ラジオでよく聞く「警視庁の○○さーん!」って誰? 調べたらすごかった日本道路交通情報センター5つの謎(2/3 ページ)
「警視庁の○○さん」は1日に2〜3局、10本ほど放送を担当する
── 「警視庁の○○さん」は個々で担当番組や時間が決まっているのでしょうか。
「JARTIC東京センターの職員は、NHKと民放4局での放送を担当しています。担当する放送局は勤務ローテーションによって決まります。各担当者は1日に2〜3局、10本程度の放送を実施します。」
同じ番組をいつも同じ人が担当しているわけではないようですが、チャンネルを変えたら、あれ? さっき別の局で放送していた人だ、ということはあるのかもしれません。
「警視庁の○○さん」は1970年に開始、非常時には24時間体制で情報を提供
── 放送担当者さんは何人くらいいるのでしょうか。
「東京センターに所属している職員は現在約15人です。早朝から夜間まで365日放送を実施しているので、職員は交代制勤務です。台風や大雪、地震などの災害発生時には、24時間体制で情報収集と情報提供を行います。」
── 放送による情報提供はいつ始まったのでしょうか。
「JARTICは1970(昭和45)年1月に設立されました。警視庁交通管制センターからの道路交通情報提供は、1970年3月に開始しました。」
何と、東名高速が全区間開通(1969年)し、名神高速と併せて東京〜大阪が高速道路で結ばれた「クルマ社会」が花咲いたころから。50年以上に渡ってわたしたちの生活を支えてくれていたのです。
情報はテレビやラジオのほかに、身近な「スマホのナビアプリ」にも
今回の質問に答えていただいたJARTICは「安全で円滑な道路交通を目指して、道路交通情報の収集・提供を通じ社会に貢献する組織」として設立された公益財団法人です。
ラジオやテレビの放送、ネットや電話(音声電話サービス)でJARTICとして伝える情報はもちろん、通信カーナビやスマホアプリなどにも交通情報を提供しています。普段意識せずに便利に使っていたかもしれませんが、JARTIC、あなただったのか……日本の道路交通情報を支えてくれていたのは……!
また、JARTICでは調査研究業務の1つとして「渋滞予測の研究」も行っています。過去の渋滞情報を蓄積した統計データや交通量データとビッグデータを組み合わせ、AIを活用して分析することで渋滞予測の精度向上が図れないか、研究しています。
お盆や年末年始のより詳細な渋滞予測から、今後、お祭りやマラソンといった単体イベント時に、どこがいつどれだけ混むかといったピンポイントなリアルタイム渋滞予測が可能になるように研究を重ねているとのことです。すげぇ……!
「警視庁の○○さん」が気になって軽い気持ちで聞いてみたら、JARTICが移動と日本の物流の要である道路交通情報をさまざまなかたちで支えてくれていることが分かりました。JARTIC、そして警視庁の○○さん、いつもありがとうございます。
皆さんも有益な交通情報を活用して、どうかいつも安全運転で!
(少年B)
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