意外に多い? 「人名」由来の列車名 海外では「トラヤヌス/トルストイ」、日本では「かいおう」「いさぶろう」「しんぺい」
「かいおう」どなたかかご存じですか?
「ひたち」「あずさ」「のぞみ」「サンダーバード」……。列車にはさまざまな愛称、列車名が付けられています。どれも列車の特徴と親しみを感じる、いい名前ですよね。
諸外国では「人名」が由来の列車も多いです。
ヨーロッパやロシアに「トラヤヌス号」(ブダペスト〜ブカレスト)、「イヴォ・アンドリッチ号」(ブダペスト〜ベオグラード)、「レフ・トルストイ号」(モスクワ〜ヘルシンキ)があります。
もっとも近年は「レーピン号」「シベリウス号」(サンクトペテルブルク〜ヘルシンキ)が高速列車「アレグロ」になったように人名の採用は減っている傾向もみられますが、“偉人”的に著名な作家や作曲者の人名が多い印象を受けます。
一方、日本の新幹線、特急列車の名前は、「ひかり」「こだま」「やまびこ」「はやぶさ」「つばめ」「とき」「さくら」「みずほ」など、スピード感や姿・自然の美しさを表現した「光・音」「花」「鳥」「風」「山」にちなんだ名前が多いです(関連記事)。
日本にも意外とある「人名」が由来の列車
「人名」の付いた特急列車も意外とあります。
2021年6月現在、定期特急列車では「かいおう」(直方〜博多)と「いさぶろう・しんぺい」(熊本〜吉松)があります。
また、名前は“お米名から”説と、“お米のあきたこまち→お米名の由来である秋田出身の小野小町(人名)説”、それぞれを唱える人がいますが、「こまち」(東京〜秋田)も今回は含めることにしましょう。
かいおうは大相撲の元大関「魁皇」(現浅香山親方)の四股名に由来します。魁皇関は福岡県直方市の出身で、地元で絶大な人気がある力士です。
存命中の人物(しかも登場時は現役の力士)が特急列車の列車名になることは珍しく、いかに魁皇関が地元に愛されているかがよく分かります。2021年7月現在、「かいおう」は朝ラッシュ時間帯と夜間に運行され、通勤特急としての役割を果たしています。
肥薩線を走る特急「いさぶろう・しんぺい」Photo by inunami
「いさぶろう・しんぺい」は肥薩線を走る気動車特急です。「いさぶろう」は人吉〜吉松間建設時の逓信大臣であった山縣伊三郎氏、「しんぺい」は初代内閣鉄道院総裁を務めた後藤新平氏、2人の鉄道系偉人に由来します。かつては全て普通列車でしたが、2017年に一部が特急列車に出世しました。
両列車とも目的地を速く結ぶというよりは観光特急といった感じ。特に人吉〜吉松間のループ線やスイッチバックはなかなかのものです。
「こまち」は言わずとしれた秋田新幹線の代表列車。1997年の秋田新幹線開業の際に公募で決められました。伊豆方面の特急「踊り子」とともに、女性をイメージさせる珍しい列車名です。JR東日本の新幹線の列車名は変化が激しいのですが、「こまち」はこれからも使われ続けるのではないでしょうか。
また、1999年〜2003年にはJR九州に日本近代医学の父・シーボルトが由来の特急「シーボルト」もありました。
そういえば海外に作家名が由来の列車があるならば、伊予鉄「坊ちゃん列車」を含めてもいいですかね。由来は夏目漱石の小説「坊ちゃん」から。こんな流れだともっとたくさんありそうだ……。人名が由来の「駅名」もいろいろありますがキリがなさそうなので、今回はひとまずここまでで。
皆さんが普段使う列車や駅も由来をあらためて調べてみると、面白くて興味が沸く事実を発見できるかもしれません。皆さんはどんな列車名が思い浮かびましたか?
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める
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