【体験レポ】『ポケモンスナップ』に20年囚われた男が『New ポケモンスナップ』を先行プレイしたら何も信じられなくなった話
理想の新作でした。
『ポケモンスナップ』が帰ってくる。ポケモンを捕まえるのではなく、そのありのままの姿を写真に収めるゲーム。火山やら谷底やらに放り出され、苦労して撮影したベストショットに「おしぃのう〜」と難癖を付けられるまでがワンセットのあの名作に、20年越しの完全新作が誕生する。
正直なところ信じられません。ずっと新作を待っていたからこそ、いざ「出る」と言われても気持ちの準備ができないのです。プリントシールが欲しくてソフトを預けたあの日のように、私の心は今でもローソンのレジに囚われているのだから。新作発表の瞬間からずっと私たちは長い夢を見ているんじゃないか。いや、絶対にそうだ。だまされるな。みんな目を覚ましてくれ!!!
そんなことを朝から晩まで延々と言い続けていたら『New ポケモンスナップ』の先行体験会に参加することができました。
「誰かこいつを黙らせろ」「一回遊んで正気に戻れ」「お願いだから仕事して」。そんな周囲の優しさだったのですが……すみません、逆に夢であるという確信が強まってしまいました……。だってファンが望む新作として理想的すぎたんだもん。これが本当に発売されるなら大変なことですよ……。
ですが記事にしないわけにもいかないので、私がポケモン本社の会議室で見せられた白昼夢の内容をお届けしていきます。
ヒドイデがサニーゴを……! チャレンジングに描写されたポケモンたちの「野生」
今回の体験会では50分の時間制限内であれば好きなコースを何度でも自由に回ることができました。私が最初に選んだコースはサンゴ礁の「コピアリーフ」。なぜかを説明する前に、皆さん4月9日に公開された最新の幻覚(PV)は見ましたか? あれめちゃ良かったですよね。
語りたい内容は山ほどあるわけですが、私が一番「オイオイオイ買うわこいつ」となったのはヒドイデがサニーゴを追いかけまわすカット。これには元ネタがありまして、ヒドイデのポケモン図鑑には「サニーゴの頭に生えるサンゴが大好物」と記載されています。つまりこの追いかけっこは食物連鎖の「捕食-被食」の関係を表していると思うんです。
「New ポケモンスナップ」のコンセプトは野生に暮らすポケモンたちの生態を表現することと説明されています。ここからは想像ですが、そのための具体的な手法のひとつが“食事”なのかなと。コイキングをさらうピジョットとか、アリアドスの網にかかるアマカジとか、ギリギリの表現で「食うか食われるか」を描写しようという心意気がPVから伝わってきて、その挑戦に報いたい、ぜひとも撮影したいと思ったんですよね、これが最初に「コピアリーフ」を選んだ理由です。まあ全部夢の話なんですが。
あと、やっぱり写真のゲームだから「映え」も狙っていきたい。サンゴの海なんてキラキラしたポケモンがいっぱいいるに決まってるし、ファンシーかつビビッドな写真で記事を彩りたいじゃないですか。例えば……
画角を埋め尽くすホエルオーとか
バルクをキメるカイリキーとか
もはやポケモンですらないクソデカ渦潮とか
パワータイプの被写体しかいないのかここは。ホエルオーが口を開けた瞬間、Joy-Conが命の危険を知らせるかのようにガタガタ震えるのでめちゃめちゃビビります。何が「捕食シーンを撮りたい」だ。この世界で最も無力な生き物は人間だというのに……。
おのれの傲慢さを恥じ入るばかりですが、それでもやっぱりサニーゴとヒドイデは撮影したい。なぜなら『ポケットモンスター サン・ムーン』の図鑑説明文がめちゃめちゃ好きだから。オタクはフレーバーテキストの話をすると早口になる生き物であり、こういう細かいネタに気付いてしまったら言及せずにはいられないのです。哀れですね。
おやおや、向こうをむいちゃってまあ。こういう時はね、撮影用のアイテムを投げて誘導してやればいいんです。もしかしたらつられて別の個体もやってくるかもしれないな。使える“どうぐ”の種類は前作からだいぶ変わりましたが、私のようなやり込み経験者なら何をどう使えばポケモンを誘導できるか感覚で分かります。実家のような安心感ってやつですね。ま、楽勝ですよ。
行っちゃった……。前言撤回。ぜ〜んぜん無理でした。見向きもしねえでやんの。というわけで前作のプレイヤーも新鮮な気持ちで遊べます。それを伝えたかった。
せっかくなのでプレイヤーが使える“どうぐ”や機能を簡単に紹介しておきますね。例えば「ふわりんご」はポケモンを誘導したり、食事シーンを撮ったりできるアイテムです。
