「国鉄色」って何色? 最近よく見かける「昭和な鉄道の車体色」の謎(2/2 ページ)
» 2021年12月21日 19時30分 公開
[新田浩之,ねとらぼ]
普通列車の国鉄色といえば「オレンジと緑色の湘南色」
当時の普通列車ももちろん国鉄色でした。特に有名な国鉄色は、「オレンジ色と緑色」の通称「湘南色」でしょうか。関西圏住みの筆者も子どものころ「かぼちゃ電車」と呼んで親しんでいました。
湘南色は1950年に登場した80系電車に採用されました。それまでの普通電車は茶色一色が一般的。それが、オレンジ色と緑色のあざやかで明るい2トーン塗装はインパクト抜群だったようです。
以降、湘南色は主に113系や115系をはじめとする、向かい合わせボックスシートのある直流型近郊電車の標準塗装として定着しました。
2トーンの湘南色の由来は、東海道線沿線のみかん畑をイメージして「みかん」と「みかんの葉」の色であるとする説もありますが、国鉄でD51形蒸気機関車を手掛け、後に“東海道新幹線生みの親"となる島秀雄氏の談話から、当時のアメリカの鉄道(グレート・ノーザン鉄道)の2トーン塗装を参考にしたとする説が有力です。
鉄道博物館や京都鉄道博物館に行くと「国鉄色」にまとった国鉄時代の車両も見られます。国鉄時代の車両が元気に活躍するローカル鉄道もまだいろいろあります。国鉄時代の鉄道を愛でるときはぜひ「国鉄色」にも注目してみてくださいね。
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める
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