元WGPライダー青木拓磨が解説 「初心者ライダーが転倒に至る」5つの理由(1/2 ページ)
初心者はもちろん、ベテランライダーも再確認すべきアドバイスです。
元WGPライダーで車いすレーサーの青木拓磨さんが10月7日、自身のYouTubeチャンネル「青木拓磨のモータースポーツチャンネル」を更新。「バイク初心者が転倒してしまう」5つの理由を解説しました。
1つ目は「オーバースピード(スピードの出し過ぎと過信)」。速度を出しすぎて曲がれない、ブラインドカーブや交差点の「その先」を予測できず自身の持つ運転技能を越えてしまうパターンです。
「曲がった先がさらにきつい複合コーナーだったとか、クルマが停止してたとか、障害物があるとか、落ち葉や白線で滑りやすくなっていたとか。過信せず、自身のコントロール下における速度までしっかり落とす、そしてその速度を落とすタイミングを意識するようにしましょう」。
2つ目は「立ちゴケ」。特に「斜面」で止まるときに注意です。「これはベテランでも侮れないです」。
一見平たんに思えても、路面がわだちで大きくうねっていることがあります。足を着くところだけ砂利だったり陥没していたりと路面状況が異なることもあります。「いつもは足が届くのに、空振り。あれ、足がつかない。あぁぁぁ」となってバランスを崩し、車体の重さを支えきれずに転んでしまうパターンです。
坂では「傾斜の山側に足を付く」ように心掛けるのがコツだそうです。なるほどー。
3つ目は「周りを見ていない」。後ろから追い抜こうとするクルマに気が付かずにバッと車線変更し、事故になったり姿勢を崩して転んでしまったりするパターン、ナビ画面に集中してしまったあまり気付いたら前でクルマが止まっていたといったパターンです。
「公道を走る皆さん全員にいえることです。必ず前、周りを見ることを常に意識して運転しましょう」。
4つ目は「ブレーキをMAXまで掛けられない」。近年のバイクはABS(アンチロックブレーキシステム)も標準搭載しますが、初心者に多いのは「(ABSが効くまで、バイクが最大限の制動力を発揮するまで)ブレーキをしっかり掛けられない」こと。結果として止まれずにぶつかったり、転んでしまったりするパターンです。
「ぜひ安全な場所で、ブレーキをしっかり掛けられる/最大の制動力を知る/制動距離を短くしていく練習をしてみてください。自分でやるのも限界があるので、ライディングスクールで学んでみるのもテクニック向上、安全運転意識向上の近道です」。
5つ目は「雨の日の走り方が分からない」。雨天走行は危険がたくさん、水滴で視界が遮られ、寒さや水濡れで集中力も落ちがち。濡れたマンホール、白線、高速道路のつなぎ目はツルッと滑ります。プロレーサーでも緊張する雨の公道走行。一番手っ取り早いのは「雨の日は走らない」です。
しかしどうしても乗って帰らなければならないときもあります。「“マンホール、白線、つなぎ目”、特にこの3つを注意し、これら危険カ所ではアクセル開けない、ブレーキ掛けない、車体は真っすぐ、“とにかく何もしない”状態で通過することを心掛けると転倒のリスクはグッと減ります」。
ファンからも「バイクの楽しさだけでなく、安全面も重要ですよね!」「レーサーからの話は貴重ですね」「すごく勉強になります」などのコメントが多く寄せられていました。初心者もリターンライダーもベテランも、ライダーの皆さんは動画をチェックして、どうか安全運転で!
(カナブンさん)
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