開業57年の大変化(?) 東海道新幹線の“働く人”向け新車両「S Work車両」、早速乗って分かったこと月刊乗り鉄話題(2021年10月版)(2/3 ページ)

» 2021年10月14日 19時00分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]

【S Work車両のポイント 3】「つながりやすい」上位の車内Wi-Fiサービスを提供する

 最新型車両のN700Sで、既存のShinkansen_Free_Wi-Fiの上位サービスにあたるビジネスパーソン向けの車内Wi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」が始まります。

東海道新幹線 SWork車両 通信容量2倍、時間制限なしとなる上位の車内無料Wi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」(JR東海Webサイトより)

 S Wi-Fi for Bizは、Shinkansen_Free_Wi-Fi比で2倍の通信容量とし、「接続しやすくなる」「時間制限なし」「暗号化設定あり」となるサービスです。S Work車両の7号車および8号車(グリーン車)に導入されます。利用はもちろん無料、N700Sならば「ひかり」「こだま」の7号車、8号車でも利用できるようになります。

 「時間制限なし」はうれしいポイントです。Shinkansen_Free_Wi-Fiは「30分ごとに切断」となる制限がありました。多くの人が使えるようこの制限は理解できます。しかし、途中で切断されるのはPCをずっと使い続けるときやオンライン会議などに支障が出ます。仕事でネット通信が必要な人はとても便利になりそうです。

 そして、S Wi-Fi for Bizは「暗号化あり」で接続・通信できるようにもしました。Shinkansen_Free_Wi-Fiは使い始めが楽で多くの人が気軽に使えるようになっていますが、通信は暗号化されない設定です。会社の業務データなどをやりとりするには怖くて使えません。車内Wi-Fiサービスを仕事で使うならば「暗号化あり」は少なくとも必須の機能です。

東海道新幹線 SWork車両 S Wi-Fi for Biz利用時のスタート画面。専用コンテンツもある

 このほか、S Wi-Fi for Bizのポータルサイト(同Wi-Fiサービスに接続し、始めに表示されるページ)で、沿線のグルメやお土産情報が提供されるほか、NTTドコモの電子雑誌サービス「dマガジン」を利用できる特典があります。ひまつぶしにもよさそうですね。

東海道新幹線 SWork車両 試しにS Wi-Fi for Bizにつないで通信速度チェックをしてみた。明かり区間(トンネル以外の周囲が開けた区間/画面=左)よりトンネル区間の方が速い傾向だった。基地局までの距離と接続数の関係らしい

「S Work車両」の座席はネット予約でのみ受け付け

 S Work車両の席は、会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」か「スマートEX」でのみ申し込める大人1人専用座席です。駅や旅行会社の窓口では購入できないので注意しましょう。

東海道新幹線 SWork車両 2つの新幹線ネット予約サービス「スマートEX」と「エクスプレス予約」(JR東海Webサイトより)

 料金はのぞみの普通車指定席と同額です。ただし、購入にあたり早期予約割引などが適用されません。購入において「働きます」を証明する必要は特にありません。遊びに行く目的で乗るにしても、PCを使ったり、電話で連絡を取りたい人はS Work車両を指定してもよいでしょう。

 逆に、「新幹線の移動くらいはくつろぎたい、休みたい」という人は、S Work車両の7号車を避ければ今まで通りのマナー環境の中で過ごせることになります。

 ビジネスで東海道・山陽新幹線を使う人は、東海道・山陽新幹線のネット予約サービス「エクスプレス予約」か「スマートEX」の会員になっておく方がいいですね。参考までに、「エクスプレス予約」は年会費1100円で割引率は高め。東海道・山陽新幹線に乗る頻度が高い人向けです。一方の「スマートEX」は割引率は低めながら年会費無料です。

 今後「7号車狙い」で座席を予約する人も増えそうです。

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