あらがえない“もふもふ”の魅力 着て楽しむ人に薦めたい『日本のケモノ着ぐるみ工房カタログ』:司書みさきの同人誌レビューノート
23カ所の着ぐるみ工房を掲載。
年越しを間近に控え、いよいよ寒波や雪の知らせがあちこちから届くようになりました。寒さ厳しい季節、今回は目にも暖かいもふもふ着ぐるみの世界の同人誌です。
今回紹介する同人誌
『日本のケモノ着ぐるみ工房カタログ 2021年版』B5 36ページ 表紙・本文カラー
著者:ばけも
どこに依頼する? 着ぐるみ工房23カ所を掲載
こちらは自分でデザインした「ケモノ」を「着ぐるみ」にして楽しむ方向けの、発注先が掲載されたカタログです。ご自身も着ぐるみを楽しむ作者さんが、国内で着ぐるみを制作している工房の情報を集めて発行されました。23カ所の工房の連絡先、参考価格、納期、注文先に加えて、アピールコメントも掲載され、制作現場の状況や方針をうかがい知ることができます。それに加えて全ページフルカラーで、制作実例の写真を豊富に見ることもできるんです。
リアルっぽく? かわいくデフォルメ? 人とケモノの間にある「生き物」の融合の形を見る
ご本に掲載されているのは着ぐるみの中でも、動物のイメージのものばかりなので、全般的にもふもふふわふわの参考写真がたくさん! 目が大きく丸々としたシルエットや、青やピンクの毛皮の実際には見たことのないような架空の「ケモノ」たち、きりりと精悍(せいかん)な顔立ちで実際の動物に近いものなど、一口に着ぐるみと言っても随分と印象に差があることに、読んでいるうちに気付かされます。
工房さんによっても得意分野が違い、「リアルでかっこいい」「もちもちでかわいらしいキャラクター」など、それぞれの持ち味があるようです。さらに「イヌ科が得意」「狐、狼、たまに猫、ドラゴンなど」といった、動物着ぐるみを作成される独特のキーワードがあちこちに見られます。
掲載されているのは二足歩行の着ぐるみたちです。動物らしさを残しながらも架空の、しかし着ぐるみになることで自在に動いて触ることすらできる「生き物」でもあり……という不思議な存在。現実には居ないはずのかわいさ、精悍さ、愛らしさを3次元に具現化するさまざまな方向性が、一堂に会することで迫ってきます。
すてきさを現実にできる頼もしさを一冊に
同書はカタログなので、作る方からのコメントが掲載されており、発注側がどんなお気持ちで依頼されたのかは分かりません。しかし、制作例写真を見ていると、それぞれにポーズを決め、立ったり座ったり、室内で、屋外で……と、出来上がった作品を着てさまざまに過ごしていらっしゃるのですよ。その姿は生き生きとして見えます。「こんな造形すてきだな」と脳内で考えていた形をこの世に具現化させ、しかもその中に自分が入れるとは、なんとお楽しみがつまった世界なんだろうか! とはっとする思いでした。
制作についてのコメントにも「運搬は車推奨」と着る前後の事情や、階段昇降や可動域についても言及があり、着て楽しむ世界であることが、より肌身に迫ります。これが好き! の気持ちを突き詰めて脳内で練り、それを助ける工房さんとのタッグで、ただのファーの布がみごとに生々しさを感じさせる存在へとなっていくのを感じさせます。
私は自分の外側を包むお洋服に好きなデザインのものがぴったりとお店で見つかったとき、すごくうれしいです。すてきだなって思う形がもふもふの動物の形だったとき、それを実現できる手段を持った工房さんがこんなにあると知れたら、どんなにうれしく、心強いでしょうか。オーダーメイドで自分の外側を作れるとしたら。自由に実現する、好きな姿で自分を包む、その楽しさに思いをはせました。
今週の余談
着ぐるみは纏うものか、中に入るものか、中に人などいないのか……ポイントはきっとそれぞれに深みがあるところかと思いますが、それにしてもその見た目を整えられるところが「こんなにあるんだー!」というのはとても楽しいことのように思います。迷う楽しさってありますね。
みさき紹介文
図書館司書。公共図書館などを経て、現在は専門図書館に勤務。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
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イラストはかわいいけど中身はマジ。
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