「硬券きっぷ」いまだ現役 なぜ岳南電車は「きっぷを買って電車に乗る」だけで昭和タイムスリップできるのか(1/2 ページ)

今も変わらず、きっぷを買って日付を「ガッチャン」。

» 2022年01月27日 19時30分 公開
[大泉勝彦ねとらぼ]

 きっぷを入手して、電車に乗る。それだけで楽しい──。静岡県富士市を走るローカル私鉄・岳南電車の公式Twitterアカウント(@GakunanEtrain)が、今なお残る硬券きっぷを通じた懐かしさ満載の動画を公開しました。

岳南電車 硬券 普段鉄道に乗る上で見る機会がほとんどなくなった「硬券」のきっぷ。岳南電車ではまだ現役(岳南電車Twitterより、以下同)
岳南電車 硬券 岳南電車 硬券 岳南電車 硬券 岳南電車 硬券 岳南電車 硬券

 岳南電車は、名の通り富士山(岳)の南側を走る延長約9.2キロのローカル線です。「全ての駅から富士山が見える特徴」(関連記事)や、「工場地帯を進む異世界感・エヴァ感ありまくりの車窓」(関連記事)で人気があります。

 映像製作は、全国各地の鉄道を主題にノスタルジーや歴史、鉄道と鉄道員への深い愛情を表現する鉄道動画でおなじみの鉄道ビデオグラファー、特急ぬめり(@NumeriExpress)さん。今回も懐かしさと珍しさが入り交じる不思議な感覚で「思わず行きたく」なってしまいます。

 岳南電車もう1つの異世界体験、それは「きっぷ」です。

 岳南電車の有人駅窓口で今なお販売されているきっぷは「硬券」タイプ。昔はあたり前のものでした。時代が進んで自動券売機で買うきっぷやプリペイドカードになり、今はICカードでピッになり、もう“実体”のない電子チケット化まで進んでいるのは皆さんもご存じの通りです。

 そんな絶滅危惧種である硬券きっぷの世界へ疑似タイムトラベルしてみましょう。料金を支払うと、硬券に日付を刻印するための機械「ダッチングマシン」(関連記事)でガチャンと刻印し、料金を支払い列車に乗れる証となる「きっぷ」を入手できます。

 ……RPGで先に進むための重要アイテムゲットだ! みたいですが、あたり前に存在するので現代人がもはや忘れている「きっぷ(切符)」本来の意味をハッと改めて思い出させてくれます。

岳南電車 硬券 硬券を取り出して……
岳南電車 硬券 「ガチャン!」ダッチングマシンで日付を刻印することできっぷになる

 きっぷを手に、これも文字通りの物理的な「発車ベル」の音色を背に乗車。発車ベルが鳴り止み、駅員さんと運転士さんがハンドサインで合図する様子を見てから出発進行──。人によっては懐かしく、またある人にとっては未体験の「きっぷを入手して電車に乗る」。ここはそんな鉄道の原体験を味わえるところなのです。あぁぁ、ほんといい世界だ……!

岳南電車 硬券 もちろん(?)自動改札はありません
岳南電車 硬券 岳南電車ではかつて京王井の頭線で使われていた古い車両が活躍

 ネットでも「レトロで味がある」「きっぷホルダーと日付刻印機がまだ現役だなんて」といった声が多く寄せられ、昔を思い出し懐かしむ人、知らない“昔”を体験したくなった人が続出していました。



       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/05/news022.jpg 「クレオパトラみたい」と言われ傷ついた55歳女性→カット&パーマで大変身! 「本当にびっくり」「素敵なマダムに」
  2. /nl/articles/2410/05/news040.jpg 伝説の不倫ドラマ「金曜日の妻たちへ」放送から41年、キャストの現在→75歳近影が「とても見えません」と話題
  3. /nl/articles/2410/02/news116.jpg 余りがちなクリアファイル、“じゃないほう”の使い方で食器棚がまさかのスッキリ 「目からウロコ」「思いつかなかった!」と反響
  4. /nl/articles/2410/05/news023.jpg 七五三で刀を持っていた少年→20年後には…… “まさかの進化”に「好きなもの突き進んでかっこいい!」
  5. /nl/articles/2410/05/news018.jpg 野良猫が窓越しに「保護してください」と圧をかけ続け…… ひしひし感じる強い意志と表情に「かわいすぎるw」「視線がすごい」
  6. /nl/articles/2410/05/news012.jpg 「あのお客さんに幸あれっ!」 小銭の出し方が完璧な“神客”にレジ店員感激 会計がスムーズになる配慮が参考になる
  7. /nl/articles/2410/04/news048.jpg 「こういうの好き」 割れたコップの破片を並べたら…… “まさかの発想”で息を飲むアート作品に 「すごいセンス良い」「前向きな考え」
  8. /nl/articles/2410/04/news040.jpg 50代女性「モンチッチみたいにしてほしい」→美容師がプロのワザを見せ…… 別人級の変身に「めっちゃお洒落」「すごい!」
  9. /nl/articles/2410/04/news025.jpg 「これが免許証の写真???」 コスプレイヤーが公開した“信じられない”免許証が話題 コスプレ姿との比較に「両方とも可愛いすぎる」
  10. /nl/articles/2410/05/news032.jpg 大型犬が18年間、ドアを開け続けた結果……そうはならんやろな驚きの末路に「どうしたらこんな風になるのよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声