「今という時間がいかに尊いものなのか」 「バズ・ライトイヤー」が伝えたい“今を生きる”メッセージ 監督&プロデューサーインタビュー
日本公開より一足先に公開された米国ではソックスが大人気に。
バズ・ライトイヤーの原点を描くディズニー&ピクサー最新作「バズ・ライトイヤー」が7月1日に公開されました。
ディズニー&ピクサーとしては「2分の1の魔法」(2020年日本公開)以来、2年ぶりの劇場公開となる「バズ・ライトイヤー」。「トイ・ストーリー」シリーズで描かれてきたおもちゃとしてのバズではなく、本物の“スペース・レンジャー”として活躍するバズ・ライトイヤーが同作の主人公です。
ストーリー
優秀なスペース・レンジャーとして活躍していたバズでしたが、ある致命的なミスで1200人もの乗組員とともに危険な惑星に不時着します。地球へ乗組員たちを帰還させるミッション完遂のために危険なハイパー航行に何度もチャレンジしますが、どれも失敗。ハイパー航行中の時間経過は、惑星で過ごす数年分にも相当するため、バズは62年の時間を失い、大切な親友も失います。強い責任感から他人を頼れず、深い孤独を味わうバズの“人間味”あふれる姿が描かれます。
長年、多くの人に親しまれてきたバズの映画らしく、SFやアクションの要素をふんだんに盛り込みつつ、困難に直面する“人間のバズ”として成長する新しい発見も用意している同作。バズの頼れる親友・アリーシャやウッディよろしく相棒となる猫型の友達ロボット・ソックスや、新たな仲間・イジーなど個性豊かなキャラクターが周りを固めます。
米国では、6月17日からすでに上映しており、公開週末興行収入は5100万ドル(約69億円)で、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」に迫るスタートダッシュを切っています。
日本でも、6月17日、6月24日の2週にわたって「トイ・ストーリー3」「トイ・ストーリー4」が金曜ロードショーで放送され、劇場公開へ向け盛り上がりが加速。一方、作中に含まれている同性カップルの描写を巡り、中東とアジアの14カ国が上映を許可しなかった報道がされると、多くの人が議論を交わすなど、多方面から注目を集めている作品でもあります。
そんな同作の日本公開を目前に、これまで「トイ・ストーリー」シリーズに携わり、ピクサー入社当時からバズ誕生の物語へ思いをはせていたという監督のアンガス・マクレーンと、プロデューサーのギャリン・サスマンにインタビューを実施。一足先に公開された米国での反響についてや「サブキャラクターを主人公にする作業は挑戦だった」と語る、バズというキャラクターの描き方などについて話を聞きました。
ソックスの人気ぶりに監督「ほらな(笑)」
――ディズニー&ピクサーとしては「2分の1の魔法(原題:Onward)」以来の劇場公開となりました。日本公開はこれからですが、現在の「バズ・ライトイヤー」のスタートダッシュをどのように受け止めていますか?
アンガス・マクレーン監督(以下、マクレーン監督) コロナ禍で観客と映画を見ることができなかったですよね。スタッフとも打ち上げ会があったときに初めて皆で見ることができましたし、ワールドプレミアもできました。皆さんがすごく楽しんでくださっているのが伝わってすごくうれしいです。
――海外の反応を見ていると、中でも猫型の友達ロボット、ソックスの反響が大きいと思います。この熱狂ぶりは想定内でしたか?
マクレーン監督 そうですね、ある程度は分かっていたかな。
ギャリン・サスマンプロデューサー(以下、サスマンプロデューサー) でも、ここまで盛り上がるとは思っていませんでした(笑)。
マクレーン監督 ソックスがいると緊張感のあるシーンでも笑いをとれますし、雰囲気が和らぐので皆さんに愛されるキャラクターになるだろうとは思っていました。私自身もソックスが一番好きなキャラクターです。
フィルムメーカーであるピーター・ソーンが声優を務めていますが、公開前に「めちゃくちゃ人気が出ると思うよ」と伝えたところ、本人は「そう? そんなことないんじゃない?」と言っていましたね。「ほらな」という感じです(笑)。
――バズもこれだけ人気があるキャラクターですし、再構築するのは、かなりハードルが高い作業だったと思います。そのプロセスの中で一番大事にしたことはありますか?
マクレーン監督 サイドキャラクターを主人公にすることは挑戦でした。主人公にするにあたって、もう少し賢く、重層的で、いろんな感情を表現しなければいけませんでした。
バズが登場するこれまでの作品を通して共通していることは、周りが思う現実とバズが思う現実が同一ではない、周りが言っていることとバズが現実だと言っていることが違っているということ。「トイ・ストーリー」では、自分はおもちゃではなく、スペース・レンジャーだと言っているのと全く一緒で、その状況を「バズ・ライトイヤー」にも持ち込まなければいけませんでした。
そこで、時間です。バズは、他の人たちと時間の経過が違う。他の人と見ている現実が違うということは、バズの今までの物語の資質を保っていると思います。
――バズは、自分のミスに執着し、ハイパー航行で62年もの時間と大切な人を失いました。過失への執着から乗り越えるためには、時間がかかる、あるいは大きな犠牲が伴うというようなメッセージも込められているのでしょうか?
サスマンプロデューサー おっしゃっていることもありますが、人間は過去の思い出にひきずられ、今この瞬間という時間を生きていないということがありがちなんじゃないかと思います。バズも過去に犯した間違いをずるずると引きずり、未来にゴールを決め、そのことに夢中になってしまいます。
今という時間がいかに尊いものなのか、今周りにいる人たちを大切にして、感謝の気持ちを持つことの大切さを伝えたいと思いました。
バズの今後の冒険は続く? エンディングの意図とは
――お2人は、「トイ・ストーリー」シリーズにも携わっていらっしゃいましたし、十分バズを熟知されていると思います。制作期間だけで5年6カ月かかったとお伺いしましたが、バズと向き合った期間を経て、どういう人物だと認識していますか?
マクレーン監督 義務というものに取り付かれている。何に変えても仕事を完遂しなければいけないと思っている人物だと思います。それはバズにとって究極のゴールがミッションの完遂だから。
サスマンプロデューサー ヒーローとは斯くあるべしという概念を教え込まれた人物でもあります。何か問題があれば、自分1人でなんとかしなければいけないと思い込んでしまっている。そうではないということをバズは学んでいきます。
バズが敬愛しているリーダーの1人で旧友のアリーシャは、いろんな人と一緒に自分も歩んでいくリーダーシップをとるキャラクターです。バズもそんなアリーシャの側面を敬愛していますし、自分もそうあるべきだと学んでいかなければいけないストーリーになっています。
――エンディングは今後を期待させるようなオープンなものでした。今後、バズ・ライトイヤーとしての冒険は続いていくのかどうか、構想があれば教えてください。
マクレーン監督 オープンな形のエンディングにするというのは最初から意図的でした。視覚的には、オープニングと呼応するような構図になっています。バズの今後の冒険については、やってみるのは楽しそうですね。でも今は何も考えられないです、この作品を完成させたばっかりで疲れちゃってるから(笑)
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