これを食べている様子も大変かわいいのでいろんなポケモンに投げてみましょう。試しにデデンネに与えてみましたが、食べ方が絶妙に卑しくてよかったです。こいつインターネットでウケようとしているな。
続いては「イルミナオーブ」。今作の舞台となるレンティル地方には、ポケモンが光を放つ“イルミナ現象”と呼ばれる現象があり、それを意図的に引き起こすアイテムです。発光中のポケモンは生命エネルギーが活性化し、普段とは異なる行動を見せることもあるそうですよ。大好きなポケモンが謎の光を放っているとそれだけでうれしいですよね。
他にもポケモンが反応する「メロディ」を奏でたり、隠れているポケモンを「サーチ」したりもできるようですが、撮影に夢中で説明を聞き逃したので後から電ファミの記事で確認しようと思います。
かがくのちからってすげー! 自由自在な撮り直し機能に歓喜
続いて訪れた「ミッケジャングル」は、うっそうと木々が生い茂り、ポケモンの全身をカメラに収めるにはコツが要りました。逆に木々の合間からこっそりのぞく写真も雰囲気があっていいですね。どのステージもそうですが、ポケモンが潜んでいそうな場所がたくさんあり、いろいろ試してみたくなります。
さて、ジャングルでもいろいろ写真を撮りましたが、私のベストショットはこちら。ウパーに泳ぎを教えるヌオーです。
シンプルにかわいい。間に挟まりたいですね。
そうそう。完全に今さらな説明ですが、プレイヤーの目的は“カガミ博士”の依頼によりポケモンの生態を調し、自分だけの「ポケモンフォト図鑑」を作り上げることです。撮影した写真はコース終了後に博士に評価してもらえるので、このヌオーもさぞ褒められるんだろうなあ……と期待したのですが、結果はまさかの星1つでした。学会を追放されてくれ。
……なんて憤るのは早合点でして、実は星の数は写真の良し悪しを表すものではなく、単にシチュエーションの“めずらしさ”を表す指標なのだそうです。どうやら同じポケモンでも4種類以上のシャッターチャンスが用意されているようで、「ポケモンフォト図鑑」には各ポケモンの「星1〜星4」の姿を個別に保存可能。つまり博士は写真の多様性をしっかり評価してくれる超良い人なのでした。「お前の研究費食いつぶしてやるからな」と無意味にいろいろ投げまくったことを反省しています。
そして、今回最も感動したポイントがこれからお話しする「エクストラ撮影」機能です。
博士の評価を受けた後には、アルバムに保存する作品を選定する時間が設けられているのですが、このときカメラアングルや画角を変えて“撮り直す”ことができます。つまり「もっとアップで撮りたかったな」「ポケモンが見切れちゃったな」といった細かい不満を心ゆくまで微調整し、ベストな形で残しておけるのです。これが本当にすごい。さすがに撮り直した写真を博士に見せ直すことはできませんが、このシリーズの醍醐味は他人の評価ではなく「自分自身がどれだけ良いと思える写真を残せるか」ですからね。私はそれをオーキド博士から教わりました。
心から堪能させていただきました。製品版を遊んでみたらまた別の評価になる可能性はありますが、少なくともファーストインプレッションは大満足。ちなみに登場するポケモンは「200種類以上」とのこと。自分の“推し”が出てこないのでは……とドキドキしてしまいそうな数ですが、そこは割り切ってもいいんじゃないでしょうか。私はこの短い時間でホエルオーやデデンネ、いきいきとした写真を撮らせてくれたポケモンたちが大好きになりました。そりゃ好きなポケモンの写真を撮れたら最高ですけど、このゲームは“興味のなかったポケモンの魅力に気付かせてくれる”、それだけの面白さがあると確信しています。
私はまだ夢だと疑っていますが……いや、これ以上は関わっている方々に失礼ですね。夢のような新作にただ拍手と感謝を贈りたい。『New ポケモンスナップ』は4月30日発売です。
(文・戸部マミヤ)
(C)2021 Pokémon. (C)1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.(C)1999 Nintendo/HAL Laboratory, Inc.Developed by BANDAI NAMCO Studios Inc.ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。※画面は開発中のものです。
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