共演声優からも過去に「いろいろな役ができる」 飯豊まりえ、「夏へのトンネル、さよならの出口」 ヒロイン役で抱いた“望み”とは(2/2 ページ)

» 2022年09月09日 17時00分 公開
[斉藤賢弘ねとらぼ]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

大物声優が演技を称賛

―― 普段は俳優として身体を使った演技をされていますが、「夏へのトンネル」のように声を使った演技だからこその難しさはありましたか?

飯豊 ドラマではせりふがなくても、表情や目の動かし方で感情を伝えられます。でも、アニメだともう声しかない

 朗読劇「私の頭の中の消しゴム」(2018年)で梶裕貴さんと共演したとき、その演技にすごく揺さぶられて自然に涙が出たり、感情が動いたりしたんです。声の抑揚もナチュラルについてて、言葉がすうっと耳に入ってきましたし。

 声優さんの“心に汗をかける感覚”が本当すごいなって。私が普段ドラマなどでやっているアプローチと全然違ったんです。そうした点も面白いと思いますし、何よりアニメは演じる側の外見の先入観がない分、思い切って演じられるのがいいですね。

 アニメにしかできないアクションや表情を演じていくのがすてきで。これからも声優を続けていきたいと感じています。

―― インタビューの最初で「声優への憧れ」を語っていましたが、それは子どものころからなのでしょうか?

飯豊 そうです! ディズニーもジブリも全部見ているぐらい好きでしたし、小学生のときは学校から帰ったらお友達と遊ぶよりもテレビを見る方が好きでさまざまなアニメを見ていたんです。

 ただ、自分が声で演じる世界に入れるとは夢のまた夢っていうか、できるとは到底思っていなかったです。ただ、好きなことなので演じる機会があったら挑戦してみたいと昔から感じていました。

―― 声で演じることを本格的に意識したのはいつからですか?

飯豊 初めてアフレコしたのが「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)という戦隊ドラマだったんですけど、「アフレコ本当うまいね!」っていつも褒められていたんです。

 そのときの経験もあって、「アフレコは得意な方なんだ……」と思っていたんですけど、「劇場版シティーハンター」(2019年)に出たとき、共演者の山寺宏一さんがすごく評価してくださって。

 あれほどいろいろな声を演じてきたプロの声優さんが「いろいろな役ができるよ」って。そういう繊細な「寄せる」「寄り添う」ことが意外と得意なのかなと感じるようになったから、これからも積み重ねていきたいって思っています。

―― 今回得た経験で今後生かしたいものは?

飯豊 高校生の子を今回初めて演じましたが、以前は「ポケットモンスター」のキャラやちょっと年上の女性キャラ、さらには海外俳優の声を吹き替えるお仕事も経験させていただいて。

 でも、自分の得意な部分がまだわからない状態なので、とにかくさまざまなものに挑戦してみたいと感じています。

一番の理解者は「両親」

―― あんずも塔野も作中でままならない状況におかれますが、飯豊さんは壁にぶつかった経験はありますか?

飯豊 あります!

 とある映画に出演したとき、監督が求めるものに応えることができなくて、演じることがちょっと怖くなってしまったことがありました。

 その後にコメディードラマへ出演した際、演技に対して「楽しい」って気持ちがよみがえったんです。人のご縁で救われたことがありました!

―― その意味では、「夏へのトンネル」のヒロイン役もひとつの“出会い”ですね。

飯豊 自分の主演アニメってそう経験できるものではないと思うのでひとつの夢がかないました。もう本当にありがたかったし、この出会いも確かに幸運でした。

―― 「夏へのトンネル」では、主人公2人とも周囲の環境に圧迫されて息苦しい思いをしていました。誰しもおかれた環境に思うところがあると思いますが、飯豊さんはそういったものを変えたいと感じたことは?

飯豊 自分の周りの環境を変えるきっかけとしては、芸能界のオーディションを受けたことです。

 もともと苦手というわけではなかったですが、人と話すことをもっと楽しめるようになったと思います。それまで接していた小学校や、地元の周りの人たちとは違う、いろいろな方と初めて出会う機会があったので、非常に豊かな時間だったんじゃないかなって。

―― あんずと塔野は“共同戦線”を張る中で、お互いの良き理解者へと関係が変化したように感じます。飯豊さんにとっての一番の理解者について聞かせていただけますか?

飯豊 両親の存在は大きいです。子どものころからずっと、私の作品を最初に見てくれているので。送り迎えなどもそうですけど、そういった日常面ではかなり協力してもらっていました。

―― 今でも仕事のお話などしますか?

