななかでの、東の横綱は「オンライン生活ツール」。テレワークやオンライン飲み会などから、ズームやパソコン用のカメラ、液晶ディスプレイなどのオンライン生活ツールが売れました。
顔が美しく映るオンライン用の照明
私がテレビにオンライン出演するとき、顔がきちんと映りませんでした。そこで1120円のLEDライトを買ったのですが、やはり暗いのです。先日ネット番組で、SKEの谷真理佳ちゃんと一緒に出たのですが、彼女はアイドルということもあり、きれいに映っていました。何でもオンライン用の美しく映る照明があって、3万円もしたそうです。静岡放送のテレビに出たときには、私と別所哲也さんが一緒に画面に並んでいたのですが、別所さんはいいカメラを使っていて男前でした。私は見た目がこれなのに安いカメラだったので、100倍くらい見た目が違いました。
こだわりレモンサワー「檸檬堂」も関連して売り上げ増〜東/前頭1
飲み会もオンラインです。オンラインでなくても1人で家で飲む。1人で飲むと終わりがなく、倍ぐらい飲んでしまいますので、缶ビールと缶チューハイが売れました。なかでも、こだわりレモンサワー「檸檬堂」が番付に入っています。これはアルコール度数を3段階に分けて、その人にあったものを選ぶことができます。「居酒屋の味を再現」ということで、好評のため一時は出荷停止にもなりました。
テレワークによって変わる住宅の地域別構造〜都心に住む必要がなくなる
今回のテレワーク、オンラインでいろいろなことができるとわかったので、これから土地の値段、住宅の地域別構造がガラッと変わると思っています。緊急事態宣言が解除されても、テレワークを使う会社が出て来ています。テレワークで仕事ができるようになると、都心の駅近に住む必要がありません。去年(2019年)、東京の不動産に詳しい人に聞いたら、「いまは東京23区内かつ、駅から10分以内でないと売れません」と言っていました。郊外の家は大暴落しています。すでに昨年でも、東京圏でキャッシュで家が買えてしまうということが起こっていました。逆に言うと、郊外の家は広くて安いです。庭で野菜もつくれます。持ち家と言っても、都内のタワーマンションは管理費が高く、ペントハウスになると管理費だけで月10万近くなるのです。新型コロナの感染が拡がるなか、有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」では、若い人を中心とした相談件数が爆発的に増えているということです。
田舎暮らしの問題点〜東京一極集中の終わり
一方で田舎暮らしは、3密とは無縁でいいのですが、人間関係が濃密です。田舎では畑をやっていても、畑を借りるお金もタダです。先日、苗3種類と収穫した農産物を近所のおじさんからタダでいただきました。タダというのはお返しをしなければなりません。東京都心部ならば、あと腐れなく、金で済む社会なので自由に生きられます。コミュニティが濃いところというのは、平気で人の家のなかに近所の人が入って来ます。それにどこまで耐えられるかということです。今後、人間関係の濃密さと物理的な濃密さが反比例するなかで、いろいろな都市が出て来て、その人の許容限度によって分散して行くことになるでしょう。東京一極集中、一辺倒だった四半世紀の歴史が終わる日も近いということです。
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