20年かけた原稿3万枚が紛失→「やり直してずっといいものできた」 仏教学者のエピソードを描いた漫画が勇気をくれる (1/2)
壮大な年月をかけた偉業に圧倒されます。
仏教学者が20年かけて執筆した辞典の原稿を出版社が誤って廃棄してしまうも、8年かけて再度書き上げ出版した話が、現代人が遭遇しがちなデータ消失で落ち込んだ心を励ましてくれます。
作者の近藤丸(@rinri_y)さんが、「苦労して作った書類のデータが消えた時 立ち上がる勇気をくれた話」と題して紹介したのは、仏教学者の中村元先生が大著『佛教語大辞典』を完成させたエピソード。中村先生は、サンスクリット語やパーリ語などで書かれた経典を日本語に翻訳し、日本における仏教研究の大きな前進に貢献した学者として知られています。
当時、東京大学で教えていた中村先生は授業の傍ら、『佛教語大辞典』の執筆にいそしんでいました。パソコンがない時代、20年かけて仕上げた原稿の執筆量は用紙3万枚に至ったと言います。
3万枚の原稿を出版社へ託した中村先生を、悲劇が襲います。担当者が引越作業の際に誤って原稿を捨ててしまったのです。謝罪を受けた中村先生は「怒っても出てこないでしょう」と怒ることはなかったものの、1カ月はぼう然としていたといいます。諦めようとしていたとき、妻の「やり直したら」の言葉で奮起します。
一度は書き上げたとはいえ、原稿用紙3万枚の執筆量をすぐに取り戻すことはできませんでした。8年かけて原稿は完成し、出版社を新たにして販売に至りました。「やり直したおかげでずっといいものができた」という中村先生。完成に際し先生が残した「逆縁が転じて順縁になりました」という言葉を、作者の近藤丸さんは「物事は固定的なものではなく変化するということを中村氏は言いたかったのかもしれない」と解説しています。
また近藤丸さんは、年を重ねた科学者が中村先生の授業を受け「もっと早く先生の元へ来て仏教を学べばよかったです」と述べたときに、先生が「人生において遅いとか早いということはございません」「思いついたとき気がついたとき その時が常にスタートですよ」と優しく語りかけたというエピソードを紹介。一度は諦めかけた『佛教語大辞典』の執筆を再起した中村先生だからこそ説得力が漂う言葉です。時間をかけて作ったデータが消えてしまっても、もう一度やってみようと決めたときがスタートなのかもしれません。
近藤丸さんはしめくくりの言葉として「他者の目的がどれほど大きな者であったとしてもこの目的を見失ってはならない 自己の目的をしっかり理解して自己の目指すところに邁進せよ」という仏陀の言葉を紹介しています。
漫画には中村先生を称賛する声や、「僕もこれからこの話を思い出すと思います!1〜2日でくよくよしてられないですね」「読んで私も頑張ろうと思えました!」など励まされたという反応が寄せられています。
作者の近藤丸さんは浄土真宗本願寺派の僧侶。仏教をテーマにした漫画をネットに公開しています。
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