「身体を貸すことを惜しまないように」 池田エライザ、ドロンジョの“壮絶な生きざま”体現 初ボクサー役で肉体改造(1/2 ページ)

役とは異なる“目標を持たない”生き方も明かす「実は私、そんなに挑戦していない」

» 2022年10月07日 18時00分 公開
[Yukaねとらぼ]

 「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のキャラクター、ドロンジョの知られざる過去を題材にした「タツノコプロ創立60周年記念 WOWOWオリジナルドラマ DORONJO / ドロンジョ」が10月7日(金)から放送・配信開始。のちのドロンジョとなる主人公・泥川七音(どろかわなお)を演じるのは俳優の池田エライザさん。セクシーで憎めないドロンジョの“壮絶な生きざま”が令和に明かされます。

動画が取得できませんでした

 「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」は、お宝ドクロストーンを巡って正義の味方ヤッターマンがドロンジョ率いる悪党3人組の“ドロンボー”一味と争奪戦を繰り広げる、1977年に放送されたアニメ。以後も、アニメや実写映画化などリメイク作品が制作され、不朽の名作として鎮座しており、2015年には、ドロンボー一味が主役となったアニメ「夜ノヤッターマン」が放送された他、日本テレビ系列「ZIP!」のコーナーで「グッド・モーニング!!! ドロンジョ」がスタートするなど、ドロンボー一味も根強い人気を誇っています。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンボー一味のドロンジョやトンズラー、ボヤッキー 「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」 (C)タツノコプロ

 そんなドロンボー一味のメンバーであるドロンジョにスポットライトを当てた実写ドラマ「DORONJO / ドロンジョ」は、ギャグコメディーから一転、ダークでシリアスなストーリーに。多くの人が知る“ドロンジョ様”としての姿ではなく、貧しく過酷な環境で必死に生きる泥川七音の姿が描かれます。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ 令和のドロンジョを演じる池田エライザさん(撮影/羊肉るとん ヘアメイク/RYO スタイリスト/福田春美)

 七音の過去が明かされる中で、のちの“ヤッターマン2号”となるドロンジョの敵・聖川愛花(山崎紘菜さん)も登場。七音とは対照的に、裕福な家庭で育ちインフルエンサーとして活動しており、2人はボクシングの日本代表を巡るライバルとして出会います。

 さらに「世の中を良くしたい」と、愛花と一緒に真っすぐな“正義”を掲げる、のちの“ヤッターマン1号”・高岩田ガン(金子大地さん)や、ドロンボー一味となる2人の青年も登場。メカ造りの天才・“ボヤッキー”こと飛悟(矢本悠馬さん)や天然で怪力の“トンズラー”こと匠苑(一ノ瀬ワタルさん)と七音はなぜ出会ったのか、切ないドラマが盛り込まれています。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ のちの“ヤッターマン2号”愛花とのちの“ヤッターマン1号”・高岩田ガン
「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ “ボヤッキー”こと飛悟、“トンズラー”こと匠苑

 撮影を終えた池田さんにインタビューを実施したところ「現代で再びドロンジョが取り上げられた理由、なぜ今必要な作品なのだろうという観点でも見ていただけたら」とアピール。ボクシングに挑み続ける七音の思いを想像し、思わず「愛ちゃんをぶちのめしたい」と強い言葉が飛び出す一方で、七音とは全く異なる自身の生き方について穏やかに語りました。

「気付いたらボクサーに」 池田エライザが体を張った“ドロンジョ様”

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ 「ヤッターマンはテレビで見ていました」

――ドロンジョ役が決まったときの心境を教えてください。

池田エライザさん(以下、池田) 「タツノコプロ創立60周年記念」とWOWOWで作品を作るということで、すごくワクワクしました。この現代に新たなドロンジョが生まれること、とても興味深かったです。

 私がお話をいただいたときは、まだ脚本が仕上がっておらず今とは全く違うお話でしたが、どの段階でも制作者からドロンジョへの愛情を感じましたね。まさかボクサーになるとは思わなかったですけど(笑)

動画が取得できませんでした
【第1話 無料配信】DORONJO / ドロンジョ「EPISODE 1 再戦」【WOWOW】

――ボクサーになることは知らなかったんですね。

池田 どういう話になっていくのだろうと経過をずっと見ていたら、気付いたらボクサーになっていて、かっこよさを感じましたね。演じる上で体力的にしんどそうだな、一筋縄ではいかないなと思う反面、七音はすごく真っすぐな子なので、まわりくどくなく演じられるなぁとも思いました。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ ボクサーとして生きる七音

――原作のドロンジョに抱いていたイメージは、脚本を読んで変わりましたか?

池田 原作のドロンジョは長く愛されてきたキャラクターで、一味との軽快な掛け合いや面白さ、応援したくなる悪役の元祖だと思っていました。そして彼女から、“絶望しないで立ちあがる力”を感じていました。そんな強さや、生きることへの執着でいうと、七音にもやっぱり“ドロンジョ様”と通ずるものがあるんですよ

 加えてどちらの作品も「見ている人に夢を与えたい」という制作者の意思を感じました。アニメと比べると今回はすごくダークなお話にはなりますが、ドロンジョ様はドロンジョ様のまま、見方が変わることはなかったです。トンズラーとボヤッキーもいますしね。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ

――ドロンジョの根本的な部分は変わっていないと。演じる上では、何を大切にしていましたか?

池田 七音がやりたいことを、ちゃんと表現しなければいけないと思いました。七音が叫ぶたびに私の喉が枯れていくけれど、でも、七音だったらもっともっと叫んで枯れるのかもしれないとか。七音に身体を貸すことを惜しまないようにしましたね。毎日がむしゃらでした。

 ボクサーとして“いかにボクシングに特化した身体に改造できるか”という必要もあったので、どんどん猫背になっていきましたし、普段使わない肩の筋肉がつきました。体が順応するまでに、時間がかかったなぁ。とにかく身体で痛くないところがなかったです。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ ハードな撮影を笑顔で振り返る「1カット空きの時間があれば、ミット打ちをしていました」

――フィジカル面で過酷な撮影だったのですね。内面的にはどのような苦労がありましたか。

池田 七音のハードな生い立ちを演じた1話から3話までは、精神的にずっときつかったです。正義を信じられなくなり、新たな価値観を積み上げていくまでの過程がしんどかった。あと七音は同情されるのが嫌だと思ったので、安易な気持ちで同情したり、共感したりしないようにしていました。七音の気持ちは計り知れないと……

 分かった気にならないよう意識した上で、伯父で育ての親である正治と一緒に過ごし、“お芝居として”七音の人生を経験している私が感じたままを大事にしました。シーンにない日常は想像で補いましたね。クランクインまで時間があったので、ボクシングを練習しながら、ずっと七音のことを考えていました。

――具体的に、どんなことを考えていたのでしょう。

池田 何百、何千とありますが……例えば「インファイト」という、七音のボクシングでの闘い方について。自分から敵に接近してアッパーやフックなどで攻撃する戦術で、七音はまさに自ら突進する“インファイター”なんです。そこで、「七音は何でインファイターなのかな」と考えました。

 答えは「七音が闘いたい相手は決まっているから」。正直、七音がボクシング選手として強いか弱いかでというと、何とも言えない。でも「愛ちゃんをぶちのめしたい」という強い気持ちで日々練習しているんだろうなと。その気持ちを抱えた日々を想像しながら、私も練習しました。

「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」ドロンジョとなる泥川七音役・池田エライザ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた