インタビュー
» 2020年10月05日 18時00分 公開

「謎の中毒性」「1回見ただけじゃ分からない」 “はじめまして松尾です”に聞く、「マツオノアニメ」はどうやって生まれたか

本人を直撃しました。

[岩本新之助, 宮澤諒,ねとらぼ]

 予測不能なセリフ回し、息つく暇もなく展開されるボケとツッコミ、一癖も二癖もあるキャラクターたち。UUUMに所属する現役芸大生YouTuber「はじめまして松尾です」が生み出す自主制作アニメ「マツオノアニメ」が、YouTubeに新しい風を吹き込んでいます。

 2019年9月に最初のアニメが公開されるや「何回も繰り返し見たくなる」「謎の中毒性」と話題に。今では大半の動画が再生数100万回を超えるなど、10〜20代の若者を中心にはまる人が続出しています。

【アニメ】天使と悪魔が財布盗ませようとしてくる

 いったい彼はこの反響をどう受け止めているのか。そして、「マツオノアニメ」はどのようにして作られているのか。たまたま東京に来ているという話を聞いたねとらぼエンタ取材班は、松尾さんに話を聞くべくUUUM本社へ向かいました。

※記事末には、松尾さんへの一問一答を撮影した動画を掲載。さらに、ニワトリやネズミたちのイラストが入ったサイン入りチェキのプレゼント企画も実施しています。

ネズミやニワトリは4コマ漫画から生まれた

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

―― 本日はよろしくお願いします。まずは「はじめまして松尾です」という個性的な名前の由来から聞かせてください。

松尾 本名は「はじめ」っていうんですけど、小中高とずっとサッカーをやってきて、そのときのあだ名が「はじめまして松尾です」だったんです。

―― 本名出しちゃって大丈夫ですか……?

松尾 あ、大丈夫です。うそなので。小中高でサッカーもしていないです。

―― どっちもうそだった。ひとまず松尾さんの制作活動について掘り下げていこうと思います。2019年3月にYouTubeで投稿を始めていますが、それ以前にもなにか活動はしていましたか?

初めて投稿されたアニメ【淡々と繰り替えされる素行】

松尾 いろいろと手を出していて、ハンドメイドのイベントに出品したり絵のグループ展に参加したり、Instagramを始めてみたり。4コマ漫画を描いてTwitterにあげたこともありました。ブログもやってみたんですけど、結局続いたのがYouTubeでした。

―― 4コマ漫画はいつごろから?

松尾 高校生のころには描いていたと思います。YouTubeを始める2、3年前ですね。ネズミやニワトリ、タコは当時から存在していたキャラクターで、アリクイとイソギンチャクとアンモナイトもいました。

―― 個性的なメンバ−ですが、なぜそのラインアップに?

松尾 適当です(笑)。

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ かわいらしいキャラクターたち(【アニメ】理不尽すぎるバンドメンバー紹介から)

―― わずか1年半でYouTubeのチャンネル登録者数は64万人と、強者ぞろいのUUUMの中でもかなりの急成長を見せています。この反響はどう受け止めていますか?

松尾 みんなマジかよ……って思っています。そんなに見る? って。

―― 想像以上?

松尾 想像以上というか、ウケるとは思っていなかったので。刺さる人に刺さればと思っていたんですけど、思いのほか刺さっちゃったって感じですね。……ちょっと真面目になっちゃったな。

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

―― YouTubeを始めるにあたって何か目標は立てていましたか?

松尾 一番の目標は「製作でご飯を食べていきたい」みたいな感じだったので、それはかないました。

―― いまの目標は?

松尾 30歳ぐらいになったときに、めちゃめちゃ面白いものが作れていたらいいなと。30歳には何か完成させたいですね。

―― なぜ30歳?

松尾 あと10年ぐらいなら体力的に頑張れるかなって。

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

―― 松尾さんは芸大生ですよね。ネットでの活動は周りの人には知られていますか?

松尾 大学で撮ったりしているので友人は知っていますし、家族も知っています。ただ唯一、母方の祖父だけは、東京でコップに絵を描くバイトをやっていると思っています。

―― なぜそんなことに。最初のころは、自作の装置を使ったやってみた系の実写動画がメインでしたが、松尾さんのモノづくりの原点はどこにあるのでしょう。

松尾 親が子づくりで僕を産んだので、たぶん原点はそこかなって。

―― 気を抜くとちょいちょい挟んでくる。投稿を始めてからご自身や身の回りに変化はありましたか?

松尾 動画作りが日常になりすぎちゃっていて、作っている感覚みたいなものも最近はなくなっています。「よし、作ろう」っていう感じじゃなくて、生活の一部みたいな。

最初に投稿した動画
スパイダーマンみたいに壁に蜘蛛の巣を張る!【大成功】~ウェブシューター制作~

影響を受けた作品は「アドベンチャー・タイム」

―― 人気を集めている「マツオノアニメ」ですが、アニメを作り始めたきっかけはなんだったのでしょう。

松尾 全然覚えていなくて……友達いわく、学祭に流すために作っていたらしいんですけど。ただ、僕が4コマ漫画を描いていたときから、個人制作でアニメを作っている人はたくさんいたので、たぶんそれにならってちょこちょこ作っていった感じなのかな。

―― アニメ制作において影響を受けた人や作品はありますか?

