“全年齢版”リリースから1年半、ようやく始まった「FANZA版ラストオリジン」の苦闘の歴史を振り返る:モバクソ畑でつかまえて
ここまで長かったなあ……。
去る2021年11月24日、Twitterであるキーワードがトレンド入りしました。それは「FANZA版」という謎のワード。Twitter特有の現象で「一体何のFANZA版なんだ」と話題になることでトレンド入りが継続していたのですが、果たして一体なんの話なのでしょうか。
そもそも「FANZA」とはDMMが運営しているアダルトポータルなのですが、今回はその中でも「FANZA GAMES」でリリースされた「ラストオリジンR(※リンク先18歳以上推奨)」が原因で大きな話題になっていたようです。全年齢版リリースから1年半という半端な時期に、なぜラストオリジンRのリリースがここまで大きな話題になったのか。ここまでの苦闘の歴史を振り返ってみたいとも思います。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
本当になんとかなるのか? → なりませんでした
人類が滅びた世界を舞台に、最後の生き残りであるプレイヤーが、さまざまな目的のために作られた美少女・美女バイオロイドとともに戦うというのが「ラストオリジン」の概要。
2020年に“全年齢版”が日本リリースされた際には「露出度が高い女性キャラよりもハードな世界観とストーリーに注目してほしい」と記事を書きましたが、そもそも先にリリースされていた韓国版の時点から“全年齢版”と“R18版”の2バージョンがあり、やはりキャラクターの露出度に期待していた人も多かったご様子でした。
なお、R版についてはDMMのゲームによくある“具体的な行為のシーンが追加される”などということはなく、純粋に露出度が上がるだけのものとなります。どれくらいの変化があったかについて比較画像を掲載したかったのですが、モザイクをかけても許してもらえない可能性が高く、掲載は見送らせていただくこととなりました。どこまで露出度が上がるかぜひその目で確かめていただければと思います。
リリース当時の記事では「DMMのR18版を待っている人が多いのでは」と書きましたが、まさか1年半待たされることになるとは思いませんでした。ですが、これだけの時間がかかってしまったのには大きな理由があるのです。
ラストオリジンが日本でリリースされたのは2020年6月。韓国のサービス開始は2019年1月。この時点で約1年半の差がありました。そして、韓国では2020年5月にVer2.0という大型アップデートが行われ、多くのシステムが変更されることとなりました。
ここで、日本語はVer1.0環境、韓国では2.0環境という2重のバージョンが存在することになります。そのせいかラストオリジンのメンテナンスはやたらと延長を繰り返し、不具合も多発しました。また、この上で「日本語版Ver2.0の開発」に加えて「ブラウザ版の作成」「DMMプラットフォームへのつなぎ込み」と問題が山積していました。これら全ての問題を解決するまでに予定をはるかに超過した期間が必要となったのです。当初発表されたスケジュールを見た当時でも「本当に半年で全部なんとかなるのか……?」と思っていましたが(当初は2021年上半期リリース予定だった)、なんとかならなかったわけですね。
メンテが伸びすぎてお知らせが「最後その2」とか言い出す
この間、いろいろなことがありました。新規に実装されたバイオロイドが製作から出現しないエラーが発生したのでそのバイオロイドを全員に配布したり、Ver2.0の実装が伸びに伸びた結果バレンタインのイベントが4月下旬まで開催されたり、「DMM版はまだか」という声に答えて公式で無規制版のapkファイルを落とせるようにしていたりもしました。
「新しいキャラが製造できない」というのは実質「○○ピックアップというガチャに○○が実装されていない」レベルの大問題なのですが、ラストオリジンはガチャそのものにお金をかけさせるのではなく、キャラの服を売ることでお金を稼ぐスタイルなのであまり大騒ぎにはなりませんでした。それ以外にも4月になっても延々とプレイできるバレンタインや、公式がR18版の野良アプリを配布、しかも年齢とメールアドレス必須と言いつつ実在のメルアドかどうかはチェックしていないなど、いろいろ危ない橋を渡ってきたなあと今となっては思います。
こんな苦難の果て、1周年をわずかに超えた5月28日にようやく日本語版もVer2.0になりました。この日のことはなかなか忘れられません。
