「音楽は無料で垂れ流し」 湯川れい子、ミュージシャンの収入巡る窮状に涙  配信サービスは「本当にお金になりません」(1/2 ページ)

湯川さん「もはや、ロックは名もない若者のための音楽では無くなりました」

» 2022年11月15日 19時00分 公開
[レイノルズ村上ねとらぼ]

 音楽評論家・作詞家の湯川れい子さんが11月11日から15日にかけてTwitterを更新。ライブのチケット代に物申したのをきっかけに、「音楽は無料で垂れ流し」「配信だけでは100万ダウンロードでもされない限り、本当にお金になりません」と音楽を巡る状況の厳しさを訴えています。

音楽評論家の湯川れい子 ロック、ジャズ、ソウルなど様々なシーンを見つめてきた湯川さん(画像は湯川れい子 Instagramから)

 湯川さんは11日、米ロックバンド「レッド・ホット・チリペッパーズ」が2023年2月に来日することに言及。レッチリのライブにはそわそわする人が多いだろうとする一方、「代金は5万円、2万5千円、2万円、1万8500円。ブルーノのチケット代と重なると、辛いですよね〜」と、2022年10月に来日した歌手ブルーノ・マーズに続き、著名アーティストのチケットが万単位の高額であることを指摘しました。

 価格を巡る当該ツイートに対し、一部ユーザーが「スティングもSS席\25,000S席\20,000A席\19,000て、もうみんなこの水準になってしまったみたいですね」「大体3,000円位で観れたあの頃が懐かしい」と、昔のライブ代の廉価ぶりをコメント。

  このツイートを引用するかたちで、湯川さんは「涙が出て来ます。もはや、ロックは名もない若者のための音楽では無くなりました」と、ロックがお金も名声もない者の音楽から変質してしまったと悲嘆に暮れながら、「レコード。パッケージと呼ばれるCDがまったく売れなくなって、逆に音楽は無料で垂れ流しになって、ほとんど制作者側の収入にはならないため、ライブとグッズでの収入頼みです」と、音楽ソフト売上の落ち込みとサブスクリプションサービス(定額制音楽配信/以下、サブスク)などの台頭で新しい収入源の確保に苦悶するアーティスト勢の現状を訴えました。

 湯川さんの主張には賛同の声も多く寄せられた一方で、「無料で垂れ流し、てことはないと思います。また、ロックは名もない若者の音楽ではなくて、商業だった」「業界に居ながら、時代の先すら読めてなかったんだな。名もない若者のための音楽と独自に仕切りを設けてた人なら仕方ないか」との指摘も。

 湯川さんは「音楽が水のように、権利関係を飛び越えて、回収不能な状態で使用されるようになった30年前から、起き始めた現象です」と、ミュージシャンが陥っている窮状の背景について主張。

 さらに、「いかにチケット代を抑えて、若い人に聞いて貰おうか苦労した先人達を知っています」「ロックン・ロールが生まれて来た時の政治的な抑圧や、世界の動きを見て来たので、業界だけの動きではありませんね。人間力の低下で、環境破壊と同じだと考えています」と、この一件は音楽のみに限らないとし、今後の世界の流れに警鐘を鳴らしています。

 その後もさまざまな意見が寄せられる中で、湯川さんは「配信だけでは100万ダウンロードでもされない限り、本当にお金になりません」と音楽配信サービスにあらためて見解を表明。また、「音楽を使い捨てにする事が無いように、クリエイターや音楽家、著作物を大切に、代価を払おうと考えること。その著作物を大切に、自分達の自由の象徴であり、大切な文化として認識する事」と、リスナーを含めた音楽に関わる者全ての意識変革を訴えていました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた