「警察官になる道も考えた」榎木淳弥が振り返る青春時代 空の美しさ魅せる劇場アニメ「ブルーサーマル」インタビュー(1/2 ページ)
「こんなにまぶしい青春を経験していなかった」と榎木さん。
グライダーに青春をかける“体育会航空部”の活動を描いた劇場アニメ映画「ブルーサーマル」が3月4日に公開。エンジンなしの航空機で大学生が大空を舞台に繰り広げる青春ドラマとなっています。
同作は2015年〜2018年まで、『月刊コミック@バンチ』(新潮社)で連載された小沢かなさんの漫画『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』が原作で、体育会航空部へ参加することになった主人公“つるたま”こと都留たまきがグライダーと出会い才能を開花させていくストーリー。全くの初心者つるたまを導くのは頼れる主将の倉持潤。そして最初は犬猿の仲だったものの、徐々に絆を深めていく1学年上の先輩・空知大介もからんだ甘酸っぱい三角関係も見どころとなっています。
ねとらぼでは空知役を演じた声優の榎木淳弥さんにインタビュー。自身の大学時代や、つるたま、倉持、空知らの関係への見解を聞いてみました。
「警察官になる道も考えた」 榎木淳弥の学生時代
―― まず、榎木さんが「青春」と聞いたときに頭に浮かぶものって何ですか?
榎木淳弥(以下、榎木) 青春ですか……。(悩んで)何でしょうね、やりたいことをやれるように頑張る時期。とにかくイキイキとしていて、新鮮な気持ちでいっぱいなもの、かな。
―― ちなみに公式サイトのコメントでは、榎木さん自身は「こんなにまぶしい青春を経験していなかった」と振り返っていますね。
榎木 そうですね(笑)。大学時代は剣道部に入っていたんですけど、声優の養成所に通うため3年のときにやめてしまったので濃い思い出とはあまり結び付きませんね。友人の家に泊まってレポートを書くとか、そういうのをよくやっていました。
―― 学生あるあるだ! 当時から声優を目指していたんですね。空知にも部活と、パイロットになりたいという将来をてんびんにかけるような描写がありますが、自身の経験と重なる部分はありましたか?
榎木 僕は空知のように本気で部活をやっていたわけではないです。グライダーとパイロットって共通点があるみたいに部活でやっていたことを職業にするとしたら、剣道って警察官になるパターンが多いんです。その道を考えたことはありますけどそこまでして続けていく気持ちはなかったので、僕より空知の方が全然立派(笑)。やりたいことが明確に分かっている。当時の僕はそこまで見えていませんでしたから。
憧れの先輩役で出演する島崎信長は「同じ気持ちを持った仲間」
―― 空知とヒロインつるたまにとって憧れの先輩、倉持役を演じているのは島崎信長さん(崎はたつさき)です。榎木さんとは同い年ですが、声優としては島崎さんが先輩ですね。
榎木 そうですね。でもあまり先輩、後輩という感じはないんです。同い年で気の合う友達みたい。気兼ねなく接せられるというか全く遠慮せずに話せる対等な関係で、倉持みたいな憧れの先輩とかではなく同じ気持ちを持った仲間だと思っています。
―― すてきな関係です。もし榎木さんがつるたまの立場だとしたら、倉持と空知のどちらを選ぶでしょうか?
榎木 倉持じゃないですか、やっぱり(即答)。すごい才能があって紳士的、ちょっと人を食ったような部分もありますけど、基本的には優しいし倉持でしょう。
―― 迷いが一切ない! 空知に見込みはないんでしょうか。
榎木 空知が倉持に勝てる部分はないんじゃないですかね(笑)。強いて言えば素直なところかな?
―― 年上から見ると、空知の素直さはかわいく見えます……。
榎木 年上から見たらそうかも。でも後輩のつるたま目線だと、ねぇ?(笑)
「少人数でも一緒に収録できてよかった」 ヒロイン役・堀田真由との共演で感じた幸せ
―― ヒロインのつるたまを堀田真由さんが演じています。声優初挑戦のキャストでしたが、共演された印象はいかがでしたか?
榎木 映像作品がメインだからか声優の芝居をされない方。自分も声優ですし、普段は同業とばかり芝居をしているのでちょっと違う雰囲気を持つ人と一緒にやれる経験は新鮮でした。
アニメーションに必要な滑舌の良さのような技術を堀田さんは最初からお持ちで、すぐに順応されていた。単純に「すごいな〜」と思いました(笑)。アドバイスを求められたときは自分なりの経験を少し話しましたけど、そもそも僕は芝居にいいも悪いもないと思っています。本人なりにやればいいんじゃないと。自分からは何も言うべきことはないと思っていたので、そっと見ていました。
―― つるたまと空知が言い合う場面をとても楽しく見させていただきました。お2人の関係というか、相性の良さは感じましたか?
榎木 そうですね、言い合いのシーンは一緒に収録できたので、言葉を1つ返すたびにお互いのテンションが上がっていく感覚がありました。最近は複数での収録が難しい状況が多いので、少人数でも一緒に収録できてよかったと一番強く感じるシーンでした。
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