Switch移植が決定した「十三機兵防衛圏」について今から全人類にお薦めします:今日書きたいことはこれくらい(2/4 ページ)
「追想編」は2D視点のアドベンチャーモード。このモードで、プレイヤーは好きな主人公キャラクターを視点人物に選んで、キャラクターごとに異なったシナリオを体験していくことになります。舞台の中心になるのは1980年代の日本にある「咲良高等学校」なのですが、主人公キャラごとに開始年代は違いまして、ときにはキャラクター自身が別の時代にすっ飛ぶこともあり、さまざまな時系列、さまざまな場面での複合的な物語がプレイヤーの眼前で展開していきます。
キャラクターたちはそれぞれ別々の目的や物語を持っていて、他の主人公キャラクターとも相互に絡み合って、複雑なストーリーを少しずつプレイヤーに提示していってくれます。これがまた、ヴァニラウェア独特のかわいらしい、かつ妙に色気があるキャラクターたちが動きまわり、ときにはぶつかり、ときには和解し、ときには恋愛模様を展開して、味のあるセリフでお話を展開していってくれるんですよ。
画面はこんな感じです。まるで一枚絵のようなグラフィックの中でキャラクターたちがわちゃわちゃするのめちゃ好き。あと夕暮れの光の表現がすっごい。
このモードの一つの特徴が、「クラウドシンク」という仕組み。その時点で知っているキーワードについて思考したり、そのキーワードについて相手に尋ねたりするシステムなのですが、これの見せ方がまた非常にうまく、「何てことがない情報を組み合わせて、ふと奇妙な事実に気付く」といった場面では、本当にキャラクターの思考に引き込まれるようにゾクっとしてしまいます。
とはいえ、ストーリーを追って謎を解いていく面白さもさることながら、やはり特筆したいのは主人公キャラクターたちの日常シーンを追う楽しさ。女子高生たちがわいわいと仲良く買い食いしたり、友人の家に入り浸ってゲームをしたり、学校内で探偵ごっこをしたり、猫とたわむれながら好きな人にハンバーグを作ったりしている様子は、もうそれを見ているだけで十分楽しいと断言してしまっていいかと思います。
この「追想編」の序盤を遊ぶだけでも、このゲームを遊ぶ価値は十分あるといってしまってはばからないわけなのです。もうこのゲーム、序盤のイチャコラ雰囲気が楽しすぎて、ゲームを先に進めるのがもったいなくなってしまうくらいなんですよ。東雲さんほどじゃないけど、薬師寺さんも若干ヤンデレ入っててとてもかわいい。一生薬師寺さんにハンバーグ作ってもらいたい。
しかし、そんな日常イチャコラムードの中にも、どこかに漂う不穏な雰囲気。そう、もう一つ用意されているメインモードは、「崩壊編」。既に名前からして不穏ですよね。
「崩壊編」はシミュレーションバトル。このモードでは、プレイヤーは「機兵」を操って「怪獣」たちと戦闘を繰り広げることになります。ここでは、怪獣たちをどう撃退していくかといった戦術的な要素、こちらの拠点をどう守っていくかといったタワーディフェンス的な要素に加えて、機兵をパワーアップさせていく育成要素もあります。このモードも結構遊びがいがあるんですよ。
機兵には「近接格闘型」「バランス型」「遠距離型」「飛行型」といったタイプがあり、それぞれ使える武器も違えばとれる戦術も違います。
「同じキャラクターを使い続けるとパイロットに負荷がたまり、一定以上の負荷で出撃できなくなる」といったギミックや、特定のプレイヤーを使えばボーナスが入るといった仕組みもあり、必然的にプレイヤーは全ての機兵に触って、「状況に応じた使い分け」を迫られることになります。ここで、うまい具合に戦術を組み立てて怪獣たちを撃退していくのも楽しみの一つ。小型の怪獣をまとめて撃破したり、強力な装備で大物を撃破したりするとめちゃくちゃ気持ちいいです。
ステージによってはかなり厳しい戦いを強いられる場面もあり、一方兵装を強化して無双する楽しみもあり、このモードもかなり遊びがいがあるんですよ。新しく装備した兵装がうまく戦術にハマったときとか、軽く脳汁が出るような快感があります。
一方、この「崩壊編」の間ももちろんキャラクター同士の絡みや会話があります。追想編を進めるに従ってキャラクターへの理解も深まっていくので、それを頭に入れた上でのさまざまな会話や絡み合いにもニヤニヤしてしまう要素が満載。ああこいつら仲良さそうだなとか仲悪そうだなとか、追想編の展開をネタにしたセリフもちょくちょく出てくる一方、追想編で思い合っているキャラクターが相手を守ると特殊ボイスが発生したりもします。そういうの、野次馬根性で見ているだけでも面白い。
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