インタビュー
» 2020年07月17日 20時30分 公開

花王「アタック」Twitterの中の人も認めた“ガチすぎる”洗濯漫画 『鬼桐さんの洗濯』はいかにして生まれたのか? (1/3)

作者のふかさくえみ先生と、帯コメントを書いた花王アタックの中の人にインタビューしました。

[ましろ,ねとらぼ]

3巻書影

 東京都の一角に佇むクリーニング店「洗濯屋鬼桐」を舞台にした『鬼桐さんの洗濯』(まんがライフオリジナル/竹書房)。名前の通り店主は鬼で、お客さんも妖怪や神様ばかりというファンタジー設定ながら、作者・ふかさくえみ先生(@i_moni)はクリーニング師の免許(国家資格)を取得するほどの“マジな洗濯知識”の持ち主。日常生活でも役立つ洗濯知識が学べる4コマ漫画として人気を集めています。

 単行本3巻の刊行(7月17日発売)に合わせ、今回はふかさく先生を招いた対談企画を実施。お相手は、2巻の帯に推薦コメントを寄せた花王「アタック」Twitter公式アカウント(@kao_attackjp)の“中の人”。「洗濯×ファンタジー」という異色の作品が誕生したきっかけ、洗濯のプロから見た『鬼桐さんの洗濯』の魅力などを伺いました。


シミ抜きは化学。でも、キャラクターはファンタジー(左:1巻第2着「バンパイアは血に染まらない」、右:1巻第1着「魔王のマントはワインの香り」より)

(たぶん)史上初「帯に洗剤のロゴが入った、ガチすぎる洗濯漫画」


ねとらぼ


今回は、漫画家さんと洗剤メーカーのTwitter担当者さん(以下「中の人」)という異色の対談企画。まずは中の人にお伺いしたいのですが、普段はどのようなお仕事をされているんでしょうか。



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


お洗濯まわりの商品のPR活動ですね。もともとは商品担当としてマーケティングをやっていましたが、2020年より特定の商品ではないお洗濯まわり全般のPR担当をしています。



ねとらぼ


その一環としてTwitterアカウントを運用されているわけですね。アスパラガスいっぱいの写真に合わせて「アスパラダイス」とツイートするなどPR要素が全くないときもあって、わりとゆるーい感じですが。



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


ここ最近で一番ゆるいのを持ってきましたね(笑)。


僕が担当になったのは2018年春からですが、それまでこのアカウントは商品情報やキャンペーンのお知らせのみに使われていました。ただ、それだけだと「フォロワーさんは見ていて面白いと思うのかな」という疑問もあり、もっと親しみやすいアカウントにすることを目指して運用を変えていきました。イメージとしては「よく行くクリーニング店のお兄ちゃん」くらいの感じでしょうか。受付でお客さんと世間話くらいするでしょうし、町で見かけたら気軽に声を掛けてもらいたい、みたいな。



ねとらぼ


ふかさく先生はアタックのアカウント、見ていましたか?



ふかさくえみ先生


『鬼桐さん』の単行本1巻が出たころ(2018年夏)には、フォローしていたと思います。もちろんこちらが一方的に見てるだけだったんですけど、あるときアタックさんから『鬼桐さん』の感想が送られてきて。「クリーニング店で働いている方や、業界関係者さんにも楽しんでもらえたらいいな」とは思ってましたが、まさかこういう展開になるとは……。



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


洗濯をテーマにした漫画自体がそもそも少ないですし、おまけにファンタジー……? と気になって読んでみたんです。そしたら洗濯に関する描写も非常に本格的で面白かったので、思わず感想を送ってしまいました。



ねとらぼ


中の人から見て、『鬼桐さんの洗濯』の魅力はどのようなところだと思いますか?



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


洗濯に関する描写がしっかりしているのはもちろんですが、純粋に面白いことがすごいなと思っています。自分の仕事をするなかで、難しさを感じていたことなので。



ねとらぼ


というのは?



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


食べ物やファッションと違って「洗濯するのが大好き! 最高!」みたいな人ってやっぱり少ないんですよ。僕たちは時々「関与が低い」と言ったりするんですけど、歯磨きなどと同じカテゴリーで、キレイになればもちろんうれしいけど、ノリノリでやることではないというか。そういう「関与が低い」世界をテーマにしながら面白い漫画を描かれているのは「洗濯に興味を持つ方を増やしたい」とTwitterを運用している僕にとっても救いになりますし、尊敬しています。



ふかさくえみ先生


そこは、漫画が本来持っている力でもあると思います。「洗濯」と聞くだけでスルーしちゃうような人も、漫画なら取りあえず読んでみようかなという気分になる。



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


「まず興味を持ってもらう」という、マーケティング担当が一番苦労するハードルをぴょんと越えてしまう力が漫画にはありますよね。家電のマニュアルも全部漫画にしてほしい……。



ねとらぼ


花王アタックのTwitterアカウントはツイートでも『鬼桐さん』に言及していて、同作のいちファンだった私も驚いた覚えがあります。そして、単行本2巻の帯に「参考文献がガチすぎやしないでしょうか?」と中の人の推薦コメントが載っていたときには、さらに驚きました。



担当編集さん


花王アタックの中の人が『鬼桐さん』の感想を書いてくれたという話を聞いて、「それならぜひ」とアタックさせていただきました。



2巻書影


確かにガチすぎる参考文献(1巻巻末より)


花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


あのときは僕もビックリしました(笑)。漫画の帯に自分のコメントが載るなんて。



ふかさくえみ先生


たぶんですけど、洗剤のロゴが入った漫画って史上初じゃないですか? しかもそれが書店に並ぶという。



ねとらぼ


2巻の発売時には「アタックZERO」がもらえるキャンペーン展開もありましたが、あれもかなり珍しいのでは?



担当編集さん


推薦コメントもいただいたし、本当にアタックの洗剤をプレゼントしてみたら面白いかなと。さすがに花王さんに提供してもらうのは難しいだろうと思って、普通にドラッグストアで買ってくる予定だったんですけど。



花王アタックのTwitter公式アカウントの中の人


いやいや、わざわざ買ってもらうなんてとんでもない! 喜んで提供させていただきました。



担当編集さん


プレゼントした製品のパッケージにはふかさく先生のサインが入っていますが、当選された方々にはぜひ普段使いしてもらいたいですね。アタックZEROは中身が詰め替えできるので(宣伝)


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