松原みき「真夜中のドア」が、47カ国でTOP10入り 世界的ヒットの裏に、インドネシア人YouTuberの存在(1/2 ページ)

いまシティーポップが熱い。

» 2020年11月20日 17時00分 公開
[小西菜穂ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 1979年にリリースされた歌手の松原みきさんのデビューシングル「真夜中のドア/stay with me」が、世界のApple Music J-Popランキングにおいて12カ国で1位を獲得し、合計47カ国でTOP10入りという不思議な事態が発生。リリースから41年の時を経て起こったリバイバルヒットの裏には、インドネシア人YouTuberレイニッチの存在がありました。

レイニッチ reinych インドネシア 洋楽 カバー 日本語 プロフィール YouTuber YouTube Say so doja cat バズ tofubeat tiktok 松原みき 真夜中のドア シティ・ポップ リバイバル 松原みきさん

 レイニッチはインドネシア生まれ、スマトラ島在住のYouTuber。アメリカ人歌手Doja Catの「Say So」を日本語に訳し、80年代シティーポップを思わすカバーで歌い上げたところ、1800万再生も射程内の世界的人気に。動画にはDoja本人も反応しています。この事態を世間が放っておかず、9月に同曲で日本メジャーデビューを果たし、10月にセカンドシングル「真夜中のドア / STAY WITH ME」をリリースしました。

レイニッチ「真夜中のドア / STAY WITH ME」

 レイニッチ版のアレンジは、TikTok発の大ヒットナンバー「summertime」を送り出したevening cinemaの原田夏樹さんが担当。21世紀のいま聞いても新しい独特のドリーミーなサウンドとレイニッチのキュートなボーカルが絡み合う新感覚に仕上がっています。

 松原さんの歌うオリジナル版が世界的ヒットとなった裏には、ここ数年で日本の1970〜80年代のシティーポップが各地で人気となっているという背景に加え、レイニッチ版リリースが追い風となって楽曲そのものへの注目度が上がったためであると予想されます。海外を中心にじわじわと人気に火がつき、サブスクリプションサービスSpotifyでは直近1年間で460万回、Apple Musicでは100万回以上再生を達成。特にインドネシアでは1カ月で3万回再生を記録したほか、タイ、マレーシアでも再生数が大きく増加しています。

レイニッチ reinych インドネシア 洋楽 カバー 日本語 プロフィール YouTuber YouTube Say so doja cat バズ tofubeat tiktok 松原みき 真夜中のドア シティ・ポップ リバイバル レイニッチ

 レイニッチは楽曲について「多くの人の心に刻まれたレジェンド曲なので、カバーさせていただきとても光栄」とコメント。「この曲を聴いたり歌ったりするたびに、昔の日本にタイムスリップしたような気分になる」と読み解き、複雑さの中にある美しさ、楽曲そのものが持つイメージやフィーリングをどう届ければいいのか、苦心しながらのレコーディングになったと振り返っています。


 流ちょうな日本語歌唱で昭和のシティーポップバイブスを見事に現代へよみがえらせたレイニッチですが、ねとらぼが10月に行ったインタビューで「実は日本語は全く話せない」「読めもしないし、もちろん書けない」と告白。そんな彼女が日本語でのカバーにはまったきっかけは地元インドネシアの“歌い手”コミュニティーとの出会いだったと語り、憧れの存在として人気の歌い手れをるさんの名前を挙げていました。

 レイニッチが自身のYouTubeチャンネルに投稿した「真夜中のドア」カバー動画には、インドネシア語、英語、日本語を含め世界中の言語で数多くのコメントが投稿されています。オリジナル版を知らないであろう地元インドネシアのファンは「これは癖になる」「ネクストレベル」とコメント。一方で原曲を聞いていた世代の日本人からは「まるでタイムマシンで過去を見てきたかのように、あの時代の雰囲気を見事に表している」「懐かしい」などといった感想が見られました。

 また「(楽曲がリリースされた)1979年には世界中どこを見渡してもインドネシアの女の子がこんなにすばらしいカバーを投稿する日がくるなんて想像できなかっただろうに」というインターネットの進化によって音楽に国境がなくなったことへの驚きと感動を語るファンも存在しています。

デビューのきっかけとなった「Say So」日本語カバー

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/08/news006.jpg 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  2. /nl/articles/2412/08/news016.jpg 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  3. /nl/articles/2412/05/news178.jpg イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  4. /nl/articles/2412/07/news025.jpg 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  5. /nl/articles/2412/07/news024.jpg 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2412/08/news003.jpg ダイソー&セリアの毛糸6玉が、みるみるうちに…… たった4時間編んで完成したとは思えないオシャレアイテムが話題
  7. /nl/articles/2412/07/news039.jpg コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  8. /nl/articles/2412/07/news020.jpg “ひっつき虫”を簡単に取るには…… 身近なアイテムでスッキリするライフハックに「これでイライラしないで取れる」「今度、やってみます」
  9. /nl/articles/2412/07/news057.jpg その発想はなかった! 手に描いた“孫悟空” → 広げたら…… “まさかの変化”にテンション上がる「センスだね」
  10. /nl/articles/2412/07/news018.jpg 赤い毛糸3玉をどんどん編んでいくと……? 完成した“冬のオシャレアイテム”に「わかりやすくて感謝」「編んでみたい!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」