松尾 「アドベンチャー・タイム」ですね。バチバチに影響を受けすぎていて、初期の動画はめちゃめちゃ似ていました。

「アドベンチャー・タイム」(画像はAmazon.co.jpから)

松尾 いろいろなところから技術を盗んで、自分なりに変換して動画に入れることはよくやっていたんですけど、リスペクトしすぎて無意識に似ちゃうのはちょっと厄介で。「アドベンチャー・タイム」もそうだし、「天竺鼠」の川原さんが大好きで、そんなつもりないのに似たようなことをしてしまうというのは悩みです。

―― やはりオリジナルなものを作りたい?

松尾 そうですね。まだ経験が浅い分、影響を受けすぎちゃいますけど。

―― 最初のころは荒唐無稽といいますか、ぶっ飛んだ世界観にひかれたファンも多かったと思いますけど、最近は、オチまでがきっちりと考えられているように思います。

松尾 というか、そっちの方が作っていて楽しくて。初めに出したワードを後で回収したり、自分なりにちょっとうまいことを言ってみたり。

 昔のカオスな雰囲気も好きなので、もうちょっとうまいこと混ぜられたらなと思うんですけど。でもいまは、その作り方が楽しくて楽しくてしゃーないですね。

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

―― ネタ自体はどうやって考えていますか?

松尾 会話から拾ったり、思い浮かんだものをメモアプリに書いたり。ウケるかどうか分からないときは、友達に試してウケたら採用、滑ったら不採用にしています。

―― 台本作りにはどれくらいかかりますか?

松尾 昔は1日かかっていたんですけど、いまは半日あれば。

―― 何か技術的な進歩があった?

松尾 というよりは、作り方のテンプレみたいなものが自分の中で無意識にできちゃったのかな。あ、いま思うとそれはやばいな……。いま気付きました。

―― といいますと。

松尾 アカンなって。同じような動画になってしまうので。初期のころを思い返していろんなものを取り込んでいけたらと思います。


初期はiPhoneに手描きしていた

―― 問題なければアニメの作り方についてもお聞きしたいです。

松尾 まずメモアプリで台本を作って、「Procreate」っていうお絵かきアプリを使ってiPadで描いています。映像はAdobe Premiere Proで編集して、そこにボイスレコーダーで録音した音声をがっちゃんこしています。

―― アニメ作りをする上でこだわっていることは?

松尾 一番こだわりがあるのはネタの部分ですけど、よくスクショされるので、テロップであったりキャラの表情であったり、アングルであったり、スクショしたときにいいものが残せるようには意識しています。

―― 逆に、これはやらないと決めていることはありますか?

松尾 ない……ですね。あ、でも、僕の思いみたいなのは乗せないでおこうと思っています。キャラを通して僕のことを知られたくないんです。だから、最近松尾はこういうことを思って、こういうアニメを作っているんだなと思われないようにはしています。

―― これは動画の中で語られていましたけど、ネタが尽きたらやめるかもしれないと。

松尾 あー、そうですね。やめます。でもまだ尽きないので当分は大丈夫かなと。ネタが尽きたらやめて、田舎に行って農家になります。

―― 自分の中で気に入っている回は?

松尾 「ほぼツッコミだけで成り立つアニメ」は好きですね。

ほぼツッコミだけで成り立つアニメ

―― 特にどのあたりが?

松尾 下ネタのところが……(笑)。その、下ネタがすごく好きなんですけど、生々しいとか、品のない下ネタが嫌いで。かわいらしいとか、ちょっとトリッキーな出し方をするとか、そういうのが好きですね。

―― 一番ヒットしたのが「寝る前に見るべきアニメ」でしたよね。すでに再生数は700万回に届く勢いで伸びています。

寝る前に見るべきアニメ

松尾 あれは、肩の力を3分の1くらいまで抜いて作ったアニメなんです。肩の力を入れて作ると難しくなりがちで、あんまりウケなくて。逆に力を抜いて、ちゃちゃっと作った方が伸びる傾向にあります。

 僕のアニメって、1回見ただけじゃ分からないという視聴者が多いみたいで。よくコメントで、1回目はよく分からずに雰囲気で笑って、2回目はワードとか見て笑って、3回目はワードを回収していたりうまいことを言ったりした場面で感心して笑うみたいな。3回見るというのはよくコメント欄に書かれていたりしますね。

