プリキュアの後、何見てる? 関東と関西で違いはある? 視聴データから振り返る2020年の「ニチアサ」サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

» 2020年12月24日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]
前のページへ 1|2       

プリキュアは関西の方がよく見られている

 次に地域別のライブ視聴状況を見てみました。

 「ヒーリングっどプリキュア」の地域別の平均ライブ視聴です(2〜11月平均)。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 関東地区が2.58%なのに対し関西地区は2.96%、中京地区では2.97%と、プリキュアは関東よりも関西、中京地区でのライブ視聴が高いことが分かります。

 これは仮面ライダー(関東2.57%、関西2.83%)、戦隊シリーズ(関東2.16%、関西2.37%)も同様の結果となり、朝日放送系のプリキュア、仮面ライダー、戦隊シリーズは関東地区よりも関西地区、中京地区の方が相対的に良く見られていることが分かりました(もちろん視聴の絶対量は人口が多い関東地区が多いのですけど)。

 「関西人の日曜朝」はプリキュア、ライダー、戦隊が見られる傾向にあるようです。

 逆に、グラフにはありませんがテレビ東京系の「ラブパトリーナ」「プリ☆チャン」「ミュークルドリーミー」のライブ視聴は関東地区の方が高く、東西でニチアサ視聴の傾向が違うことが示唆されました。


プリキュアの世代別ライブ視聴量

 「ヒーリングっどプリキュア」の世代別のライブ視聴量です(2〜11月の平均)。

 (Family:家族視聴 BC:13歳未満、 TEEN:13〜19歳、M1:男20〜34 F1:女20〜34、M2:男35〜49 F2:女35〜49…)

 このデータは「家族視聴」と「個人視聴」が別でカウントされるので、成人男子が1人で見ている量も分かります。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 プリキュアのライブ視聴は「家族で見る」が最も多く(3.1%)、次いで子ども単独で見る(BC:2.6%)が続きます。これはプリキュアが子ども向けアニメであることからしても当然の結果ではありますが、プリキュアが「ファミリー」の目を意識して制作されていることは媒体インタビューなどで周知の事実であり、実際に「家族での視聴が最も多い」ことはそれを裏付ける結果となっています。

 また20歳以上の「成人」もかなり多くプリキュアを見ていて、特に多いのが「M2F2層(男女35〜49歳)」でした。またM1〜3、F1〜3(男女20〜64歳)の層においては「成人女性」よりも「成人男性」の方が相対的にプリキュアを視聴していることも分かります。「ヒーリングっどプリキュア」は成人女性だけではなく成人男性の視聴量も多いのです。


「ガールズ×戦士」の大躍進


 ここ数年、日曜の朝の女児向けコンテンツの中でも注目を集めていたのがタカラトミーの「ガールズ×戦士」シリーズです。かつては「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」「美少女仮面ポワトリン」などの東映不思議コメディーや、実写版の「美少女戦士セーラームーン」などがあった「女児向け特撮」という分野を再発掘し、人気が急上昇中なのです。

 その人気の程は「ライブ視聴」にも現れています。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 「プリキュアシリーズ」や「キラっとプリ☆チャン」のライブ視聴量がここ3年「ほぼ横ばい」なのに対し、「ガールズ×戦士」シリーズだけは、年々ライブ視聴量が増加しています。日曜朝の子ども向け番組の中では最も勢いがある、といっても良いでしょう。

 現在放送中の「ポリス×戦士 ラブパトリーナ!」は来春の映画公開も決定し、まさに絶好調なようです。「ガールズ×戦士シリーズ」は(もちろんいないわけではないですけど)いわゆる「大人ファン」の割合が少なく、ファミリー層、子ども層の視聴割合が高い、というデータもあります。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 この「ファミリー層に強い」というのが「ガールズ×戦士」の強みの一つであると思われます。

 バンダイナムコグループも2021年1月に「実写」を取り入れた「アイカツ!」シリーズ最新作「アイカツプラネット!」の展開が始まります。タカラトミーのブルーオーシャンであった「女児向け実写」分野にバンダイが参入することにより、この分野も大きく盛り上がりを見せていくことが予測されます。「アイカツプラネット!」は「ラブパトリーナ」を脅かす存在になるのでしょうか。


新型コロナの影響

 2020年世界中で猛威を振るった新型コロナ禍は、日曜朝の女児向けコンテンツにどのような影響を与えていたのでしょうか?

