ボーイングでもエアバスでもない! 関空から超レアな「ロシア製旅客機」に乗ってみた

「おそロシア」なことはあるかな……! わくわく。

» 2021年08月28日 10時00分 公開
[新田浩之ねとらぼ]

 「旅客機の製造国といえば……?」と聞くと、多くの人は米国もしくはヨーロッパを連想すると思います。米国のボーイング、ヨーロッパ(EU4国)のエアバスなどですね。

photo ロシア製の航空機「SSJ-100」、関西空港にて

 しかし「ロシア製」の旅客機も、実はつい最近まで日本に乗り入れていたのです。

ロシア製の旅客機「SSJ-100」に乗ってみた 「おそロシア」なことはあるかな……!

 1991年以前、ソビエト連邦はイリューシン、ツポレフ、アントノフなどのメーカーが旅客機を数多く製造していました。日本でも「Tu154(ツポレフ154)」などが見られたものです。

 しかしソビエト連邦の崩壊により、ロシアの旅客機製造はすっかり下火になります。アエロフロート・ロシア航空をはじめとするロシアの航空会社も採用機はエアバスやボーイングに。近年ではロシア製の旅客機を見る機会はめっきり減りました。

photo 2016年に関空から「SSJ-100」でウラジオストクへ向かった

 それでは日本でロシア製旅客機が完全に見られなくなったかというと、意外ですがそうではありません。感染症の流行で渡航制限がなされる「つい最近」まで、日本の一部の空港でロシアの旅客機「SSJ-100(スホーイ・スーパージェット100)」が見られました。

 SSJ-100はソビエト連邦崩壊後に作られた旅客機で、初飛行は2008年です。一応ロシア製ですが、製造にはドイツやフランスも関わっています。

 筆者は2016年7月にロシアの航空会社であるヤクーツク航空のチャーター便で、念願だったSSJ-100に搭乗しました。搭乗区間は関西空港→ウラジオストク、ハバロフスク→関西空港です。

 機内は2+3の座席配列。国際線というよりは国内線のような雰囲気です。真っ青なシート以外は至ってシンプルなつくり。座席は少し狭く感じましたが、それなりに快適なフライトでした。もちろん、昔のソ連機のように座席がパタパタ前に倒れるといった珍事はありませんでした。

 関西空港を離陸して約2時間でウラジオストク空港に到着。ターミナルビルはものすごく近代的で、ライトアップが美しかったです。

photo SSJ-100の機内は至ってシンプルだった。2+3配列でブルーの座席、何だか新幹線みたい
photo ウラジオストク空港のターミナルは近代的

 翌々日にハバロフスクから関西空港へ戻りました。ロシア国旗が目立つのがアエロフロート・ロシア航空、「Pegas」と書かれているのはクラスノヤルスクを本拠地とするイカル航空です。

 何とか機体全体を撮影できたヤクーツク航空関西空港行きのSSJ-100にも感動……。聞き慣れない甲高いエンジン音も印象に残っています。

photo 日本では見られないイカル航空(手前)
photo 関空へ向かうSSJ-100の姿。意外とかっこいい。というか何かを期待していたのにちゃんと普通(w)

 2021年8月現在、SSJ-100を使う日本便は運航していませんが、感染症の流行が収まればヤクーツク航空が日本の諸都市への乗り入れを再開してくれることでしょう。機会があれば、ロシアの旅客機「SSJ-100」で極東ロシア旅行を楽しんではいかがでしょうか。

新田浩之(にったひろし)

1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める






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