終わらない“3.11”の希望、何度でも立ち上がる姿に涙 柴犬が主人公の漫画『柴ばあと豆柴太』連載第6回(1/2 ページ)

連載は最終回ですが、単行本の発売が決定しました!

» 2020年08月23日 13時00分 公開
[宮原れいねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ヤマモトヨウコ 豆柴太

 新人漫画家・ヤマモトヨウコ(@YY0905)さんによる、自分を人間だと思っている柴犬が主人公の漫画『柴ばあと豆柴太』の連載です。講談社協力のもと、ねとらぼ生物部では日曜日に最新エピソードを掲載。漫画本編は次のページからすぐに読めます


漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

↓↓↓前回の記事↓↓↓


↓↓↓1話から読む↓↓↓


ヤマモトヨウコ

ヤマモトヨウコ プロフィール

新人漫画家。京都府出身、京都精華大卒。現在、転勤で仙台在住。

『柴ばあと豆柴太』が初連載。

ねとらぼ:〈ストーリー編〉【毎週日曜更新】

現代ビジネス:〈4P漫画編〉【毎週木曜更新】



 第5話では、登場人物全員での食事中にテレビから3.11の特集が流れ、それぞれが大切な人を思う気持ち、そしてそれを届けようと海へ走る主人公・豆柴太の姿が描かれました。

 今回は、柴ばあたちにとって大きな希望のニュースが飛び込んできます。しかし、ある日訪れた病院で柴ばあは残酷な現実を突きつけられて……。


道に迷っても、一緒なら大丈夫

 元気な高校生の修司が「大変だ!!」と大きな声で知らせてくれたのは、隣町の遺留品がアラスカで見つかったという驚きのニュース。外国に流れ着く可能性があることは知っていても、震災から9年後、実際に行方不明者の車が発見されたことに「…信ずらんねえよ」と、柴ばあはその奇跡に手を震わせます。


漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

 柴ばあの大切な1人娘「さなえ」はあの日、車ごと流され、まだ見つからないまま。その悲しみにのまれる日も多かった柴ばあは「希望がわいできたなや!!」「私は必ずあの子は見つけっからよ!!」と、改めて決心を固めます。

 今後について前向きになれる会話のあと、柴ばあは美波(修司の幼なじみ)に頭のケガを心配され久しぶりの病院へ。ご飯をウニのだしで炊いた「ウニ弁」をついでに持参し、付き合いのある医者のおじいさんに会うと、返ってきたのは「ベリーグッドな味だなや」という笑顔。そしてもう1つは、真剣な表情でした。「柴ちゃん(※柴ばあ)、よぐ聞ぐんだ……おめは――」。


漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

 帰り道、病院まで車で連れてきた豆柴太のことも忘れ、柴ばあは気づいたときには電車が迫ってくる線路に迷い込んでいました。間一髪のところで、必死に走ってきた豆柴太に助けられ、そこで先ほど医者に言われた「おめは、アルツハイマー型認知症がもしんねぇ」という言葉を思い出します。せっかぐさなえが見つかりそうってときに――娘と孫の顔を思い浮かべた柴ばあは、「なしてこんな私が生きてるんだべが?」と涙を流すのでした……。


漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

 そんなとき、側にいた豆柴太は、やさしい表情で柴ばあの頭をなでます。「大丈夫。柴ばあ大丈夫でつよ」「柴ばあがだれよりもガンバってるの、ボク知ってまつから」。その声自体は聞こえなくても、十分に心は通じる豆柴太の姿を抱きしめた柴ばあ。2011年3月11日、お互いに大切な相手を失った日に出会ったふたりは、その日もお互いに支えられ、強い思いと共に前を向いて歩くのでした。ラストの柴ばあの心からの叫び、何度でも立ち上がる姿に熱い涙がこぼれる……。


漫画 柴ばあと豆柴太 ヤマモトヨウコ 震災 3.11

 「柴ばあと豆柴太」の連載は今回で一区切り。続きについては決まり次第お知らせします。9月10日に単行本が発売決定! ヤマモトさんのTwitterでは、「豆柴太の命名秘話」エピソードも公開中なので、是非チェックしてみてください。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」