モータースポーツの入口って意外と簡単! 鉄道ライターが「国内Aライセンス」取っちゃいました国内Aライセンスを取る方法(2/4 ページ)

» 2022年01月22日 10時00分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]

意外と簡単!! それならば「Aライ」も取っちゃおう!

 話のタネに国内Bライセンスを取りましたが、上位の「国内Aライセンス」も気になります。

 だって国内Bライセンスは、こんなに簡単に取れちゃうんですよ。知っている人が聞いたら自慢話にもならない。「あ、それB級ですね。ボクA級持ってます」って言われたら恥ずかしいかも。「なにイキってんだよ」ってなもんですよね。

 国内Aライセンスはさすがにオンライン講習(座学)だけでは取れません。Bライセンス所持者は「公認競技に参加した実績(1回以上出場し、完走する)」あるいは「公認サーキットごとに定められたスポーツ走行の経験が25分以上あり、公認サーキットからその証明を受けられること」と、国内Aライセンス講習会の受講、学科・実技試験の合格によって発給されます。

 公認競技に出た「実績」がまず必要なのですね。国内Bライセンスで参加できるJAF公認競技は次の通りです。

国内Bライセンスで参加できるJAF公認競技:JAF公認競技のラリーやスピード競技 ジムカーナ競技、ダートトライアル競技、サーキットトライアル競技、ヒルクライム競技、ドラッグレース、ラリークロス、オートクロス、ドリフト競技など(JAF Webサイトより)


 ラリーは1人じゃできませんし、ジムカーナはアレでしょ、広場みたいなところでグルグル複雑な周回をするやつか。ムリ。もう運転免許の仮免許コースだって覚えるの大変そうなんですよワタシ。いやー、どれも専門的で、競技への思い入れがないとできないなあ。かなり過酷な世界に見えます。

 この中で唯一参加できそうな部門は「サーキットトライアル」でしょうか。

 サーキットトライアルは、サーキットを規定時間内に周回して、周回タイムを争う競技です。参戦車両はマイカーでOK。つまり、自分のクルマを持ち込んで走れる。ワタシの目的は参加実績づくりですから、無理してトップを目指さなくても良いわけです。

 サーキットトライアルは鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、筑波サーキットなど国内多くのサーキットで定期的に開催しています。しかも「Aライセンス講習会付き」のプランもたくさん見つかります。えっ、国内Aライセンスもまとめて1日で取れちゃうのか。「サーキットトライアル 講習会 (走りたいサーキット名)」のキーワードを組み合わせて検索してみるとよいでしょう。

国内Aライセンス 取得 JAFって、クルマが故障したら助けてくれるところだと思っていましたが、これだけではありません。日本のモータースポーツを統括し、モータースポーツ用のライセンスを発行する国際公認機関なのです

 ライセンス講習会付きプランならば、講習受講と筆記試験と実技試験もいっぺんにできる! というわけで、早速オーガナイザー(講習会実施団体)のWebサイトで申し込みました。費用は受講料が2万円、教材費(副読本)が3850円、サーキットトライアル参加費が1万1000円。合わせて3万4850円でした。

 教材費は現地にて現金で支払う仕組み、受講料とサーキットトライアル参加費の合計3万1000円を振り込むと、郵送で正式受理書と当日のスケジュール表、サーキットトライアル特別規則書が届きます。

 特別規則書はJAFの規則のほかに、当日の運営に必要な規則が書かれています。サーキットで行う競技ですから、開催場所、協議役員、車両検査方法、計時、入賞順位の範囲なども記載されています。1位から6位までは表彰もあります。JAF公認レースですからね。

 また、判定への抗議方法、事故を起こしたときの損害は自己負担となること、他人のものを壊したときは加害者負担となることなどもきちんと記載されています。話のタネという気軽な思いは改め、身を引き締めます。

国内Aライセンス 取得 教材「モータースポーツハンドブック」。こちらはBライ受講時に購入したもの

 当日の服装は、「耐火炎性のレーシングスーツ着用」が望ましく、「4輪競技用でFIA(国際自動車連盟)の公認を得たヘルメットとレーシンググローブ」も要します。オーガナイザーによっては特別規則書で「長袖、長ズボン、運動靴」「2輪用のヘルメット」「指先などが出ないグローブ(軍手では不可)」でよい競技会もあります。JAFの競技規則では「下着」まで指定されていますが、いきなり全てそろえるとなると大変な金額になります。この辺は多くの人が参加しやすいように特別規則で緩くしているようです。詳しくはオーガナイザーに確認しましょう。

 ヘルメットとグローブはレンタルも可能でしたが、感染予防の観点から、また自分が汗かきで申し訳ないという意味でも、今回はレンタルではなく購入することにしました。

国内Aライセンス 取得 4輪競技用のヘルメット、買っちゃいました

 4輪競技用のFIA公認ヘルメットやレーシンググローブってどこで売っているのでしょう。近所の自動車用品店にはありませんでした。クルマ好きは多くても4輪競技人口は少ないですからね。また、ヘルメットはちゃんとサイズを合わせるべきものですから、試着・サイズ確認なしの通販は難しいです。国内のヘルメット大手「アライヘルメット」のWebサイトを確認すると、バイク用品店における「アライ・テクニカルプロショップ公認店」ならば置いてあることがあるようです。

 アライ・テクニカルプロショップ公認店である大手バイク用品店に行ってみたところ、わずかですが4輪競技用ヘルメットの在庫がありました。しかしワタシの頭に合うサイズは、他の店舗にもメーカーにも在庫なしとのことで残念。でも、合うサイズが分かったので通販で購入できました。4輪競技用ヘルメットは5万8000円、レーシンググローブは最も安価だったのを選び9000円、合計6万7000円でした。

 講習会参加費などを含めて国内Aライは10万円コースになりました。話のタネにしては値が張りました(笑)。やっぱり、何かレースに参加してみようかな……。

国内Aライセンス 取得 (参考)ソニックレーシングが富士スピードウェイで開催する「Aライセンス講習会」

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