キック、怪談話の“著作権侵害疑惑”について言及 「どの部分に作家さんの著作権があるか私には分からず」(1/2 ページ)
「私としても困惑しており、どのように対応していいか分からない状態にあるため」。
お笑い芸人のキックさんが9月21日にブログを更新。CSチャンネル「エンタメ〜テレ」で放送され、その後「Prime Video」で配信中だったオカルト系バラエティー番組「超ムーの世界R」でのトークで、著作権侵害を指摘されている件について言及しました。
問題となったのは、「超ムーの世界R」の2022年シーズンの第160話。キックさんが、作家の小原猛さんの2014年に出版した著作『沖縄の怖い話』(TOブックス)に登場する「首のない女」とそっくりな話を披露しており、番組を視聴したファンが小原さんへTwitterで報告。
しかし、小原さんは「全く知らないですねー。誰だろ?」と番組に自身の著作が使用されているとは知らないと返信。その後、番組を確認したところ「この『首のない女』の話は、たぶんTOブックスの私の『沖縄の怖い話』の丸パクリだと思われますが、そうだとしたらサイキックなのにそれもわからなかったんでしょうね。協力した覚えございません」とコメントしました。
その後もキックさんに連絡するよう呼びかけますがコンタクトが取れないようで、「それにしても丸っとパクっています。もう一度言いますが、私は許諾も出しておりません。主人公の名前から何からそのままでいい逃れなど出来ません。あまりにもひどすぎるので、この場を借りてサイキック芸人キック氏には正式に抗議します」と、怒りをにじませながらツイートしていました。
これを受け、番組を確認したファンからは「たまたま似てしまったというパターンも考えていましたが、細かなニュアンスから台詞から話の流れまで丸っと一緒」と驚く声も。
9月5日には、ムー編集部も番組へキックさんに事情を確認するよう伝えたと報告。6日には小原さんが弁護士に相談しており、7日にはエンタメ〜テレ公式Twitterがキックさんに事実を確認中であると伝えました。
9日になり、小原さんはあらためて今回の件について言及。「これが許されれば、すべての怪談本はすべての怪談師のネタ本となり、命を削って取材して書いたそれらの文字は、一瞬にして命を失う」「私たちの苦労して産み出した書籍は、決してフリー素材ではない。世界には著作権という確かな要石がある」と、怪談をつづった書籍は番組などでネタを披露する“怪談師”が許可なく引用していいネタ本ではないとコメント。
14日にはエンタメ〜テレが調査の結果、著作権侵害の恐れが高いと判断して番組の当該回である第160話の放送と配信を停止したことを報告。17日には、小原さんが「私の本に書かれたものを、筋そのままにテレビなどで話す場合、もしくは朗読をする場合は、必ず著者か出版社に連絡をして下さい」と書籍から引用する場合のマナーについてツイートしました。
その後、21日にキックさんがTwitterとブログを通して今回の件に関して言及。双方で代理人を立てて話し合いをしている途中であるため詳しいコメントは控えるとしながらも、小原さんから著作権侵害について指摘されている件については「著作権侵害にあたるのであれば、直ちに謝罪し、誠実に対応する必要があると考えております」とコメント。
一方で、「弁護士さんが言うには、著作権は話を創作した人に発生するとのことなのですが、今回の件で私がお話した話は、作家さん自身も人から聞いた話とのことであり、どの部分に作家さんの著作権があるか私には分からず」と伝聞を元とした記述については著作権の所在が不明だと説明。
「しかも、作家さんからも著作権侵害との指摘はあるものの、どの部分に作家さんの著作権があるかを明確にしていただけておりません」と話し合いの中で核心となる部分について明確になっていないとも。そのため、「私としても困惑しており、どのように対応していいか分からない状態」にあるそうで、この点の事実関係について確認中とのことです。
また、キックさんは著作権について「専門家でないと判断が難しい点も多々あるようです」とつづっており、「本件についてもしっかりと弁護士さんの見解を伺いながら誠意を持って対処していく所存でございます」と報告。今後の展開についても「どこかでお話させて頂けたらと思っておりますので宜しくお願い申し上げます」と締めくくっていました。
同日、キックさんは今回の件を受けて「超ムーの世界R」を降板したことも報告。番組で披露していたネタについて「人から聞いた話や本など学んだ叩きのネタがあるうえで語るネタを組み立ていた」と明かし、「今のライツへの感覚で活動していたらもっと大きな事故を起こしていたかもしれず、今回ご指摘頂いたことに大変意味があることと思っております」と真摯(しんし)にツイートしています。
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