8時52分に「9時からアップデートします!」と直前告知で始まったメンテナンスは延長に次ぐ延長を繰り返し、告知が「メンテナンス延長のお知らせ→メンテナンス追加延長のお知らせ×3→メンテナンス追加延長のお知らせ_最後→メンテナンス追加延長のお知らせ_最後その2」まで続いたのです。「最後その2」という悪あがき感があまりに面白く、当時爆笑しながら見ていたものでした。この大騒ぎを最後にVer2.0となったラストオリジン日本語版は大変安定しており、メンテ時間も短くなりました。
Ver2.0にはなってプレイ環境は落ち着いたものの、とはいえやはりDMM版のリリースは順調に遅れます。夏ごろにはという話だったのがやがて年内へと変更され、みんな微妙にしょんぼりしていました。
「ブラウザでプレイできるならその方がいいや」と思っていた人たちも、後々発表された「ブラウザ版の環境がメモリ16GBを要求する」という前代未聞の仕様に皆が戦々恐々とするなか、またしても突然「11月24日にDMM版をリリースします!」と発表がありました。結果的にVer2.0のときほどの大騒ぎはなかったのですが、事前にラストオリジンRのアプリをダウンロードしようとしたらなぜか「超昂大戦」が落ちてきたという人がいたり、ブラウザ版がメモリ16GBどころかCPUを100%食い尽くしたり、アプリは落とせても既存のアプリとのデータ連携のやり方がよく分からなかったりとバタバタしていたのは間違いありません。
ですが、そのバタバタ騒ぎでかえって話題になったのか、それともようやくのR18版到来に人が押し寄せたのか、ログインしようとすると長時間待たされるなど、次第にログインがしづらい状況に。11月24日時点でのゲーム開始ランキングではDMM GAMES、FANZA GAMES双方で1位になりました。公式Twitterのフォロワーが増えないと、プレイヤーだった虚淵玄氏が二次創作まで書いていた1年半前を思い出すと感涙にむせぶしかありません。
課金圧は低め、ものは試しに始めてみては
以上、ラスオリR18版リリースにまつわる来歴や大騒ぎの理由などなどをお送りしました。
今から始めると強力なキャラクターがバンバン配布されるので、初心者でも安心。課金については「エッチなキャラクターにもっとエッチな衣装を着せたい!」という人向けのものがほとんどのため、何なら無課金でずっとプレイすることも可能です。
プレイスタイルも周回編成が完成してしまえば寝ている間に放置周回が基本となるため、他のスマホゲームと並行するのに妨げになりません。メインでプレイしているコンテンツで時間を取られたり、ガチャに財布の中身を搾り取られたりしているあなた。そんなあなたのためのゲームがラストオリジンです。よろしければ、お試しに始めてみてはいかがでしょうか。
ゲーム本編の話はほとんどせずにオススメとな? となる方もいらっしゃるかもしれませんが、オススメできる理由についてはいい意味で変化はありません。当時に比べると細かいところが遊びやすくなってはいますし、攻略サイトもがんばって更新しています。ただ、攻略情報は韓国のサイトを直接参照できるのであればそれが一番正確なものとなるでしょう。当時から私イチオシのストーリーについても翻訳に磨きがかかって面白さは上昇する一方です。
24日当日はなかなかつながらなかったブラウザ版ですが、11月26日17時時点では問題なく起動、ログイン、アップデートファイルのダウンロードが可能となっています。「ブラウザゲームでアップデートファイルのダウンロード!?」と思われる方もいるかもしれません。私も驚いていますが、そういう仕様なのだと思われます。
もちろんアナウンス通り相当のメモリ量を要求してくるのは変わりませんが、CPU使用量についてはそれほど大きくありませんでした。参考までに、EdgeとChromeおよびAndroidエミュレーターであるBlueStacks5を利用した際のCPUとメモリ使用率を記載しておきます。環境はCore i5 11400Fにメモリ32GBです。メモリ使用量が多い分CPU使用率は控えめなブラウザ版、その逆にCPU使用率が高いがメモリ使用量は少ないエミュレーター、どちらを選ぶかはお好みで良いと思います。ただし、ブラウザ版は画面のサイズが大きくないため、バイオロイドたちの姿を堪能したいのであればAndroidエミュレーターをオススメしたいですね。
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