「閃乱カグラ」シリーズのメーカー最新作「ドルフィンウェーブ」の“ゲーム部分”は面白いのか? ビジュアルに釣られてやってみた
はっきりしたコンセプトに、思い切った設定項目も。
スマホゲーにはサービス終了がつきものですが、この9月もサービス終了の発表がいくつかありました。中でも、この連載を始めるきっかけとなった復活版「セブンズストーリー」の終了はとても印象深いものでした。
復活版「セブンズストーリー」はよくできた作品ではあったのですが、旧作とのストーリーの違いがあり「リメイクとはいえ何かが違う……」とだんだん遊ばなくなってしまっていました。ただ、その間もある程度ゲームの動向は追いかけており、ユーザー向けの生放送を社長と開発者自らが行うというユーザーフレンドリーな姿勢が旧作のときより明確に出ていた印象はありました。今後新作を作るとしてもその姿勢は追求してほしいと思っています。
そして別れがあれば出会いがある、とばかりにこの10月は新作ゲームラッシュとも言える状況になっています。10月13日に「Re:ゼロから始める異世界生活 INFINITY」、10月14日に「エタクロニクル」、10月18日に「メメントモリ」、10月20日に「Echocalypse -緋紅の神約-」「ドルフィンウェーブ」、10月21日に「ユアマジェスティ」と怒涛の勢い。
さすがにこれだけあると全部に触れるのは難しいのが正直なところなのですが、この中で気になっていたゲームがありました。それは「ドルフィンウェーブ」。ハニーパレードゲームスの新作タイトル。事前情報の時点でもう登場人物の胸に注目が行く作り。「閃乱カグラ」を手掛けていた会社の新作というのも納得の一品です。逆にそこばかりが話題になりがちな作品だったのですが、反面「ビジュアルだけが豪華で実際のゲームはおもしろいのか?」という疑問もありました。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
いろいろな意味で慣れてくる過剰さ
ゲームは沖縄っぽい人工島「ワダツミ」を舞台に、ジェットスキーのようなマシンに載って銃で撃ち合う「ジェットバトル」というマリンスポーツが主題となっています。そのコーチをやってみないかと言われた主人公がワダツミを訪れ、同じく選手に憧れてやってきた女の子と出会うところから物語は始まります。当然その子を選手とし、自分はコーチとしてジェットバトルに挑むのですが、まあ初手から出会う女の子の胸囲がことごとく大きい。若干過剰では? と思うレベルですが、そのうちいろいろな意味で慣れていきます。
ストーリーはトントン拍子に進み、チュートリアルバトルを行った後すぐ引き直し可能なガチャを引けることになります。このあたりのテンポの良さは大変好印象ですが、チュートリアルのバトルだけはちょっと残念な感じです。バトルは戦闘中に配られる手札を選んで戦うコマンドカードバトル的なものなのですが、当然カードを選ぶ間時間が止まっているわけで、ジェットスキーのバトルなのに爽快感がないなぁ、と思わされるのです。
ただ、チュートリアル終了後はオートバトルが解放され、倍速モードも追加されます。この状態だとかなりスピード感があって爽快な状態で、ボーッと眺めている分にはとくに問題ないなと思います。
最初に細かいルールを説明されてプレイさせられた意味は……と思ってしまいますが結果的には楽になるので良しとしたいです。個人的には試合クリア後に「今回はこれが手に入りました」「今のそれらの合計はこれぐらいです」と出てくる親切さは大変好みです。試合をクリアすると少しずつガチャ石が入手できるのですが、累計が表示されるため「よし10連引ける!」とすぐに判断できるのはとても良いシステムだなと思いました。
髪色も変更可能 意欲的な試みも
バトル用のチームを編成する際は2台のマシンにライダーとガンナーを編成し、アタッカーとディフェンダーに分かれるのですが、その役目が自由に編成できません。キャラごとに「この子はライダーでアタッカー」「この子はガンナーでディフェンダー」という役割とポジションが固定されています。
加えてキャラクターになぜか属性が存在しており、それによる相乗効果や相性もあるのです。ファンタジーゲームでもないのに風属性とか水属性みたいなのがキャラクターについているのは何なんでしょうか。さらにメモリーという装備カードのようなものがあり、おまかせ編成に頼らないと結構煩雑な印象があります。
これらの細かいバトル設定があるにもかかわらずオートバトル+おまかせ編成を使っていて現状問題は感じません。おそらく先々高難易度のコンテンツに挑むときはそうも行かないのだと思いますが。戦闘に凝りたい人は自力でチューニングして最適なバトルをやってほしいが、そういうことにこだわりたくない人は適当にやっても構わない、という印象を受けました。
なぜそう思えたかというと、戦闘はこのゲームの本命ではないということがプレイしながら分かってくるからです。相手を打ち負かすと胸を押さえてボートから落ちるシーンが再生されるのですが、だからといって揺れるわけでもなく服が破れるわけでもありません。お色気部分の本命はトップページやジオラマで閲覧できる着替えモードにあります。ガチャの結果によってキャラクターはさまざまな衣装を入手できるのですが、これを更衣室で着替えることが可能。トップページにキャラクターを2人配置できますし、ジオラマモードではさらに多人数を並べて閲覧することが可能です。
ただし、チームメイト4人を並べて水着で鑑賞したい、となってもガチャで出てくるのが現時点では「UR=水着」「SSR=ユニフォーム」「SR=私服」となっているため、せめてSSR以上を引いていないとバランスが悪い感じになってしまいます。デフォルトの全員おそろいの練習着もあるのですが、これが絶妙にダサい。
なお、URを引いて編成しても更衣室で着替えないと衣装が反映されないのですが、私はしばらく気付かずに練習着で試合に出て「なんでだろう……」と考えていました。また、キャラクターの服の色だけではなく髪色も変更可能というこの手のゲームにしては思い切った設定が可能になっています。
結果的に衣装を集めて着替えてそれを眺めるのがメインという作品と判断しましたが、ただ胸の大きいキャラクター、というだけではなく、性格や愛嬌などキャラクターの持つの魅力をうまく押し出していると思えました。
メインストーリーやキャラクターごとのストーリーも含め、いろいろとキャラクターの掘り下げをしようとしているのは伝わってきます。キャラクターの魅力が深まればストーリーを進めて石を集め、ガチャを回して着せ替えをしたくなる。そんな良いサイクルが回っているゲームに思えました。
現時点では衣装の少なさが気になるものの、水着についてはおいおい追加もされていくこととも思いますし、例えば肌の色を褐色にしたりなどのカスタマイズができるようになればもっと可能性も広がるなあ、と今後に期待できる作品だと思えました。チュートリアルガチャをリセマラして繰り返し見せられる乳と尻を見てゲップが出そうになったら、そこでゲームを終了して翌日に再開するぐらいでちょうどいいと思います。乳尻の摂取は適度な節度を持って!
なお筆者はiOS版でプレイしていますが、DMM版もあるためPCでのプレイをご希望の方はそちらも良いかもしれません。なお、あくまでもDMM版でありFANZA版ではないことにご注意ください。
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