「ロード・オブ・ザ・リング」有色人種起用に差別的攻撃 イライジャ・ウッドらホビット俳優が「どんな人種も歓迎」Tシャツでニッコリ

映画版ではほとんどが白人俳優だった。

» 2022年09月08日 14時55分 公開
[城川まちねねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 9月2日からAmazon Prime Videoで配信開始されている、J・R・R・トールキン原作『指輪物語』のドラマ「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」。エルフやドワーフなどの種族に有色人種が起用されたことで、ネット上には差別的なコメントが見られるようになりました。それを受けて9月7日(現地時間)、“元祖ホビット”の俳優たちが差別を真っ向からシャットダウンする「どんな人種も歓迎」Tシャツと帽子を着用し、SNSに投稿しています。

「ロード・オブ・ザ・リング」の俳優らが人種差別的なコメントに抗議 左からドミニク・モナハン、イライジャ・ウッド、ビリー・ボイド(画像はビリー・ボイドのInstagramから)

 今回、差別的なコメントから俳優たちを守るべく立ちあがったのは、2001年から順次公開され大ヒットした映画版「ロード・オブ・ザ・リング」3部作でホビットを演じた面々。

 まず主人公フロド・バギンズを演じた米俳優イライジャ・ウッド、“ピピン”ことペレグリン・トゥックを演じた英出身俳優ビリー・ボイド、“メリー”ことメリアドク・ブランディバックを演じた英俳優ドミニク・モナハンが、「どんな人種も歓迎」とエルフ語で書かれたロゴといろいろな肌色をしたエルフの耳が描かれたTシャツを着用した3ショットをそれぞれのSNSに投稿。

 3人に続いて、フロドの忠実な従者であるサム役の米俳優ショーン・アスティンも、同じデザインの帽子を被り、当該画像をやはりSNSに公開しています。

「ロード・オブ・ザ・リング」の俳優らが人種差別的なコメントに抗議 サム役のショーン・アスティンも(画像はビリー・ボイドのInstagramから)

 なお、このTシャツは同作に対する差別的コメントに辟易したTikTokerのドン・マーシャルが制作したもので、Tシャツと帽子以外にもさまざまなアパレル用品が制作/販売されています

 また、同作の公式アカウントも一切の人種差別を許容しないとする声明を発信。SNSにテキスト画像を投稿し、差別やハラスメント、有色人種のキャストらへの暴言に反対し、連帯して立ち向かうと明言しています。

 同作公式は、「トールキンは定義上、多文化世界を創造しました。その世界で、異なった人種、文化の自由な人々が、悪の力を打ち負かすため共に力を合わせており、『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』はそれを反映しています。私たちの世界は白一色ではない。ファンタジーも白一色ではない。中つ国だって白一色ではありません。マイノリティ文化は中つ国にあるし、そこに留まっています」と、原作者トールキンの創造した指輪物語の世界には多様な人種や文化が存在していると指摘。

 さらに「ファンダムに存在するだけで攻撃されている」という有色人種のファンにもメッセージを送っており、「あなたたちのコスプレ、動画、ファンアート、洞察力がこのコミュニティをより豊かにし、私たちの目的を思い出させてくれます」と深い感謝と親愛の意を示しました。

 映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作ではほとんどのキャストが白人で構成されていたのに対し、同作では多くの種族に有色人種の俳優を配役。そのことを「作品世界を壊した」「本物ではない」と解釈する人が存在しており、有色人種である俳優たちの多くが人種差別的で悪質なコメントに晒されていると告白。

 同作でエルフを演じる最初の有色人種となるアロンディア役のイスマエル・クルス・コルドバは、米Esquire誌とのインタビューで、SNSのDMで2年前からほぼ毎日「純粋で悪質なヘイトスピーチ」を受け取っていると明かしていました。

「ロード・オブ・ザ・リング」の俳優らが人種差別的なコメントに抗議 初のエルフを演じる有色人種となるコルドバ(画像はイスマエル・クルス・コルドバのInstagramから)

 また初の女性ドワーフ役として抜てきされ、ディザを演じるソフィア・ノムヴェテは米ニュースサイトThe Daily Beastとのインタビューで「有色人種は存在します。ですから、ファンタジーの世界に有色人種は存在しない、できるわけがないというのはまったくもって狂気の沙汰ではないでしょうか」と答えていました。

 なお一部の人は、原典に「エルフの肌は白かった」という描写があったと主張しており、記述の有無や原文の解釈を巡っての論争が目下繰り広げられています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」