―― キャラクターの造形は、初期のころから大きく変化していますよね。かわいく描くことを意識していたりするのでしょうか。

松尾 最初はiPhoneに指で描いていたんです。それが、いまはiPadにApple Pencilで描くようになって、描きやすくなったというだけで。



―― 指で描いていたんですね。あのころの画風も味わい深くて好きでした。ところで、「マツオノアニメ」は毎月6〜7本とかなりのハイペースで投稿していますが、松尾さんにとって動画を作るモチベーションはどこにあるのでしょう。

松尾 動画を作って出すというのが日常になりすぎちゃって、モチベーションがなんだといわれたら、これといったものがないですね。周りの人たちが面白いものを作っていたら、自分も面白いものを作りたいなって。

―― まさに根っからのクリエイターですね。1人で活動するという選択肢もあったと思いますが、なぜUUUMに入ったのでしょうか。

松尾 一番は、親の説得ですね。活動するにあたって別に親と何か約束していたとかじゃないですけど、ただ僕が個人でこういう活動をするよりも、大きい企業に入っていた方が安心してもらえるかなと思ったんです。

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

―― 母方のおじいさんにも安心してもらいたいですね。そんな松尾さんですが、実写、アニメとやってきて今後挑戦したいことはありますか?

松尾 これはずっと言っているんですけど、鉄パイプを蝶々結びにしたいですね。まだ難しいんですけど、早く動画に撮りたいです。

―― ということは、また実写を?

松尾 そうですね、実写でやっていくと思います。

―― 30歳までに実現することを願っています。それでは最後に、動画を見てくれている視聴者に一言お願いします。

松尾 それぞれの人生を頑張ってください!

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

「はじめまして松尾です」一問一答(ニワトリの声で答えてくれました)

プレゼントキャンペーン(こちらは終了しています)

 ねとらぼエンタの公式YouTubeをチャンネル登録&公式Twitterをフォローし、プレゼント企画を告知するツイートをRTしてくださった方の中から抽選で3名に、はじめまして松尾ですさんのサイン入りチェキをプレゼントします。松尾さんへの応援メッセージをリプライすると当選確率がアップ!

はじめまして松尾です UUUM YouTube マツオノアニメ

キャンペーン応募方法

(1)ねとらぼエンタ公式Twitterアカウント(@itm_nlabenta)をフォロー

(2)ねとらぼエンタのYouTubeをチャンネル登録

(3)告知ツイートをRTで応募完了

※当選の際には、登録チャンネルを確認させていただくため、ご自身のYouTubeチャンネルのURLが必要となります。あらかじめご了承ください。

注意事項

  • 締切期限は10月12日正午
  • 当選者には編集部よりDMにてご連絡いたします。DMが開放されていない場合には当選無効となりますのでご注意ください
  • いただいた個人情報はプレゼントの発送のみに使用し、送付後は速やかに処分します
  • ご応募完了時点で、アイティメディアのプライバシーポリシーへご同意いただいたものと致します。応募前に必ずご確認ください

関連キーワード

アニメ | YouTube | 動画 | UUUM | 4コマ漫画 | アニメ制作


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2201/24/news081.jpg 「めっちゃ痩せててびっくり」「尊敬しかない」 ガンバレルーヤ、1カ月半で“22キロ減”の別人ショットに反響
  2. /nl/articles/2201/25/news179.jpg 氷川きよし、休養発表後インスタ初更新 過熱報道に苦言「精神的に追い詰められています」「私も一人の人間」
  3. /nl/articles/2201/26/news014.jpg 飼い主がストーブ前に座ると、黒柴三兄弟がのってきて…… 団子状態で暖をとる子犬に「鼻血でるほど可愛い」
  4. /nl/articles/2201/26/news103.jpg 超笑顔だ! 笑わない男・ラグビー稲垣啓太とモデル・新井貴子が結婚、初夫婦でデレデレの笑み
  5. /nl/articles/2201/26/news085.jpg 一見すると笑顔の女性、よくみると…… いじめ・自殺防止を訴えるポスターのメッセージが心に刺さると話題
  6. /nl/articles/2201/26/news015.jpg 保護猫と先住猫が初対面した夜、おもわぬ行動に涙…… 「先住猫の優しさがすごい」「一生懸命な姿がたまらない」と反響
  7. /nl/articles/2201/26/news043.jpg なかやまきんに君、「お願いマッスル」カバーMVで“自慢の肉体美”を披露 本家は2億4000万回再生超え
  8. /nl/articles/2201/25/news110.jpg トンガに物資を運ぶ自衛隊員の“ステキなアイデア”にジーンとくる…… 「お疲れ様です」「泣けてきました」と称賛の声
  9. /nl/articles/2201/26/news019.jpg 子猫「肉球ぜんぶ見せたげよっかな?」 かわいい肉球をもったいぶる子猫に全力で「見せて!」とお願いしたい
  10. /nl/articles/2201/26/news156.jpg 架空のアイドルグループ、不祥事だらけの解散理由が話題に 「運営との面識無く勝手に加入」の強者メンバーも

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」