【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】存在することに意味があるクソゲーの中のクソゲー「Bouncing DVD : The Game」(1/2 ページ)

「なぜ存在しているのか分からない謎の魅力」

» 2020年12月28日 21時00分 公開
[ねとらぼ]

 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は、DVDのロゴが動くだけのゲーム「Bouncing DVD : The Game」(steam/無料)。今回の取材対象者は「自分は良作だと思っているのに周りは……」ではなく、「自分でもクソゲーと思っているが、だがそこがいい」というタイプ。



企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2〜3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「Bouncing DVD : The Game」(提供さん/@oomura129

 私は「Bouncing DVD : The Game」というゲームをやっています。明らかにクソゲーなのですが、私は好んで遊んでいます。

このゲームの魅力

 私はそもそも、こういう「なぜ存在しているか」「なぜゲーム化しようとしたのか」みたいな作品はすごく貴重だと思っていて、特にこのゲームはドストライクでした。

 内容は「DVDのロゴが跳ねまくって、画面の四つ角にロゴが触れると得点が加点されていく」というもの。ただ飛び跳ねてるロゴを眺めているわけではなくて「W」「S」キーで飛び跳ねる高さを調整したり、「A」「D」キーでロゴの速さを調整したりして、もっとも早く得点を得られるロゴの動きを見つける奥ゆかしさもあります。

 そうやって見つけた最強のポジショニングで放置し、気付いたときに見るとすごい得点数になっていて「たまったな〜」という感情になります。

 数、増えるとうれしいですよね。

 クッキークリッカー系のゲームで徐々に数字が増えていくさまを見るのも好きなので、おそらくこのゲームにシンパシーを覚えたのだと思います。

世間ではクソゲーと言われている理由

 正直、steamのストアページで紹介されているPVやスクリーンショットを見た瞬間に、大半の人がクソゲーと認識すると思います。レビューを見ると、明らかに皮肉交じりに「神ゲー」と書かれています。

 実はこのゲームには元ネタが存在していて。「DVDのロゴが四つ角に当たると狂乱する外国人のミーム動画」が流行っていたころに開発されたのですが「あのミーム動画のDVDロゴは背景が黒色、ロゴが白色。だが、このゲームは白背景、黒色ロゴと真逆。また、ロゴの動きが直進的ではなく、跳ねる仕様になっている。原作愛が感じられず、ただ開発を急いで作った感じもクソゲーポイントが高い」などと言われる始末です。

 原作愛ってなんなんだよ、という話でもありますが。

動画が取得できませんでした
「bouncing DVD」でググると、こういう感じの“DVDのロゴなどが四つ角に当たって狂乱する外国人”の動画が出てきます。出てくるのです

クソゲーとされる理由に納得できるか

 結論から言えば文句なしに納得できます、自分から見てもクソゲーなので。

 私はクソゲーの中にも階級的なものがあると思っていて、「ちゃんと目的がある」とか「出来が悪いなりにアクションゲームっぽい」とか「グラフィックはお粗末だけどちゃんとホラーゲームっぽい」とか、そういうゲームはクソゲー界ではトップです。

 「Bouncing DVD : The Game」は特に目的もなければ、操作することも特にないクソゲー中のクソゲーなのですが、前述した通り、なぜ存在しているのか分からない謎の魅力に魅了されて、そういう類のゲームをプレイしてしまいます。ペットショップで売れ残っている動物を見ると、飼いたくなってしまう衝動に似ているかもしれません。

 クソゲーと一蹴するのではなく、皆さんもやってみてはいかがでしょうか。私の最高得点は「1500」なのですが、電気代を気にしなければ放置するだけで余裕で超えられます。

 遊ばないにしても「こんなゲームが存在していて面白い」という感情が少しでも湧いたなら、制作者にとっても見た人にとっても良いことだと思います。

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