「エルヴィスって誰?」 プレスリーを知らない若者にムーラン・ルージュ監督最新作が刺さる理由 バズ・ラーマン来日インタビュー(1/2 ページ)
パンデミック以降、フランチャイズ映画ばかりだったハリウッドに一石を投じる。
20世紀のアメリカ音楽を代表するシンガー、エルヴィス・プレスリーの生涯を描く映画「エルヴィス」が7月1日から公開されています。
監督を務めたのは「ロミオ+ジュリエット」「ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン。若手俳優のオースティン・バトラーを起用しこれまでの作品同様、きらびやかな映像と音楽で1人の若者が大人気スターになるまでを描く一方、1950年代に彼を発掘してから1977年に死去するまで生涯プレスリーの側でらつ腕を振るったマネジャー、トム・パーカー大佐の存在をはじめとした陰の部分にスポットライトを当てています。
バズが映画作品を監督するのは2013年公開の「華麗なるギャツビー」以来、約10年ぶり。公開直前の来日中に話を聞きました。
「エルヴィスって誰?」 SNS時代の若者も共感できる半世紀前のスター
プレスリーの伝説は多く、ギネスが認めた最も売れたソロアーティストで、たった1日で2000万枚のレコードを売り上げ、総売り上げは6億枚といまだに数々の世界記録を保持。しかし死去からおよそ半世紀がたち「エルヴィスって誰?」という若者も少なくない中で、「プレスリーは若い世代の多くが共感できる存在」とバズは強調します。
―― エルヴィス・プレスリーの死から45年。彼の死後に生まれた世代を取り込むための策は?
バズ・ラーマン(以下、バズ) 正直に言えば、アメリカでは30代の観客は興味を示さなかったし、20代の女性は「エルヴィスって誰?」状態。それでも今週末(編集部注:6月26日付)の観客動員ランキングでは「トップガン マーヴェリック」を抜いてトップになった。みんなエルヴィスに興味がなくても、オースティンを見に来たんだろうね。
これまでオースティン・バトラーは知る人ぞ知る存在だったけれど、映画が公開されれば一気に状況が変わって有名になる。今週末にはNo.1になって『GQ』誌のカバーも飾った。普通ならもっと時間がかかるところだけど、ものすごいスピードでスターへの階段を駆け上がっている。
オースティンが今後の変化へ備えられるよう、レオナルド・ディカプリオの手を借りたんだ。まだ若いディカプリオを起用して映画を作ったとき(編集部注:「ロミオ+ジュリエット」)の彼はまだ、巨大な鉄製の船が氷山に激突する映画で有名になる前。彼はその後一気に名をはせた、いわば経験者だからね。リアルタイムで「こんなことが起きるぞ」とオースティンに教えてくれている。今回ロンドンでのプレミアで、初めて女の子の黄色い声を浴びたんだって。
―― まさにエルヴィス本人のようですね。監督ご自身は2019年からずっとInstagramに生前のエルヴィスの姿を投稿していますが「Elvis Monday」と呼ぶ一連の投稿の手応えは感じましたか?
バズ 2019年以来、SNSで拡散を続けてきたのはフランチャイズ映画でなくても成功できると示したかったから。アメリカではパンデミック以来、過去のヒット作品へ連なるフランチャイズ映画しか成功していないんだ。どれも素晴らしい作品だったけれど、バットマン、スパイダーマンとおなじみのキャラクターが並び、トム・クルーズでさえ続編だ。
結果として今週末のトップを記録したけれど、ライバルにはトムの映画はもちろん、ホラー映画「ブラック・フォン」に「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」「バズ・ライトイヤー」と手ごわいライバルが大勢いた。それでもトップを取れたのは、作戦が功を奏したということだろう。
思うに、若い人の大多数が、エルヴィスのことは“白いジャンプスーツの男”としか認識していない。でも実際の彼が反逆児で、世の中に不満を持っていたことは若い世代に共感を呼ぶポイントだ。TikTokといったSNSのおかげで一夜にして無名から有名になれるのが現代。だからか急に人気が出たスターの転落劇に、若い世代は興味があるように感じるよ。
―― 主演オースティン・バトラーも、彼らと同じくエルヴィス没後に生まれた若い世代です。エルヴィスについてどう説明しましたか?
バズ オーディションへやってきたときにはもうエルヴィスのことをかなり研究してきていたね。何が重要かと言えば、エルヴィスは“史上初のティーンアイドル”だったということだ。エルヴィス以前、10代に人気のアーティストは存在しなかった。1950年になって、10代がお金を持つようになった。彼らはアルバムやグッズといったアーティストにお金をかけることができた最初の世代だったんだ。
オースティンはエルヴィスと同じ年齢で母親を亡くしていて、そのことに運命的なつながりを感じていたようだった。ある日、母をまた亡くすという悪夢を見てそれから動画を送ってきてくれた。それはオーディションではなく、ただ歌を歌っている場面を撮影したものだったんだけど、僕にはすぐに彼はエルヴィスと同じ感性や完成やピュアな魂を持っていると感じられたんだ。
―― 監督にも運命的なものが感じられたんですね。
バズ 普通ではなかった。これまでのキャスティングとは全く違ったものになったよ。オースティンは最初から練習を重ねてきて役になりきっていたから、予期せぬ事態にどう対処するかテストをすることになったんだ。あんな早い段階でそこまでできる役者は他にいないよ。
同時に年老いたエルヴィスや、カラテムーブをどうこなすか知る必要もあったし、若いエルヴィスの歌声はオースティン自身のものだからスクリーンテストでは歌声を聞きたかった。
関連記事
- ニコール・キッドマン、ネットで酷評された“54歳の女子高生”スタイルの真相を語る 「何考えてたんだろう?」
「いまの自分を受け入れて」と猛反発を受けていました。 - 水沢アリー、“ハリウッドスター”のレオナルド・ディカプリオ邸で起きた珍事件を告白 「とんでもない事が起きた」
ビッグネームすぎる。 - 「懐かしい写真がたくさん」 広田レオナ、「タイタニック」撮影後のレオナルド・ディカプリオとの2ショット公開
映画「タイタニック」の撮影後に来日していたレオ様。 - ナオミ・キャンベル、50歳で初めてママに 過去には「科学のおかげで、なりたいと思ったときにママになれる」と発言
現在まで未婚。 - パリス・ヒルトン、40歳の誕生日に4度目の婚約発表 「彼ほどずっと一緒にいたいと思える人なんていない」
ついにゴールイン? - レオ様&デ・ニーロと共演……? 新型コロナ対策チャリティーにセレブがナイスアイデアで支援
スコセッシ監督の最新作にエキストラ出演できたり、レオ様たちと一緒に1日過ごしたりできるだと……! - ブラッド・ピットとジェニファー・アニストン、SAG賞で待望の2ショット 笑顔で手を取り合う様子に「もう一度カップルに」の声も
一時は険悪な仲と報じられていた2人、15年の時を経て。 - 「友人でヒーロー」 シュワちゃん、レオ様に続きグレタ・トゥンベリとの2ショット公開
エンターテインメント界では年上の男性からたくさんのエールを受けているグレタ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
-
川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
-
中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
-
大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
-
「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
-
猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
-
なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
-
大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
-
「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
-
「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた