伊東駅「ぎおんのからあげ(3個入)」(560円)〜東伊豆の海岸線を走る、元“東横線”
レギュラー駅弁の幕の内弁当のおかずを、単独商品として独立させて生まれた「ぎおんのからあげ」。おつまみにぴったり。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東伊豆の海岸線を伊豆急行の普通列車が、元気よく駆け抜けて行きます。
熱海〜伊豆急下田間の主力、8000系電車は、かつて東急東横線で活躍していた車両。
多くの列車は、熱海を6両編成で発車して、途中の伊豆高原で3両を切り離し、身軽な3両編成となって、ワンマン運転で終着・伊豆急下田を目指します。
熱海から伊豆高原より先へ乗る場合は、前3両に乗っておくのがお薦めです。
(参考)伊豆急行ホームページ
伊豆急行8000系電車は、伝統のハワイアンカラーを身にまとっていますが、一部編成は東横線時代の「無塗装」となっており、沿線の方にとっては懐かしさを憶えそう。
ただ、見た目は通勤電車ですが、海側が元・西武特急レッドアローのシートになっており、山側のロングシートと合わせて、どの席も東伊豆の海を眺められるつくりになっています。
電車での駅弁、海を眺めながらの一杯も楽しめるのが嬉しいですね。
さて、伊豆の海を眺めながらの一杯、海鮮系は各温泉地の美味しいお店でいただくとして、ご当地ならではのつまみを仕入れるなら、伊東駅弁「祇園」が伊東駅などで販売している「ぎおんのからあげ」を買い求めたいもの。
2個入(370円)、3個入(560円)、4個入(740円)と3つのタイプを選ぶことができて、名物駅弁「いなり寿し」などに、1品ちょい足ししたいときにも重宝な存在です。
もともと、レギュラー駅弁の「幕の内弁当」のおかずとして人気を集めていた鶏の唐揚げを、単独商品として独立させて生まれた「ぎおんのからあげ」。
この夏は「東京」「横浜」「小淵沢」とさまざまな唐揚げをいただいていますが、伊東の唐揚げのジュワッとした食感も恋しくなって、思わず足を運んでしまいました。
大きくて脂たっぷりの鶏の唐揚げでも、不思議とお腹に優しく、胃もたれしないところに、駅弁屋さんの素材選びのよさと技を感じることができます。
伊豆急行線は、多くの列車がJR伊東線(熱海〜伊東間)へ直通運転を行っています。
8000系電車は朝夕のJR線内だけを走る普通列車としても活躍していて、東伊豆を走る列車は、概ね特急がJR、普通は伊豆急行の車両で棲み分けている格好です。
観光客と地元の方が入り混じる普通列車で地元の皆さんに愛されている味を楽しむのも、鉄道旅の醍醐味というものですね。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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