インタビュー
» 2020年09月01日 18時00分 公開

卒業して芸能界をやめるか迷ったんです―― 初舞台の山口真帆、上京から1年で強まった“仕事を続ける覚悟”

初舞台「浪漫舞台『走れメロス』〜文豪たちの青春〜」は9月5日に開幕。

[宮澤諒,ねとらぼ]

 俳優の山口真帆さんが、9月5日から上演される「浪漫舞台『走れメロス』〜文豪たちの青春〜」(以下、「走れメロス」)で初舞台を踏みます。山口さんは2019年5月にNGT48を卒業すると、芸能事務所「研音」に入所。2020年1月にはテレビドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(読売テレビ・日本テレビ系)でドラマ初出演を果たし、役者として第一歩を踏み出しました。

 出演する舞台「走れメロス」は、太宰治と酒をあおる仲だった作家の檀一雄による回顧録『小説 太宰 治』をベースに書き上げられた作品。太宰役に内博貴さんを迎え、作家たちとの友情や、太宰が愛した女性たちとの波乱に満ちた日々が描かれます。

山口真帆 走れメロス 太宰治

 山口さんが演じるのは、太宰の愛人の一人だった山崎富栄。晩年の太宰に付き添い肺結核の看病や執筆活動の手伝いなどを献身的に行うも、出会いからわずか1年と3カ月で太宰とともに玉川上水で入水自殺を遂げるという、はかなくも過激な愛に生きた女性です。

 ビジュアル撮影のため、仮衣装で取材に臨んだ山口さん。初舞台への思いや芸能界で生きることへの覚悟について話を聞きました。なお取材では、記者はマスクとフェイスガードを装着し、山口さんとの間にもアクリルボードが設置されるなど、感染防止策がとられた現場だったことを申し添えておきます。

山口真帆 走れメロス 太宰治 山口真帆さん

―― 8月に入って一気に気温が上がりましたね。山口さんは青森県のご出身ですけど、この暑さには慣れていないんじゃないでしょうか。

山口 青森ではここまで暑くなることはまずないですね……。東京だとノースリーブを着ていても暑いですけど、でも半袖で青森に帰ると「さむっ」ってなっちゃうんですよ。先月もすごく暑かった日がありましたけど、親からはLINEで「今日はストーブを炊いたよ」って連絡がきて(笑)。暑さ対策のグッズを送っていたんですけど、「青森にはそんなの必要ないよ」って言われちゃいました(笑)。

―― 上京されてからちょうど1年くらいになると思いますが、何か変化はありましたか?

山口 最初のころのように気温の変化で体調を崩すことはなくなりました。まだ暑さには慣れないですけど(笑)。あと、逆に変わっていないことがあって、電車にうまく乗れないっていうのが……。上りと下りを間違えてしまうこともあるし、快速と普通の電車の区別がつかなくて。今日も乗る電車を間違えて最寄りの駅で降りられなくて、駅員さんに聞いてなんとかたどりつきました。

―― お会いできてよかったです(笑)。さて、いよいよ開幕が迫った初舞台ですが、いまのお気持ちはいかがですか?

山口 すごく緊張するし不安もあるんですけど、それよりも楽しみな思いが強いです。

―― 今作では太宰の愛人の一人で、最期を共にした山崎富栄という女性を演じられます。山口さんから見て、富栄はどんな女性ですか?

山口 すごく真っすぐな愛を持っているんですけど、その愛におぼれてしまう。はっきりと物事を言うんですけど、尽くす女性でありながら愛される女性でもあるのかな。

 現代でもそういう女性――感情に逆らえずに苦しい恋愛をしている、でもそれが自分の恋愛だと思って、男性を愛している人――はたくさんいると思うので、共感してもらえる部分はあると思います。私はどちらかというともっと冷めた人間なんですけど、そういう女性を見ると愛らしく感じてしまいますね。

―― 太宰に対する富栄の思いに共感できるところはありますか?

山口 太宰さんって女癖が悪いと思われていて、周りからいろいろ言われたりしますけど、富栄も愛人の一人という立場ではありながら、そんな太宰さんを支える役どころなんです。私も自分が信じた人は何があっても支えたいなと思うし、何があっても味方でありたいなと思うので、そこは共通する部分なのかな。

―― 太宰について、山口さんの目にはどんな男性として映っていますか?

山口 すごい文才を持っていて、周りからは天才だといわれるけど、だめな男として扱われたり、芥川賞をもらえなかったりして。自分の身近にそういう人がいたら、富栄みたいに支えてあげたいと思うのかな。何かに秀でた才能を持っている人は周囲から見たら、すてきな人だし輝いて見えますよね。だから、あんなに愛人がいるのかな、とも思います(笑)。

―― 太宰役の内博貴さんとはもう会われましたか?

山口 お会いしたんですけど、まだ稽古が始まっていないのでごあいさつしたくらいです。

山口真帆 走れメロス 太宰治

―― 山口さんは目標としている役者はいますか?

山口 特定の人はいないです。「この人みたいになりたい」と思うと、そこに縛られてしまう感じがして……いろいろな人の良いところを自分のものにしていくのが一番だと思っています。尊敬する役者さんはたくさんいるので、1人の人に縛らずにやっていけたらと思っています。

―― 役者以外でやってみたい仕事は?

山口 コスメやファッションが好きなので、ファッション誌や美容雑誌に出たいです。それから、私はこだわりの強い人間なんですけど、いつかいろいろなことをプロデュースできたらと思っていて、コスメやお洋服もそうですし、家具などのインテリアもプロデュースできたら良いなと思っています。

―― YouTuberへの興味はありませんか?

山口 編集とかできないからなあ(笑)。でも、いまだとYouTubeとかTikTokみたいな動画コンテンツがすごくはやっていると思うので、私もそこに臨機応変に対応できたらいいなと思っています。

―― 山口さんが演じられる山崎富栄は、太宰への思いをつづったノートを残しているのですが、その中の一節に「戦闘、開始! 覚悟をしなければならない。私は先生を敬愛する」という印象的な言葉があります。富栄と重ねるわけではないですが、山口さんも仕事をする上で覚悟していることはありますか?

山口 基本的に何にでも覚悟を決めて臨んでいますが、東京で一人暮らしをするようになってから、よりその思いが強くなった部分もあるのかな。卒業して芸能界をやめるかどうか迷ったんですけど、この仕事を続けるにあたっての覚悟というのが、この1年の中では最も大きいと思います。

―― ありがとうございます。最後に、上演を待っているファンの方々へメッセージをお願いします。

山口 私にとって初舞台でもあるし、私のファンの方で初めて舞台を見るという方もいらっしゃると思うんですけど、これをきっかけに舞台を好きになってもらいたいし、私も舞台を愛してこの役をやりたいと思っています。山崎富栄という一人の女性を好きになってもらえるといいなと思っています。

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