お湯・ラップ不要でレトルト温められる家電 一部でパウチ破裂の報告 メーカーに使用の注意点を聞いた

150グラム以下のレトルト食品はダイヤルを1/2より手前で設定するなど、過熱を防ぐ必要あり。

» 2021年11月05日 18時45分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 お湯もラップもなしでレトルト食品を温められるとして、SNSで反響を呼んだ家電「レトルト亭」。実物を手にした人から、調理中に破裂したという報告が寄せられ注目が集まっています。使用の際の注意点などについてメーカーに聞きました。

レトルト亭安全調理 話題の「レトルト亭」。問題なく使用できているという投稿も多いのですが……

 レトルト亭はポップアップ型トースターのような形で、レトルトパウチを内部の特殊な低温ヒーターで挟んで温める仕組みになっています。9月にクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売したところ、SNSで便利そうだと話題になり、2000万円を超える額を集めました。

 先行販売分は10月下旬から届き始め、Twitter上には「届きました」「うまく使えた」「楽だわ」などの投稿が寄せられました。その一方で少数ながら、レトルトパウチが「膨らんだ」「とけた」「爆発した」などの投稿も見られました。

 中でも注意目を集めたのが、SEO専門家、辻正浩(@tsuj)さんの「鈍い音とともにレトルト上部が弾けて周辺に飛び散ったカレーを眺めて呆然としてる」という投稿。

 当時の状況を尋ねると、パウチが膨張して上部の圧着部分が圧迫され、破裂したとのこと。その後、飛び散らないようラップで包んで再度試したところ、破裂はしなかったものの、調理器の中でパウチがふくらみ、5分ほど冷まさないと取り出せなかったといいます。なお辻さんは、トラブルはあったものの、同製品については「面白い視点の商品で便利」と前向きに評価し、今後も注意しながら使いたいと述べていました。

レトルト亭安全調理 破裂したレトルトパウチ(画像提供:辻さん)
レトルト亭安全調理 パウチ上部が大きく裂けています(画像提供:辻さん)

 こうした破裂や膨張がなぜ起きるのか、使用の際に注意するべきことは何か、企画・開発・販売したアピックスインターナショナルに聞きました。

ダイヤルの設定に注意

――レトルトパウチが「膨らんだ」「破裂した」「溶けた」などの問い合わせはありましたか。SNSの投稿は把握していましたか

アピックス 膨らんだというお問い合わせをいただいており、SNS上で話題になっていることも確認しております。

――原因は何ですか

アピックス 食品の相性、実際のレトルト食品の重さよりも多めの分量でのタイマー設定(例:120グラムのレトルトパウチを150グラム以上に対応の「小盛」に設定する)、製品の温度センサー誤差など、さまざまな要因について現在調査中です。

レトルト亭安全調理 さまざまなレトルト食品に対応する「レトルト亭」ですが、膨らみやすいものもあるようです

 原因を調べている中で、レトルト食品の重さに合わせた適正時間にセットしても、チーズカレーやキーマカレーなどの油分が多い食品は、パウチの膨張が起きやすいことが分かってきています。

――使う時にどんなことに気をつければいいでしょうか

アピックス 150グラム以下のレトルト食品は特に温度が上昇しやすいので、ダイヤルを1/2より手前で設定(75グラムなど極小タイプは1/3まで)してください。

レトルト亭安全調理 ダイヤル式のタイマー設定は「小盛」150グラム、「普通」200グラム、「大盛」300グラムが目安。レトルトパウチの分量によっては、「小盛」よりも前に設定する必要があります

――調理中に異常が起こったらどうすればいいですか

アピックス パウチが膨張した場合は、無理に引き出さず押さえバネが少し動くくらいしぼんでからの取り出しをお願いします。膨張して危険を感じる場合は、ダイヤルを強制的にOFFまで戻すか、コンセントを抜いてください。

 膨張が起きるレトルト食品の場合、適正時間より前でも食品は十分に温まりますので、適正時間手前にダイヤルを合わせて温めを行うこともご検討ください。

――メーカーとしてどのように対応しますか

アピックス 原因が判明次第、適正に対応するよう検討しています。また、パウチ膨張などにより、ご使用に不安がございましたら、ご連絡いただければ幸いです(問い合わせ先:アフターサービスセンター)。

レトルト亭安全調理 手間なく、無駄なくレトルト食品が食べられる調理器。不安なく使いたいですよね

過熱を避けて安全に使う

 レトルト食品の重さに適した時間にタイマーを設定し、食品によってはふくらみやすいので短めの時間に設定してみる。レトルトパウチがふくらんだ場合はダイヤル「OFF」かコンセントを抜いて加熱を止め、冷ましてから取り出す。今のところ、破裂などを避けるにはこのように使うのがよさそうです。もちろん、使用に不安を感じることがあれば問い合わせましょう。

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/28/news195.jpg 岡田紗佳、一連の騒動を生中継で謝罪 頭を深く下げ「申し訳ございませんでした」
  2. /nl/articles/2501/28/news155.jpg がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
  3. /nl/articles/2501/29/news045.jpg 新潟のお葬式で香典返しにもらった“謎の白い物体” パッケージにも情報なし「これなんだかわかりますか?」
  4. /nl/articles/2501/26/news053.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2501/29/news086.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
  6. /nl/articles/2501/28/news034.jpg 大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
  7. /nl/articles/2501/29/news058.jpg 「うちの祖父(81)わけてほしいわこのセンス……」 衝撃的な私服コーデに驚きの声「本物のイケジイ」「目標にします!!」
  8. /nl/articles/2501/29/news023.jpg 買ったばかりの家の風呂場に”ありえない欠陥” 信じられない状況に「そんなことある?」「取り付けた業者……」
  9. /nl/articles/2501/27/news073.jpg 「昔はモテた」と自慢げな父→娘は“絶対ウソやん”と思っていたけど…… 当時の姿に「ハハハ冗談だろ?」【海外】
  10. /nl/articles/2501/29/news122.jpg 正方形のスカーフ1枚→切ってゴムを縫い付けるだけで…… 魅力的な完成品に「デザインがきれい」「簡単に作れました」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」