「ちーがーう!」「あんたじゃ伝わらない」 脳腫瘍の母と娘がすれ違い……在宅介護の過酷さと家族の温かさを描いた漫画に涙(1/3 ページ)
投稿には労いの声が多数寄せられています。
脳腫瘍の母を在宅介護の後にみとった20代女性が、家族のエピソードを漫画に描いてInstagramに投稿し話題になっています。コメント欄には「我が家も同じような境遇です」「在宅介護、おつかれ様でした」といった声が寄せられました。
この漫画を描いたのは、「会社員デザイナー」のキクチ(kkc_ayn)さん。脳腫瘍で余命宣告を受けたキクチさんの母は、数カ月入院生活を送っていました。しかし、コロナ禍で面会がままならないこともあり、キクチさんと父はセカンドオピニオンに相談の上、在宅介護に切り替えることに。1人暮らしをしていたキクチさんは荷物をまとめて実家に戻り、父と一緒に24時間体制で介護をすることになります。
介護生活中は、介護福祉士やケアプランナー、訪問してくれる介護士や医師、看護師など多くの人の力を借りたといいます。この日は初めての訪問入浴の日。母親は部屋に設置したバスタブでゆず湯に入れてもらいました。
入院中はほとんど風呂に入れず、身体を拭いてもらうばかりだったという母は「気持ちいい」「本当に幸せ」と喜んでいたそうです。その様子を見たキクチさんは、「お母さんがうれしいこと、楽しいことをいっぱいしてあげたい」と考え、父にある提案をしました。
父も「同じことを考えていた」と注文済だったのが、大型テレビです。キクチさんは早速届いたテレビを寝たきりの母の介護ベッドの横に設置して、動画配信サービスの設定をしました。これでいつでも母が好きな番組を見ることができます。母はテレビを見て「すごぉい、おおきいね」とぽつり。見たい映画を口にするなど喜んでくれました。
しかし、母の部屋へ行く楽しみが増えても、介護の過酷さは変わりません。特にキクチさんや父が寝入っている夜間に母からの呼び出しを受けての対応には、大変な思いをしていたといいます。
この日も、キクチさんが布団でまどろんでいるときに母の部屋から呼び出し音が鳴りました。様子を見に行くと、真冬にもかかわらず「氷食べたい」という母。しかも家にある氷ではなく、コンビニのクラッシュアイスがいいというのです。
深夜なのでコンビニに行くのはやめて、家にある氷を小さく砕いて母のもとへ持って行くも、一瞥した母は「これじゃない」と拒絶します。
母からの「透明なコップがいい」というリクエストに応え、ガラスのコップに氷を入れ直したキクチさん。しかし、それも母に「ちーがーう!」といわれてしまいました。
母がかたくなにキクチさんの氷を受け取らなかった驚きの理由や、精神的に落ち込んでしまったキクチさんが取った行動、母から娘へかけられたあたたかい言葉など、気になる続きはキクチさんのInstagramで読むことができます。
キクチさんは、この「20代、親を看取る。」以外にもさまざまな作品をInstagramやTwitter(@kkc_ayn)へ投稿。母を在宅介護することになったいきさつや、自身の難聴、子宮内膜症についての漫画も発表しています。
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