飯豊 しますよ。「次はこういう役をやるんだ」という話はもちろんのこと、「こういう役をやってほしいな」って言われたときに覚えておいて、ぴったりの仕事が来たときにチャレンジしたり、選んだりしたきっかけになったこともあります。

 作品に主演したり、両親の知っている人と共演させていただく機会があったりするときも連絡を受けましたし、東京ガールズコレクションや舞台も見にきてくれるので、私がお仕事している姿を結構目にしてくれているんじゃないかなと思います。

―― すてきな関係ですね。“欲しいものがなんでも手に入る”ウラシマトンネルがもし存在するとしたら、何を一番に望みますか?

「夏へのトンネル、さよならの出口」に登場する「ウラシマトンネル」
「夏へのトンネル、さよならの出口」に登場する「ウラシマトンネル」 物語で重要な場所となる「ウラシマトンネル」

飯豊 「もし芸能界という世界に入ってなかったら、どういう人生を歩んでるんだろう」っていうのはシンプルに気になります。

 もう一つのパラレルワールドみたいな人生を最初から最後まで見てみたいです。

―― そこでは、どんな人生だったらいいなと感じますか?

飯豊 今とは全く違う体験をしてみたいです!

 自分でもそんな姿が想像がつかないですが、一つのことを極める職人さんになってみたいです。

「夏へのトンネル。さよならの出口」で主演声優を務めた飯豊まりえ

(C)2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会

公開情報

・「夏へのトンネル、さよならの出口」

監督・脚本:田口智久

キャラクターデザイン・総作画監督:矢吹智美

原作:八目 迷『夏へのトンネル、さよならの出口』(小学館「ガガガ文庫」刊) 

キャラクター原案・原作イラスト:くっか

出演:鈴鹿央士(塔野カオル)、飯豊まりえ(花城あんず)、畠中祐(加賀翔平)、小宮有紗(川崎小春)、

照井春佳(浜本先生)、小山力也(カオルの父)、小林星蘭(塔野カレン)

主題歌・挿入歌:eill

制作:CLAP

「夏へのトンネル、さよならの出口」メインビジュアル

プレゼントキャンペーンのお知らせ(※応募は終了しています)

ねとらぼエンタの公式Twitterをフォローし、本記事を告知するツイートをRTしてくださった方の中から抽選で1名に飯豊まりえさんの直筆サイン入りチェキをプレゼントするキャンペーンを実施します。リプライでの感想もお待ちしています!

Twitterキャンペーン応募方法

(1)ねとらぼエンタ公式Twitterアカウント(@itm_nlabenta)をフォロー

(2)本記事の告知ツイートをRTで応募完了

注意事項

  • 締切期限は9月16日正午
  • 当選者には編集部よりDMにてご連絡いたします。DMが開放されていない場合には当選無効となりますのでご注意ください
  • いただいた個人情報はプレゼントの発送のみに使用し、送付後は速やかに処分します
  • ご応募完了時点で、アイティメディアのプライバシーポリシーへご同意いただいたものと致します。応募前に必ずご確認ください。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/01/news004.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
  2. /nl/articles/2501/01/news052.jpg ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
  3. /nl/articles/2501/02/news027.jpg 【ハードオフ】2750円のジャンク品を持ち帰ったら…… まさかの展開に驚がく「これがジャンクの醍醐味のひとつ」
  4. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  5. /nl/articles/2501/02/news038.jpg 「どういうことなの!?」 ハードオフで13万円で売っていたまさかの“希少品”に反響「すげえ値段ついてるなあ」 
  6. /nl/articles/2501/02/news034.jpg 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
  7. /nl/articles/2501/01/news051.jpg 「衝撃すぎ」 NHK紅白歌合戦に41年ぶり出演のグループ→歌唱シーンに若年層から驚きの声 「てっきり……」
  8. /nl/articles/2412/31/news047.jpg 知らない番号から電話→AIに応対させたら…… 通話相手も驚がくした最新技術に「ほんとこれ便利」「ちょっと可愛くて草」
  9. /nl/articles/2501/01/news001.jpg 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
  10. /nl/articles/2501/01/news048.jpg 「見間違いかと思った」 紅白歌合戦「ディズニー企画」で起きた“衝撃シーン”に騒然「笑った」「腹痛い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  2. 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  3. 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
  4. 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
  5. チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  6. 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  7. 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  8. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  9. 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  10. 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」