ババアと呼ばれ傷付く時期はもう過ぎた アラフィフ新人アイドル「GoziU」に話を聞いたらめちゃくちゃタメになった(2/2 ページ)
実はバブルを知らない世代 駄じゃれ先行形プロデューサー
デビューシングル「どうぞご自遊に」は遊び心に満ち、バブルの残り香を感じる大胆で力強い楽曲。まさにアラフィフアイドルだからこそ歌いこなせるナンバーといえますが、意外にもメンバーはバブルの恩恵にはあずかっていないといいます。
ーー デビュー曲「どうぞご自遊に」は歌詞も過激で、10代や20代のアイドルには歌いこなせない内容となっています。皆さんはバブル世代ではないとのことですが、実体験が反映されたものなんでしょうか?
Kyoko ジェンダーレスの方が私たちとよくコミュニケーションをとって歌詞を書いてくださった、おばちゃんの気持ちも、男性の気持ちも若い方の気持ちも表現されています。私たちの意見でもあるけど、その方から見たGoziU像も込められている内容ですね。
ーー クラファンも成功したことで、セカンドシングルを早々に準備中とのことですが、こちらはどんな内容になっているんでしょうか?
プロデューサー 「メタババース」です!
ーー また駄じゃれだ!
ぴろりん Twitterのスペースという音声交流機能ができて「フォロワーさんを増やしましょう」という部屋で話していたら、やたら「メタバース、メタバース」と言う人がいたんです。日本語で“仮想空間”と言えばいいんじゃないかと思うんですが、何回もメタバースメタバースっていうから「じゃあ次の曲はメタババースにしましょう」って。
ぴろりん タイトルが決まってから歌ができていくんです。「GoziUだから、じゃあ『どうぞご自遊に』でいいじゃないですか」ってそうなりました。
まだメタバースが何か知らない方も多いと思うんですけど、2022年末ごろになれば多くの方が耳にするワードだと踏んで、「メタババース」をこのタイミングで持ってきました。
ーー なるほど、最先端ですね。アラフィフといえばインターネット第一世代でしょうか?
ぴろりん いや、商業科とか工業科に進んだ人じゃないとパソコンを使っていない年代です。何とか20年前にインターネットはできるようになりましたけど。
Kyoko 学生時代にはなかった。携帯電話も、私の世代で持っていたのは自分が最初くらいで、友人は持っていなかったなぁ。
おみつ これよ(とショルダーバッグっぽいものを肩にかけ、受話器を耳にあてる動き)。最初に持った携帯なんてこんな大きくて、アンテナも伸びるやつ。しもしも〜って。
Miyuki ブロックみたいな。こんなのはやるのって思ってた。高かったよね、30万くらいした。
Kyoko そういうのが大好きで、そういうのが分かるアラフィフだと思います!
ぴろりん 分からないことがあったら分かる人を呼んで、こんこんと教えてもらうんです、納得するまで。
Kyoko 分かったふりするのもよくないのよのね、おばさんは。
ーー 一方でMiyukiさん以外はレコーディングはほぼ初体験。苦労はありましたか?
もものり 音符すら読めないので本当に大変で、スタッフを泣かせています。
Kyoko Clubhouseで知り合った20代の若い才能あるスタッフが曲を作ってくれて。レコーディングでは彼の意向に添えないもどかしさが……。頭では分かってるんです、年齢はいってるので! でも「色っぽく」「少し憂えた感じ」と指示の意味は理解できても、表現できないジレンマがあり、情けないなと思いながらやっています。
これからのGoziU
GoziUは現体制でセカンドシングル「メタババース」のレコーディングを進める一方で、「メンバーが少なくなっちゃったので、あと4人くらいメンバーを増やしてにぎやかにやりたい」と同曲を課題にした追加メンバーオーディションを予定しています。
ーー 追加メンバーにはどんな方を望みますか?
おみつ “覚悟”の2文字ですね。
ぴろりん ちゃんと腹をくくってきてほしい、それだけです。結局覚悟が一番大事になってくるんじゃないかな。
Kyoko 自分の価値観を前面に打ち出し「自分のためにアイドルをやりたい」というよりは、自分たちの活動を通じて誰かが笑顔になってくれることに価値を見いだせる方がいい。自分のブランディングを崩したくない方だと寂しくなっちゃうので、私たちが頑張ることで誰かが笑ってくれることを喜んでくれる方が良いな。その覚悟が今の5人はある。
魅力的で明るくて、あとは人に元気を与えるんだからご自身も元気じゃなきゃダメ。それ以外は自称アラフィフでも結構ですし、大きくても太っていても痩せていても色黒でも、日本の方じゃなくても。
ぴろりん 意思疎通ができればね。
Miyuki そうですね、じゃあ「元気で覚悟が決まった人」ですね。
ーー 今後活動を続けていく中で、目標やライバルはいますか?
ぴろりん ライバルは自分自身。どこか別のグループがライバルだというのならどこに!? 日本にはいないんじゃないですかね、たぶん。
Miyuki 私たちが先駆けというか、私たちがオリジナル。ライバルはいませんね。
Kyoko 私たち自身にその感覚は全くないけど、「純烈」の女性版みたいだとする表現はよく見聞きしますね。
いくつになっても何を始めるにも遅くないと思っているので、そのメッセージが伝われば良い。高齢者の方が喜んでくださるのはわれわれなのかなって。
ぴろりん マドンナっていくつくらいでしたっけ? 60代? グループではないですけど、マドンナを目標にいこうかな。
ーー GoziUに勝ちたいとあとから続いてほしいということですかね?
ぴろりん そう願います、本当に!
ーー 10年後、アラ還のころの皆さんはどうなっていると思いますか?
ぴろりん いまと変わらないと思います。
Kyoko このままアイドルをやっているかは分からないですけど、私たちの実験の結果が出てどうにか社会が変わって「女のくせに、おばさんのくせに働いてるの」と言われることが少しずつ変わっていてほしい。
「結婚しているのになぜスカートをはくの?」「胸が開いた服なんて着てみっともない」とかね。私たちの世代では赤い服を着るだけでも夫に許可を求める人もいる。そんなくだらないことがなくなればいい。小さいことでも変わっていたら面白いな。私たちは結婚や子育てをてんびんにかけてきちゃったけど、全部楽しんでやればいいんですよ!
ぴろりん いいとこ取りをすればいい。ただし人生はずっと楽しいわけじゃないし、やるべきことはやらなくてはいけない。優先順位を決めれば簡単です。母親をしなければいけない時期があれば子育てが一番で、仕事や旦那さん、友人を2番にすればいい。他は新しい出会いも望めるけど、子どもは換えが利かないから。仕事や家庭の両立に悩む女性には、やるべきことをちゃんとやったその後に、また楽しくできますよと伝えたい。
Miyuki 子育てが終わっても楽しいことはあるんだよってね。10年後もまあ元気でしょう。人の希望となるようなおばさんになって先を走っていきたい。「あんなに楽しく生きられるなら、私たちも年を取るのも怖くないね」って若い人たちに思ってもらえれば。
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