「おいしそうにご飯を食べる」「敵と一緒にごちそうさま」 デリシャスパーティプリキュアが子育て世代にも支持される理由サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

» 2022年02月24日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]
前のページへ 1|2       

「まずい」を使わない

 本作では怪盗ブンドル団にレシピッピを奪われてしまった料理は、周りが紫色になり「おいしくなさそう」な見た目となってしまいます。

 しかし、「デリシャスパーティプリキュア」では決して「まずい」「おいしくない」という表現は使いません。「味が変わった」と表現されます。

 悪意があるなしにかかわらず、「まずい」という言葉を子どもたちがまねしてしまうのを避けるためだと思われます。

 誰かの作ってくれた料理に対し「まずい」という言葉を使ってはいけない、ということをプリキュアが教えてくれるのは良いですよね。

デリシャスパーティプリキュア 料理に宿る妖精「レシピッピ」を奪うブンドル団の1人、ジェントルー(画像はYouTubeから)

農林水産省も反応

 そんな「食」を大プッシュするデリシャスパーティプリキュア。これには農林水産省も反応しました。

 放送開始前に、農林水産省の公式Twitterで「これはもう推さない理由が見つからないッッ!!」とプリキュアを推すつぶやきを投稿。

え、次のプリキュアって「ごはん」がモチーフなんですか!?
これはもう推さない理由が見つからないッッ!!
日曜朝の早起き継続決定です!!!
ごはんは笑顔…真理だ…

 第1話放送の翌日には、農林水産省の公式YouTubeでプリキュアを熱く語る動画まで公開したのです。

 農林水産省の広報室長から「プリキュアに関連した国産米のPRが出来ないか」と提案があったことや、「日曜日の朝は国産米を食べてデリシャスマイルしましょう」などのワードが飛び出します(お米だけでなくパンや麺にも気を遣う姿勢はさすがです)。

デリシャスパーティプリキュア 画像はYouTubeから

外食の機会が少なくなったここ数年。
そんな時代だからこそ、家でご飯を選んで、作って食べることの尊さをプリキュアは伝えているのではないか?
農林水産省広報室 白石さん(YouTubeから)

子ども向けアニメーションの持つ力

 昨今のプリキュアシリーズでは、女性差別やジェンダー、家父長制など社会的問題を暗示的に取り上げることも多々ありました。

 もちろん、こういったマクロ的視点の社会問題も大事なのですが、今作では子どもにも身近な「ごはん」を通してミクロ的な個々人に根差した「人を思いやる気持ち」を描いていくものと思われます。

 本作の「ごはんは笑顔」は、ただ食べるだけでなく、ごはんを作ること、シェアすること、誰かと一緒に食卓を囲むことも含まれているものと思われます。

デリシャスパーティプリキュア クィア的、ノンバイナリー的なキャラが注目されるローズマリーさん(画像はYouTubeから)

 子どもたちにとってアニメーションの力は強いのです。

 「ごはんは笑顔」という言葉だけではまだ理解が難しい年齢の子どもたちにとって、

「プリキュアがおいしそうにご飯を食べている」
「敵と一緒に笑顔でごちそうさまでした! を言う」

 アニメの映像としてこれらが表現されるだけでも、子どもたちへの食への説得力は計り知れないものがあるのです。

 「ごはんは笑顔」を子どもたちに伝えるのに、まずプリキュアがおいしそうにご飯を食べる姿を描く。これこそが子ども向けアニメーションが果たす1つの役割なのではないかと思います。

 「食」をテーマにする以上、「家族間の孤食」や「食物アレルギー」などデリケートな問題もあるかと思います。しかし、「食育」という側面からもプリキュアという子ども向けコンテンツが果たせる役割も大きいものと思われます。

 今、プリキュアがおいしそうにご飯を食べる姿が、子どもたちに勇気を与え、そして子どもの食に悩む「子育て世代」にも大きな力となっているのです。

デリシャスパーティプリキュア

 「デリシャスパーティプリキュア」は、プリキュアシリーズでは初のAmazon Prime Video、NETFLIX、dアニメストアほか各種見放題配信サービスでも見逃し配信中です。

「デリシャスパーティプリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション

関連キーワード

プリキュア | アニメ | 東映


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/06/news042.jpg ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
  2. /nl/articles/2501/06/news014.jpg 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら……3年半後、目を疑う結果に大反響 2024年に読まれた植物、家庭菜園記事トップ5
  3. /nl/articles/2501/05/news001.jpg 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
  4. /nl/articles/2501/06/news043.jpg 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. /nl/articles/2501/06/news090.jpg 【編み物】10年前祖母が教えてくれた編み物、まさかの作品を生み出して…… 二度見必至の完成品に「信じられない」
  6. /nl/articles/2501/05/news006.jpg 目からウロコな“ビニール袋のたたみ方”が100万再生 超便利な“裏技”に「こっちの方が絶対いい」
  7. /nl/articles/2501/05/news033.jpg 「昔はモテた」と話す母→全然信じていない息子だったが…… 当時の“異彩を放つ姿”に驚き「わぁ!」「とても魅力的」【海外】
  8. /nl/articles/2412/27/news137.jpg 男性に「きみの友だちを紹介してよ」と言われてきた女性、40キロの減量に成功し…… 人生激変した姿が120万再生「自信がついてさらに輝いている!」【独】
  9. /nl/articles/2501/06/news046.jpg 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
  10. /nl/articles/2501/05/news015.jpg 【編み物】白と黒の毛糸をひたすら編んでいくと…… “あの人気キャラ”の完成に「あなたは魔法使いですか?」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  2. 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  3. 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
  4. 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
  5. チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  6. 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  7. 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  8. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  9. 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  10. 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」