 「ヒーリングっどプリキュア」も2020年4月26日〜6月21日まで、コロナ禍の影響により「再放送」を余儀なくされました。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 その再放送期間はライブ視聴、再生視聴ともに大きく数字を落とすこととなり、その後「本放送が再開しても、数字を戻すことなく低いままの水準」を維持してしまいました。

 再放送により一度視聴の習慣が途切れてしまうと、そのまま戻ってこない視聴者も多く、特に「プリキュアを録画で見ている層」は一度視聴習慣が途切れてしまうと戻ってこないことが顕著に表れています。「再放送」はプリキュアの視聴量的には悪い影響を与えてしまったようです。

 プリキュアの再放送は「玩具の販促スケジュール」にも大きな影響を与えていたりと(参考:新プリキュア「キュアアース」登場も、プリキュアの玩具の売れ行きが不調だった理由)、本当にコロナ禍に振り回された1年となってしまいました。

 ビョーゲンズと今もなお戦い続けているプリキュアたちに声援を送りたいと思います。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ コロナ禍の影響を大きく受けてしまった「ヒーリングっどプリキュア」(画像はAmazon.co.jpから)

2021年もニチアサコンテンツを

 2020年の日曜朝の「女児向けコンテンツ」を「視聴量的」に見てみたところ、

  • やはりプリキュアのライブ視聴が強い
  • プリキュアからライダー、戦隊と流れて視聴する層が多い
  • プリキュアとデジモン、ワンピースを見る層は異なっている
  • プリキュアは関東よりも関西、中京圏の視聴量が多い
  • プリキュアはファミリー視聴が主だが、大人も見ており特にM2F2層の視聴が多い
  • 「ガールズ×戦士」シリーズのここ数年の盛り上がり方がすごい
  • 新型コロナによる再放送は視聴量的に悪い影響が出てしまった

……といったことが見えてきました。

 今や大げさな表現でもなく、日本人の日曜日の朝にはアニメや特撮などの「ニチアサコンテンツ」が根付いています。

 データ的にもこの時間帯は「ファミリー視聴」が多く、この先も日曜朝のコンテンツはニュースバラエティーの他は「子ども向け」「ファミリー向け」のアニメや特撮が続くことと思われます。「親子2代、3代で一緒にニチアサを楽しむ」時代ももう到来してきています。休日くらい、頭を空っぽにして日曜朝の子ども向けコンテンツを思いっきり楽しみましょう。


「ヒーリングっど プリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション


関連キーワード

プリキュア | アニメ | 東映



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/08/news015.jpg パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  2. /nl/articles/2502/09/news024.jpg 海釣り中、黒猫に「ちょっと来い」と呼び出された釣り人 → 付いて行くと…… 運命のような保護から2年、飼い主に話を聞いた
  3. /nl/articles/2502/06/news012.jpg 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  4. /nl/articles/2502/08/news091.jpg 北海道の“雪のヤバさ”が伝わる写真に460万表示の反響 衝撃的な光景に「何かの冗談でしょ?」「見たことない景色」
  5. /nl/articles/2502/09/news006.jpg 1歳赤ちゃん、大好きなおばあちゃんがサプライズ登場すると…… 涙が出そうになる反応に「ひいいい!ヤバい」「最後しゃべってない?」
  6. /nl/articles/2502/09/news052.jpg 理容師に「53歳?」と聞かれた30代男性、思い切ってイメチェンしたら…… 「おじいちゃんからパパに」「めっちゃハンサム」と大好評の16万いいね
  7. /nl/articles/2502/09/news026.jpg スーパーで売れ残った瀕死のケガニを水槽に入れたら……翌日、まさかの展開 胸を打つ光景に「鳥肌立った」「泣きそう」
  8. /nl/articles/2502/09/news037.jpg 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」 投稿者に話を聞いた
  9. /nl/articles/2502/08/news018.jpg 92歳じいちゃんに、生後3カ月の赤ちゃん柴犬を会わせたら…… 家族みんな涙を流して大爆笑の展開に「どっちも可愛い」「いいなーww」
  10. /nl/articles/2502/09/news025.jpg 92歳おばあちゃん、朝食とその後をのぞくと…… 「すごすぎる」「度肝を抜かれました」日課に驚きの声
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議